明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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うつの方にはむしろ朗報か?「衣替え」しない秋の佇まい

 地球の温暖化の影響なのでしょうか。年々、季節感が薄れていくような気がしませんか?

 

 

 万葉集の時代から、日本には四季折々の季節感がいにしえの人々の心を時に切なくし、歌心を満たしもしました。ところが、今や日本の気候は、まるで熱帯地方のような猛暑日がいつまでも続くというように、もはや暦の上の四季は意味をなさなくなったかのようです。

 

 

 うつの方には季節の変わり目には、体調不良となり精神的にも不調をきたす危険性が高くなるため、この時期には最も用心が必要なのです。しかし、もしも日本がサモアのような常夏の島であったら、そんな心配も無用でしょう。サモアの屈強なラガーマンの体躯を見ていると、何だか彼らが育った環境が羨ましくもなります。もちろん、サモアにはサモアなりの懸念材料は少なくないのでしょうけれども。

 

 

 皆さんは衣替えという言葉を聞いて、どのようなイメージを浮かべられますか。中学、高校時代に校則で定められた時期に全校生徒が一斉に冬服から夏服へ、夏服から冬服へと衣替えをしたことを思い出した方も多いかと思います。

 

 

 学校の規則では、夏服は6月1日から、冬服は10月1日からと決まっていました。今でも同じでしょうか。しかし、これだけ暑さが長引くようになり、秋の始まりもよくわからないような季節感の中、暦通りに衣替えをするのもなかなか厳しいですね。もし衣替えの時期は各人の自由でよろしいという校則があれば、きっとほとんどの生徒は11月いっぱい、あるいは12月に入っても夏服のままでいるのではないでしょうか。

 

 

 先日、冬のジャケットを新調したのですが、その際に店員さんには厚手の生地ではなく、むしろ一年を通して着用できる薄手の生地を勧められました。しかも背抜きで十分だというのです。そういえば、最近、真冬でも薄手のスーツを平気で来ている会社員をよく見かけます。雪がちらつくほどの気温の低い日でも、コートを着れば寒くないそうです。

 

 

 私などは秋冬にはフランネルのジャケットやヘリンボーンのウールジャケットを着ることにしています。もちろん、背抜きの夏物は10月までにはさっさとクリーニングに出して、来年までクローゼットの奥にしまっておきます。

 

 

 若い会社員はまだスーツの替えをたくさん持っていないから、冬になっても夏の服で我慢しているのだろうと思っていたのですが、そうではなかった。彼らはごく普通に一年を通じて背抜きのスーツで過ごすことが当たり前なのです。秋になった途端に衣替えして、冬服を着たがる私などは、もうめちゃくちゃ古い人間なんですね。やれやれ。

 

 

 当たり前かもしれませんが、20代の若者は、サモアラガーマンほどではないにしても、なかなか立派な体格をしている人が多いですね。今時の日本人は西欧人並みに上背があり、足も長くてデカい。ついでに態度もデカい。戦後間もないころの日本人の貧弱な体格に比べると隔世の感があります。なかなか立派ですね。

 

 

 話がだいぶ逸れましたが、夏が過ぎても残暑が長引いて、ごく短い間に秋が過ぎて、いきなり冬に突入するというのが、今の日本の四季です。地球規模で進行しつつある温暖化現象について妙に実感してしまう今日この頃です。でもうつの方にとっては、むしろ衣替えしないで済む方が有難いはずです。秋口の不安定な天気を気にせずにいられるわけですから。

 

 

 ただ夏の猛暑が厳しい分、夏バテからくる体調不良には十分に注意する必要があります。残暑疲れにはきちんと対処しなければいけません。そして短い秋をやり過ごして、冬に備えればいいのです。うつになりやすい方は、若者の真似をして背抜きのスーツで過ごすようなことはしないこと。我慢せずに厚手の服に替えましょう。寒暖差で体調を崩さないように、暖かい服装にしましょう。

 

 

 衣替えをしない秋というのも、何だか味気ないような気もします。秋にはその季節にふさわしい装いで過ごす方が楽しいと思います。ファッション誌が必死に秋服を宣伝しても、夏服でも平気だという若い人たちばかりでは、張り合いがありません。季節を十分に感じつつ、体調の変化にも気を配るのがいいのです。秋の風景や味覚などの風物詩を愛でる方が、日本人らしい感性だと思いませんか。

 

 

 でも衣替えをしない秋の佇まいというのは、うつの方にとっては季節の変わり目の体調管理の難しさを考えると、むしろいいことなのかもしれません。衣替えをしないで済ませること。または、秋風にコートの襟を立てて暖かい服装をして体調管理に気を配ること。あなたはどちらが良いと思いますか。