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コンビニ・ファミレスの24時間営業は本当に必要でしょうか?

 24時間営業を売りにするコンビニエンスストア業界ですが、大手コンビニチェーンに加盟するフランチャイズ店舗がそうした営業形態に公然と反旗を翻したことが大きく報じらました。働き方改革を旗印に、業界の体質改善がこれから進むことでしょう。実際、大手ファミリーレストランでは、相次いで正月営業を取りやめる店が増えそうです。これまで元旦から営業していたデパートも、営業時間の見直しを検討せざるを得なくなりました。

 

 

 働き方改革は今、確実に小売り業に限らず他の業界にも広がりつつあります。でも、消費者にとっては、いつでも開いているコンビニが終夜営業をやめることで、不便を感じる方も少なくありません。今後、時代の趨勢により、24時間営業はなくなるかもしれません。コンビニやファミレスに代表される終日営業について、考えてみました。

 

 

24時間営業の是非を問う

 

 

 そもそも終夜営業は深夜まで就業する職種の方々に便宜をはかるために始まりました。たとえばタクシーや長距離トラックの運転手さんなどがそうです。夜通し働いた後で、食事を採ろうとした時に、24時間営業していて、いつでも立ち寄れるレストランや売店があるのは、実に心強いことでしょう。もっとも『深夜食堂』のような深夜だけ店を開ける飲み屋さんは別ですが…。

 

 

 『セブン・イレブン』は日本のコンビニ先駆者ですが、いつの間にやら、朝7時から夜11時までどころか、24時間営業が当たり前になりました。他のコンビニも同様です。そういえば、「開いてて良かったぁ!」というキャッチコピーのCMがありましたね。その通り、いつでも開いていることを売りにして急成長したのです。

 

 

 ところが前述のように、「働き方改革」の旗印のもとで、コンビニやファイレスも終夜営業を取りやめるところが出始めました。これまで「開いててよかった!」を享受していた方々にとっては由々しき問題です。コンビニエンスがいつの間にか、インコンビニエンスになり替わったのですから、当然です。

 

 

 長距離トラックの運転手さんは以前は、街道筋にたくさんあったドライブインに立ち寄って、目覚まし代わりの食事やコーヒーを楽しんでいました。ファミレスの普及により、トラック運転手さん御用達の昔ながらのドライブインが急速に姿を消していき、その代わりに、ファミレスでチーズハンバーグやステーキセットにコーヒーなどが飲み放題のドリンクバーで好きなだけ食べたり飲んだりするようになりました。近い将来、24時間営業のファミレスもなくなってしまったら、実に不便に思うことでしょうね。

 

 

 一方、コンビニでも営業時間が短縮されるようになり、夜中や明け方でもおにぎりや弁当、肉まん、おでんなどが買えなくなりそうです。長距離輸送のトラックとは違い、タクシーは街中を走ることがほとんどです。そんなタクシー運転手さんの強い味方として、24時間営業のコンビニは実に頼りのなる存在です。軽食から雑誌、飲み物がある上に、トイレも借りることが出来ます。もしコンビニが深夜にぱったりと店を閉めてしまったら、きっと相当に不便を感じるに違いありません。

 

 

「買い置き」しましょう

 

 

 24時間営業のメリットを享受できる職種の方々は別として、それ以外の一般の方々はどうでしょうか。昼間よりもむしろ夜に活動したくなる方も結構多いものです。車を流しながら、音楽を楽しんだり、仲間とつるんで夜遊びするのが大好きだという方もいます。そういう人々は深夜のコンビニ店の駐車場で”〇〇座り”などしながら、深夜族どうしで交流深めているところをよく見かけます。

 

 

 別に未成年者でなければ、深夜に車でコンビニに乗り付けて、同好の士との親睦を深めても文句はありません。ただし、大声で騒いだり、そこら中にタバコの吸い殻やごみを投棄しなければ。また、別の深夜族のグループと抗争を繰り広げたり、一般人にイチャモンを付けてカツアゲなどをしなければの話です。

 

 

 世の中には夜通し働く職種の方は数多くいます。何も運転手の方々ばかりではありません。医療機関で働く看護師の皆さんやお医者さんには夜勤が付きものです。そうした方々がいる一方で、大して用もないのに、やたらと深夜にうろつきたがる方もいます。どちらが数が多いのか正確なところはわかりませんが、深夜勤務の方が必ずしもコンビニやファミレスを利用するとは限りませんから、本当に終夜営業のコンビニ、ファミレスが必要な方の数はそれほど多くはないのではないでしょうか。

 

 

 そもそも日本でのコンビニ一号店が開店する以前には、ごく一部を除き小売店のほとんどは遅くても夜の8時、9時には店を閉めるのが普通でした。それに年中無休の営業店も限られていました。ほとんどのお店は日曜祭日には営業しなかったし、ましてや正月の期間中には、12月の仕事納めの日から正月の三が日は休みでした。そのため、各ご家庭では、お店が長期休業する前までに正月用の食材やお菓子類やジュースやお父さんのためのビールやお酒をあらかじめ買い置きしておくものでした。正月に親戚やお客さんがいらしたときに、お酒が足りなくなったり、スナック菓子のストックがなくならないように気を配ったものです。

 

 

 私の子供時代には、年末にスーパーで食材や飲み物、お菓子類をまとめ買いしました。そのような買い置きの習慣が普通にありました。でも時代は変わり、買い置きするよりも「開いててよかった!」のコンビニでその都度買うようになったのです。いつでも店が開いているから、わざわざ大量に買い置きする習慣はいつの間にか忘れられていったのです。

 

 

 ところが、です。昨今の働き方改革のあおりを受けて、24時間営業が見直されるようになりました。年中無休、終夜営業が少数派になるかもしれません。それでは絶対に困ると仰る方もいるでしょう。でも本当に絶対に必要ですか。コンビニが日本に出来る前のように、あらかじめ必要な食料品や飲料などは買い置きすればそれで済むのではないでしょうか。

 

 

 もちろん中には、24時間営業店がなくなったら困るという方々も確かにいらっしゃいます。終夜労働の職種に就かれている方にとっては、そうかもしれません。でもどうしても深夜に食べ物や飲み物が必要ならば、事前に購入しておけばいいではありませんか。お湯さえあれば食べられるカップ麺もありますし、ひとつひとつビニールに包まれたおにぎりもあります。ペットボトルもある。ほら、そんなに困らないでしょ。そう思いませんか。