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「新型コロナウィルス」感染源はゲテモノ食材だった!

 中国河北省武漢で発生した「新型コロナウィルス」ですが、中国政府は武漢からの移動を実質禁止する措置を取りました。が、遅きに失したと言うほかありません。実際、移動禁止令が発布される直前に当地から日本へ入国した中国人が、新型ウィルスに感染していることが判明したのです。

 

 

 今週末から春節連休がスタートするタイミングです。30億人もの中国人が””民族大移動”するのです。最初の感染者が出た昨年からすでに2か月以上が経過し、中国政府はようやくことの重大さに気付いたようです。もはや「パンデミック」は不可避の状況。日本へ感染者が入国しないように全力を挙げるとのことですが、武漢からの旅行者を見落としたのですから、不手際にもほどがあります。

 

 

生鮮市場で売られる食材

 

 

 武漢での感染セロ地帯は生鮮市場のようです。そこでは以前にSARSの感染源とされたハクビシンも当然の如く、販売されています。今回の新型ウィルスの感染源はその市場で販売されたアマガサヘビやタイワンコブラで、宿主はヘビのエサとなるコウモリの可能性が高いといいます。もちろん、生鮮市場ですから、食用に売られている食材です。

 

 

 日本の市場では、海洋国だけに魚の種類は多種多様ですが、ヘビやコブラ、犬、ハクビシン、その他の珍獣が動物園向けではなく、食用として販売されているのを見たことがありません。中には、ゲテモノ喰いを趣味とする方もいらっしゃるようですが、それは特殊なケースであって、普通の市場ではまず販売されることはありません。中国の食文化の奥深さにはほとほと関心させられますね。

 

 

 確かに、西洋諸国でもジビエ料理は盛んです。フレンチレストランでは、その時期の狩猟で捕らえたウサギやら鳩やらキジやらが食材として珍重されています。高級料理の部類に入るほどです。日本でも、郷土料理の中には、鹿や猪肉を食す習慣もあります。マムシを生きたままアルコール度数の高い焼酎に漬け込み、何年間も熟成させたものを滋養強壮に効果のある栄養飲料として飲まれています。好き嫌いはあるでしょうけれども。

 

 

 カミツキガメなどの危険な外来種を食材として、料理して試食するというバラエティ番組があります。一流の料理人の手に掛かれば、その手のゲテモノ食材も立派な一品となり得るから不思議なものです。

 

 

 韓国では犬肉を食べる習慣があることは知られています。ソウルオリンピックが開催された際に、西洋人を含む多くの外国人が彼の地を訪れるのを前に、犬料理をレストランのメニューから外すよう行政指導がありました。西洋社会では人間の良き相棒であるワンコを鍋の具材にするとはけしからん、との悪評がたたないようにするための苦肉の策でした。

 

 

 ところで日本でも江戸時代には、犬鍋はわりとポピュラーな料理でした。ただ明治以降、日本に西洋化の波が押し寄せ、犬鍋は徐々に廃れていったのです。猪やクマも食用にされることがあります。漢方薬に熊の胃を煎じたものがありますし、猿の肝や脳みそも漢方薬にあります。案外、ゲテモノ食いは昨今の流行りなどではなさそうです。

 

 

「ゲテモノ食い」の是非

 

 

 一時期、ゲテモノ料理が流行ったことがありました。それ専用の居酒屋なども出来て、そうした店ではとんでもない食材が皿に盛られて供されます。たとえば、サソリやゴキブリの唐揚げとか、ヘビのかば焼きなどです。想像しただけで、肝が冷えそうです。でも一部の好事家にはきっと堪らないご馳走なのでしょうね。

 

 

 最悪のゲテモノ食いは何かと問われて、戦時中を知る世代の方の中には、タブー中のタブーに違いありませんが、激戦の地で生き抜くために戦死した兵士の肉を食べた奴もいたという、とんでもない話が持ち出されるかもしれません。実際にそうしたことは起きたようです。飢えた人間は人としてのプライドすら見失ってしまうのでしょう。

 

 

 ウガンダのかつての独裁者、イディ・アミン大統領は捕らえられた政治犯を殺してその肉を食らったという伝説があります。真偽のほどは明らかではありませんが、『食人大統領アミン』という伝記的映画が制作されたことがあります。

 

 

 イタリアの映画監督、グァルティエロ・ヤコペッティの代表作『世界残酷物語』は、タイトルに謳っているように、世界中の奇抜で野蛮な風習を描くドキュメンタリー映画です。その中に何と日本人が嬉々としてヘビを食べるシーンがあるのです。たしかに一部の地域でヘビを食用にしていたのかもしれませんが、決して日本人の平均的な食卓風景ではないことは言うまでもありません。

 

 

 この映画が世界的に大ヒットしたことで、長らく西洋人から日本人はヘビを食べる野蛮な民族だという誤った認識が刷り込まれてしまいました。1962年の映画ですから、もうだいぶ昔の話ではありますが、今でもどこかの国では日本人はヘビを食っていると信じて疑わないようです。実に困ったものです。映画を観たことがない方でも、主題曲の『モア』という美しいメロディを持つ甘い曲が有名ですから、どこかで耳にされているはずです。でもその映画の内容たるや、ドキュメンタリーとするには、いささか”過剰な”演出が多すぎると言わざるを得ません。「モンド映画」の走りでしょう。

 

 

 いささか話が逸れてしまいました。さて、新型コロナウィルスの感染源となった生鮮市場に話を戻しましょう。今回のウィルスを介在させたのが、アマガサヘビとタイワンコブラならば、そもそもこれらの生き物を中国人は普通に料理して食卓に並べていることになります。一部のゲテモノ好きな好事家などではなく、ごく一般家庭でもこれらの肉を食用にしているのでしょう。

 

 

 食文化はそれぞれのお国柄によって、あるいは地方によって特色があって当然です。決して彼らの豊かな食文化を批評するつもりはありません。が、やはり”ゲテモノ”食いがお好きな国民性なのかもしれませんね。何をして”ゲテモノ”というのか、その定義を示せと詰問されても、答えに窮するばかりですが、やはり世界基準に照らし合わせて考えれば、アマガサヘビやタイワンコブラはどうしても「ゲテモノ」に属すと言わざるを得ません。

 

 

 何をお食べになろうが他人が口出しすべきことではないのかもしれませんが、いわゆる世界基準から見ても”特殊食材”とみなされるような肉はあまりお勧めは出来ないと思います。日本の捕鯨が世界的に批判の嵐に晒されています。鯨肉も昔からの日本人の食文化には違いありません。でもあえて世界基準に逆らってまで食すのもどこか大人げないような気もします。鯨の頭数が激減しているというのが捕鯨反対派の言い分ですが、鰻も毎年、稚魚が激減している現状があります。鯨を食うな、鰻も食うなとよその国から言われて、日本人はいい気がするはずもありませんね。なかなか難しい問題です。

 

 

 とはいえ、今回の新型コロナウィルスはヘビが感染源だと言われていますし、SARSの時にはハクビシンが疑われました。食文化は尊重されるべきですが、新型ウィルスが潜むゲテモノはあまりお食べにならない方がいいと思うのです。やっぱりはっきり言いましょう。「ゲテモノ食い」はやめましょう!