「自粛」続きですっかり「コロナ疲れ」してしまった!
先週に引き続き、今週末も不要不急の「外出自粛」をするよう、3日(金)の定例会見で、小池東京都知事はあらためて要請しました。都内の桜は風にあおられてすっかり散ってしまいました。数日前、所用で靖国神社近くを通りかかったところ、吹雪のように花びらが舞い上がり、道路一面を覆いつくしていました。
今週末も強風が吹き荒れ、わずかに残った花びらをすべて落とすことでしょう。関首都圏では今年の桜シーズンは終わりました。人混みを避け、花見の宴席もない何とも寂しいシーズンでした。
「コロナ疲れ」
多くの命が奪われました。志村けんさんがコロナ肺炎のために急逝したのはつい最近のことです。これからもいくつものかけがえのない生命が奪われていくことでしょう。心底「コロナ」が憎い。
「コロナ禍」のせいで、私たちは息抜きもできやしません。外に出るな、人混みを避けろ。時差通勤の方も、テレワークで自宅勤務の方も、もうそろそろ我慢も限界です。
時差通勤でなるべく通勤ラッシュの時間帯を避けて出社し、退社したら仕事仲間や友人、知人と食事会もなしに自宅へまっしぐらです。自宅での勤務に切り替えた方も、日がな一日、部屋にこもり、パソコンの画面とにらめっこしているだけでは、消耗してしまいます。
今や日本人はすっかり「コロナ疲れ」してしまいました。飲み会もカラオケパーティも銀座のクラブもなしでは、心が干上がってしまいます。名指しで出入りを禁じられたその手の店はさらに深刻な状況です。客足が途絶え、もはや息も絶え絶えです。政府は、非正規労働者も含み、収入減には救済策を講じるとして、このほど、最高30万円を支給することを表明しました。が、六本木のガールズバーやキャバクラ、銀座の高級クラブなどは除外される模様。
そのあたりの線引きについては異論もありましょうが、とにかく日本中が「コロナ」のせいで疲弊しつつあるのは確かです。マクロ、ミクロを問わず日本経済は今後、ますます後退することは避けられません。
4日現在、東京都では新たに感染が確認された人が118人を記録しました。初めて三桁台に突入しました。新型肺炎の感染状況はさらに拡大傾向にあるのです。一向に終息の兆しすら見えない現状に、いつかは自分も感染するかもしれないという不安を抱えながら、生活しなければなりません。これこそ「コロナストレス」です。「コロナストレス」に晒され続けると、私たちは、一体、どうなってしまうのでしょうか。
今後、懸念されるのは、「コロナ禍」で休校となり自宅待機せざるを得なくなったお子さんと、テレワークを命じられて一日中、部屋でパソコンと格闘しているお父さん、お母さんが一つ屋根の下で、それぞれに過大なストレスをため込んでいることです。いつかそのストレスが臨界に達した時に起こり得るのが、DV即ち家庭内暴力です。以前からDVは社会問題になっていましたが、「新型肺炎」の蔓延により、新たに「コロナDV」が生じる危険性が高まっています。
子供は「遊び」が仕事です。遊びを通じて社会性を身に付けるものです。ところが、感染予防のために学校が休校となり、スポーツグランドなどの利用も制限されて、「遊び」の機会が奪われてしまいました。自宅で朝から晩までゲームをするわけにもいかず、勉強ばかりではやってられません。大人も同様で、”飲みニケーション”が出来ず、息抜きも出来ないでは、やがて仕事に身が入らなくなって支障が生じるかもしれません。
ヒトには必ず「息抜き」が必要なのです。
一人じゃないこと
アウトドア派ではないインドア派にしても、今の自粛要請が長引けば、同様に疲弊してしまいます。映画館や美術館、音楽ホールなどは閉館するところも少なくなく、映画やコンサートを楽しむ機会が失われました。
会社が休みになる週末は、勤め人にとっては息抜きできる貴重な日です。月曜から金曜まで仕事を頑張ってきて、ようやく週末の休日になって、さあ土日には何をしようかなと考える。行楽日和の休日にはどこそこの山を登ろうとか、ちょっとクルマで遠乗りしようとか、様々な楽しみ方があります。そんなささやかながら大切な日々を「コロナ」に奪われたのです。
ザ・フォーク・クルセダーズの『帰って来たヨッパライ』の歌詞にこんな一節があります、
天国よいとこ 一度はおいで
酒はうまいし ねえちゃんはきれいだ
ワーワーワー
このままでは私たちは「コロナ疲れ」にやられてしまいます。一層のこと、思いっきり「密閉空間」で「密集」して、「密接」にわいわい酒を飲み、歌を歌い、ねえちゃんと遊んで…、「天国よいとこ 一度はおいで」の誘いに乗ってしまおう。そんな危険な誘惑に負けてしまいそうです。
いえいえ。それは絶対にいけません。皆、一人だけで生きているわけではないのです。あなたの健康を気遣い、労わってくれる人がいるのですから。もしも一人暮らしで身寄りもないとおっしゃる方でしたら、あなたをこの世に産んでくれた母上がいるではありませんか。ご先祖様も見守ってくださいます。一人じゃないんです。皆、目に見えない人も含めて、あなたの幸せを願っているのですから。
さあ気を取り直し、もう少し辛抱しようではありませんか。日本人は元来辛抱強いのです。そのことを誇りに思うべきです。