明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

ぬか喜びになりかねない「緊急事態宣言」解除に潜むハイリスク

 緊急事態宣言の解除について、最終判断する14日を前にして、すでに「特定警戒都道府県」の茨城、石川、岐阜、愛知、福岡の5つを含む39の県を解除する方針を政府は固めました。一方で、北海道、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、京都、兵庫の8都道府県は引き続き、緊急事態宣言の対象となります。

 

 

 関西経済の中心地である大阪と首都圏は、解除の条件を満たすに至っていないとの見解です。13日、東京都で新たな感染者数は10名と宣言が発令されて以来、最低数となりましたが、まだ指定解除とはなりませんでした。

 

 

未だ「収束」せず

 

 

 日々の感染者数の推移を見れば、この結論は致し方がないでしょう。確かに感染者数を示す折れ線グラフは右肩下がりとなりましたが、感染が収束するまでにはまだしばらくかかりそうです。

 

 

 未知のウィルスである「新型コロナウィルス」(武漢ウィルスと命名すべきです)はそんなに甘くはないのです。少しくらい、感染者数が減少したくらいでは、到底収束したと言えません。この結果にがっかりなさった方も多いかと思いますが、現実をしかと見据える必要があります。

 

 

 緊急事態宣言が解除された県や地域でさえも、諸手をあげてこれでもう大丈夫と喜ぶにはまだ早いと言わざるを得ません。たとえ政府が示した「解除」の条件に適ったとしても、すぐにこれまでどおりの経済活動を再開できるとは限らないのです。「宣言」の対象地域から外れても、依然として感染拡大の懸念がなくなったわけではありません。専門家が指摘するように、再び感染が再燃する第二波に備える必要があります。

 

 

 ことに慎重にならざるを得ないのは、人の移動です。せっかく「解除」されても、県外からの人の異動によって、またコロナウィルスが持ち込まれる危険性が高い点です。むしろ解除された県や地域では、より一層の移動の自粛が必要なのです。さもないと、韓国や中国の二の舞にならないとも限らないのです。

 

 

 「出口戦略」とは良くいったもので、緊急事態宣言を解除することの方がむしろ難しい。宣言の対象になっているうちは、人々は自らがコロナに感染しないように、あるいは人から感染しないように、慎重に行動していました。ところが、一旦解除されれば、もう安心だと思って「三密」を避けることさえ忘れてしまうかもしれません。

 

 

 これまで2か月間近くも不要不急の外出を避けて「自宅待機」を余儀なくされていたのです。その禁が明けた途端に、一斉に外出して、旅行にレジャーに飛びつきたくなることでしょう。それこそが、もっとも”危険”な行為だということを私たちは肝に銘じなければなりません。

 

酒粕甘酒サプリ「レジスタントプロテイン」

 

 

 

「収束」はぬか喜び

 

 

 諸外国のケースに見られるように、感染の第二波は必ずやってきます。「自粛」明けに浮かれて、つい友人、知人と「お疲れ会」を開催したり、夜の街に繰り出して、クラブやスナックやカラオケで大いに盛り上がったりすれば、必ずやその「報い」を受ける羽目になることを忘れてはなりません。

 

 

 感染者数が世界一多いアメリカ合衆国では、トランプ大統領自らがもはや「新型ウィルス」(中国のウィルス)の感染は収束したかのような発言を繰り返すようになりました。実際に、州によっては「自粛」を完全に解除したところもあります。アメリカだけではありません。そもそも新型コロナウィルスの発生源となった中国でさえも、武漢のロックダウンを解除しました。中国のディズニーランドもそうした動きにあわせて、営業を再開させました。

 

 

 韓国も同様に患者数が減少したのを機に、「自粛」解除に踏み切りましたが、さっそくソウル市内のクラブイベントでクラスターが発生したのはご承知のとおりです。2000人規模の大イベントだったようで、参加者すべてを追跡することはまったく不可能でした。韓国では、同イベントの参加者が各地に散らばり、そこここで感染を拡大させています。これが感染の第二波です。

 

 

 懸命なる日本人はまさかそうした”野放図な”行動には出ないと信じたいところですが、営業自粛の要請を無視し続けるパチンコ店やそこに群がる人々を見るにつけ、14日以降のことが心配になりました。政府は解除する「条件」を明らかにして、さらに解除後も引き続き「三密」を避けるために、時差通勤やテレワークなどの自宅勤務の続行を推奨していますが、果たしていつまでそれが守られるでしょうか。

 

 

 パチンコ店でひとしきり遊んできた人にインタビューすると、「別にコロナに罹っても構わない」とか「自分はコロナには罹らないと思う」といった自分勝手なことを話す方が多いようです。確かに、抗体が出来ていて、コロナに罹らない方もいます。あるいは、陽性反応が出ても、軽症で済んでほどなくして回復する方もいます。でも、志村けんさんの場合はどうだったでしょうか。陽性反応が出てからわずか数日間で亡くなったのです。岡江久美子さんは63歳という若さで亡くなりました。

 

 

 大相撲の高田川部屋の力士、勝武士さんは何と28歳という年齢で新型コロナによる多臓器不全で死去しました。人一倍、頑丈な体躯を誇る力士でさえも、コロナのために命を落としてしまうのです。何と恐ろしい病原菌でしょうか。もしもコロナに感染したら、周囲の人々や家族にもうつしてしまう恐れがあります。高齢者や持病のある方だけが重症化するとは限らないのです。自分が被害者にも加害者にもなり得ることを忘れてはなりません。

 

 

 「緊急事態宣言」の発令により、業種によっては営業自粛を余儀なくされたり、「ステイ・ホーム」で不自由な思いをしたりと、私たちはとても辛い日々を過ごしています。でも政府の「出口戦略」がどのようなものであれ、「解除」後に野放図に行動することは厳禁です。この病原菌の拡大を防止するためには、「解除」後にこそ、より一層の「自制」が求められるのです。それが出来なければ、「解除」されてもぬか喜びに終わることでしょう。