明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「三密」通勤だけが元通りになりました!

 安倍総理が高らかに「緊急事態宣言」の全面解除を表明してから、早くも通勤ラッシュが戻ってきました。渋谷や銀座などの中心街はまだ人の流れはまばらで、人と人とのソーシャル・ディスタンスは楽に取れますが、問題は朝夕の通勤電車です。宣言の期間中には、政府が強く勧める「時差通勤」や「テレワーク」により、以前の通勤ラッシュの時間帯に較べると、1、2割程度の乗車率でした。が、解除後にはさっそく通勤ラッシュが再来したのです。

 

 

働き方改革」の成果

 

 

 あれだけ「自宅勤務」が推奨されたのに、日立などごく一部の企業を除いて、軒並み「テレワーク」から「通常出勤」にシフトしたのです。またぞろ始まった通勤の密集、密接に加え、出社後には一つの部屋で机を並べてのデスク仕事により密閉空間も元通りになり、ついに「三密」状態となってしまいました。やれやれ。これでは元の木阿弥ではありませんか。

 

 

 喉元過ぎれば熱さを忘れるという諺があるように、日本人には一度痛い目にあってもすぐに苦い経験を忘れ去ってしまう傾向があるようです。「宣言解除」でもう安心などということは絶対にありません。むしろ感染の第二波に備えるべき時です。

 

 

 「コロナ禍」以前から「働き方改革」という言葉が流行りましたが、実質、ただのお題目に過ぎませんでした。が、ここへきて感染防止という喫緊の目標により、企業は否応なしに「働き方改革」を進めざるを得なくなったのです。「テレワーク」や「自宅勤務」、時差通勤やフレックスタイムが導入されたのです。

 

 

 「テレワーク」に移行した企業の中には、元の勤務体制には戻らないことを表明するところもあります。が、まだまだ大部分の企業は「禁が解けた」とばかりにまた以前のような働き方に戻ってしまいました。せっかく曲がりなりにもオフィスに縛られない新しい働き方を推進したのですから、このままでいいではありませんか。

 

 

 むろん、すべての業種で「テレワーク」が出来るはずもなく、外食産業や小売業などのサービス業においては、現段階では、対人接客なしの営業は出来ません。オンラインサービスをさらに進化、拡充する必要があります。それでも、このひと月半ほどの間で、試行錯誤しながらも、少しずつサービスの幅が拡がったのは確かです。外食産業では、イートインが出来なければ、テイクアウトしかありません。

 

 

新しい「出前の文化」

 

 

 日本には、昔から出前のサービスがありました。昼時ともなれば、自転車やスーパーカブで出前する姿がそこここで見られたものです。今ではほとんど見かけなくなりましたが、ざるそばを5枚も10枚も片手に担いで、器用に自転車で運ぶ様子は、まるでサーカスの軽業師顔負けでした。さすがに危険を伴うので、今やバイクに専用のボックスを装着して、出前するようになりました。

 

 

 NHKの人気番組『サラメシ』は、会社員のランチ模様を紹介する番組です。愛妻弁当や自炊弁当など様々な昼ご飯が登場しますが、なぜか出前のシーンはほとんどありません。蕎麦屋から出前を取って、なかなか運んでこないことにしびれを切らして、つい再作の電話を入れると、「今、出ました」との常套句が返ってくるというような場面を見たいものです。

 

 

 「コロナ時代」で再び脚光を浴びているのが、出前サービスです。すでにいくつもの出前専門の業者が存在し、街中でよく見かけます。居酒屋などの飲食店が休業する中、多くの学生アルバイトは失職を余儀なくされました。そこで、出前請負の仕事に就く学生さんが増えた模様です。

 

 

 自宅勤務中のサラリーマンにとっても、気軽に出前を頼めるのは助かります。ましてや外出自粛の最中にあっては、出前の有難さは身に染みました。昭和の時代には、出前と言えば、蕎麦屋と中華料理屋、寿司くらいでしたが、今では宅配ピザはもちろんのこと、和洋中の弁当などの出前も可能になりました。

 

 

 かつての大人気番組『8時だョ!全員集合』で、加藤茶さんがざるそばをうずたかく重ねて、自転車でよろよろと出前するコントがありました。昔の蕎麦屋の出前風景とはだいぶ趣が異なりますが、”出前文化”の重要性が再認識されています。どうせなら、出前持ちをもっと格好よく、ファッショナブルにすれば、若者たちがこぞって応募してくることでしょう。

 

 

 「宣言解除」の前から大手の書店が次々と営業を再開させました。読みたい本がネットではいつも品切れになっていたため、書店で探そうと思っていた私も書店に馳せ参じました。ところが、大型店なのに客でいっぱいで、三密に近い状態でした。折角、目当ての単行本を購入できても、隔離病棟でそれを読む羽目になるのはご免なので、その日は諦めて、後日、比較的店内が空いていそうな時間帯に出直すことにしました。

 

 

 本に飢えていたので、つい7,8冊も単行本やら文庫本を抱え込んで、レジに並ぼうとしたら、例のソーシャル・ディスタンスをとるために通路には長い行列が出来ていました。「新しい生活様式」の中に、買い物はなるべくネットショップを利用することとありますが、まさにその通りだと思います。書店のように通路が狭くて密になりやすい環境は、感染のリスクも高くなるでしょう。第一、人が触れたであろう書籍を手に取ってページをめくったりするのは、甚だよろしくありません。

 

 

 本もネット販売がもっと充実していれば大いに利用したいところです。宣言解除後に、以前と同じようにごみごみとした書店で目当ての本を探すよりも、ネットで注文して”出前”してもらえたら便利ですね。実際、オンライン書店というシステムがあります。オンラインで注文して、近所の書店で受け取ることが出来るので、わざわざ電車に乗って大型書店まで出向く手間が省けます。

 

 

オンライン書店e-hon

 

 オンラインサービスは「コロナ時代」に相応しいシステムです。いわば、新しい時代の「出前サービス」なのです。「三密」通勤が再開した現在、旧態依然とした「会社」とは違い、せめてプライベートでは「新時代」のシステムを積極的に取り入れようではありませんか。