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感染者数増加なのに「ステップ3」移行とは納得できない!

 東京都がついに「東京アラート」を解除しました。さらにロードマップに基づき、12日午前0時に「ステップ3」に移行することが決まりました。「東京アラート」という言葉の響きだけは勇ましいけれども、実際には、何ら感染防止策の強化を図ることもなく、都庁とレインボーブリッジを赤いイルミネーションで飾り立てただけです。

 

 

 因みに、東京の感染者数は10日から3日連続して増加し、12日には新たに25人の感染者が出ています。感染者数が増加傾向にあるのに、「東京アラート」を解除し、さらに「ステップ3」に移行するとは、どうにも納得がいきません。小池都知事は本当に都民の命と健康を守る気があるのでしょうか。

 

 

「第二波」は近い

 

 

 「ステップ3」では、パチンコ店や遊園地、ゲームセンターなどの遊戯施設や、接待を伴わないスナック、バー、カラオケ店なども営業を再開できるようになります。ステップ2では、居酒屋などの飲食店の営業時間が午後10時までに短縮されましたが、ステップ3に移行した後は、営業時間の短縮要請は解除されます。政府の感染拡大防止のガイドラインはさらに緩和の度合いが大きく、19日より感染リスクが高いとされていたキャバレーやナイトクラブ(ホストクラブも)の営業も再開されます。いやはや、この分では、韓国のような「感染の第二波」が到来する日も近いと言わざるを得ません。

 

 

 都の専門家会議は直近7日間の平均感染者数が20人未満であること、病床など医療提供体制も十分に確保されていることを考慮して、総合的に判断したとのことですが、今現在の一日の感染者数が増加傾向にあるのは厳然たる事実です。それでもなお、大幅に緩和される「ステップ3」への意向を決めたと言うのは、不可思議というほかありません。

 

 

 小池知事は「経済社会活動が全面的に営業緩の新たな局面に入る。感染防止策を講じながら生活を営んでいく必要がある」と発言しました。安倍総理も同様の主張を繰り返していますが、緩和に向けた方策については政府と足並みを一にすることで、小池知事は政府にすり寄ろうと言う意図があるとしか思えません。時の権力者にすり寄ることが、小池氏の最も得意とするところですから、これも「小池劇場」の一幕なのでしょう。

 

 

 専門家が口を揃えて主張するように、新型コロナウィルスの感染は一度きりで収まらず、必ず「第二波」がやってきます。韓国では早くも「第二波」が押し寄せました。経済を再生するために、なりふり構わず「自粛解除」するようでは、日本も韓国や中国の二の舞になりかねません。

 

 

 安倍総理が緊急会見を開いて、国民に向けて全国に「緊急事態宣言」を発出した理由を丁寧に説明したのに、「アベノマスク」と補正予算で給付金を支払えば、あとはさっさと「社会経済の再生」に取り掛かろうというのです。確かに第二次補正予算を組んで、GDPの4割もの資金で手当てしたことは、借金大国・ニッポンがさらに巨額な借金を抱え込む上ことを意味します。もはやこの借金体質への「処方箋」は皆無でしょう。100年に一度の経済危機と言いますが、想像を絶する超巨額の借金を抱えた今こそが、本当の「危機」ではないでしょうか。

 

 

日本沈没』のリアリティ

 

 

 小松左京氏のSF小説日本沈没』は1973年に出版され、上下巻で385万部という当時としては空前のベストセラーとなりました。当時の時代背景としては、高度成長期が終焉を迎え、オイルショックやインフレによる社会不安がありました。そうした不安な時代に、巨大地震により日本列島が沈没してしまうというカタストロフィがリアリティを以て読者に迫りました。「新型コロナウィルス」の猛威に晒されている今こそ、ある意味、核戦争の勃発よりもリアリティのある、新たな人類のカタストロフィといえるのではないでしょうか。

 

 

 日本においては、「財政破綻」が目前に迫りつつあります。借金があっても経済成長が期待できれば、ある程度は、「ローン返済」の道筋は開けます。が、60年代から70年代にかけての経済的成長期にあった頃の日本と現在とでは、まったく事情が異なります。現在の日本経済はすでに成長を終え、低成長時代を迎えています。経済発展の目覚ましいアジア諸国やアフリカ諸国のようにはいかないのです。先進国の中でも、一段と少子高齢化が進んでいる日本。人口減少の日本社会には「明るい未来」など、とても見出せません。

 

 

 かつて小松左京氏が描いたディストピアは、「コロナ禍」により現実味を帯びるようになったのです。近い将来に高い確率で起きると言われている、首都圏直下型地震の不安もありますが、それ以上に深く憂慮されるのは、「超借金大国」の日本は今後、経済が急成長する可能性はほとんどゼロに等しく、やがて債務超過に陥る日も遠くないということです。

 

 

 小松左京氏が描いた『日本沈没』の世界観はあながちフィクションではなさそうです。すでに「コロナ禍」以前より日本からの脱出をはかった方々も少なからずいらっしゃいます。そろそろ私たちも本気で「日本脱出」を考えるべき時期に来ているのかもしれませんね。むろん、そんなディストピアよりも明るい未来を思い描ければよいのですが…。

 

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