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安倍総理を辞任に追いやったマスコミの「悪趣味」報道合戦

 安倍総理の体調について、流言蜚語が飛び交う中、マスコミ各社はお得意の匿名コメントを羅列させて、ことさら重病説を強調しました。

 総理が「検査のため」に17日と24日の2週にわたり、慶応病院に通ったことで、巷ではすっかり「早期退陣」説に傾いた模様です。



 そして28日、ついに辞任の意向を固めたのです。総理自らが会見の席で辞任するに至った経緯や病状について説明することになりました。 


 

 麻生副総理は、記者から総理の体調が悪化したのではないかとの質問に答えて、

「あなたも147日間休まずに働いてみたことがありますか?」

 と、例の如く口の端をひん曲げて煙に巻きました。麻生氏のあの態度は決して褒められたものではありませんが、あまりにもしつこく総理の病状について好き勝手なことを書き立てられることが、よほど腹に据えかねたのかもしれません。

 

 

マスコミの「悪趣味」

 

 

 確かに一国の総理大臣たるもの、たとえ休みなしで365日間働き詰めであっても、強靭な体力と精神力で重大事に当たらなくてはならないという考え方もあります。

 とはいえ、言うまでもなく総理と言えども一人の人間に過ぎません。ロボットやスーパーマンではなく、私たちと同じヒトである以上は、図らずとも体調に異変が生じることもあるはずです。好き好んで病気になる人など一人もいません。ましてや、安倍氏には潰瘍性大腸炎の持病があります。147日間無休の働き詰めによる無理が祟り、持病が悪化してもおかしくなかったのです。

 

 

 立憲民主党安住淳国対委員長が、臨時国会を開いてその場で総理の病状について説明を求めたいと発言しましたが、たとえば重病で入院中とか大手術を受けたというのであれば、一国のリーダーに重大な健康上の問題があるとして、その病状について詳細な説明を求めたいというのも頷けなくもありません。でも実際には、二週続けて病院に通院したものの、やややつれた表情に見えましたが、短時間ながら会見に応じて、健康には万全を期したいと自ら語ったではありませんか。辞任する時には、必ずや国民に向けて真摯に話されることでしょう。



 

 それにしても、いくら総理大臣であっても、その病状について根掘り葉掘りほじくり返そうとするのは、如何なものでしょうか。政治家は確かに公人には違いありませんが、公人でもある程度のプライバシーは保たれてもいいはずです。ましてや、持病のある安倍総理について、スキャンダラスに病状を暴き立てると言うのは、「悪趣味」にもほどがあります。人の病気を暴いて、何が面白いのでしょうか。

 

 

 とくに最近の週刊誌報道は常軌を逸しているとしか言いようがありません。やれ、吐しゃ物に血が混じっていたとか、別の病気が発見されたとか。総理の病状がまるで再起不能であるかのように書き立てています。それこそが週刊誌の特性と言われればそれまでですが。

 

 

 人の不幸は蜜の味…?いつから日本人はそれほど品性卑しくなったのでしょうか。困っている人がいれば手を差し伸べるのが本来の姿のはず。病気の人を見て、指をさして「こいつは重病だから、長くはないぞ!」などという人がいたら、決して許しませんよ。

 

 

「労わり」の言葉を

 

 

 147日間も働き続けて持病が悪化した安倍総理に対して、その病状を暴き立てることが正しいことだとは思えません。なぜ、日本のリーダーとして日夜頑張ってきた総理大臣に対して、いたわろうという気持ちにならないのでしょうか。「コロナ禍」や「水害被害」などの重大な案件に文字通り忙殺され、健康を害してしまった安倍総理に向かって、少しは同情してもいいのではありませんか。

 

 

 在任期間が歴代最長となった安倍総理ですが、それだけに重責をひとり担い、その精神的なストレスたるや我々の想像を遥かに超えるものであったことでしょう。確かに、「コロナ禍」の対策についてはまだ不十分な面はあると思います。安倍政権に対する毀誉褒貶は当然あります。それでも、安倍総理の日々の奮闘努力に対しては、一定の評価をされてしかるべきだと思うのです。

 

 

 総理大臣だから、政治家だから、公人だから、何でも叩いてもいいわけではないのです。評価するしないの意見の相違はあっても、「コロナ禍」の下、幸いなことに日本は、西洋諸国のような目を覆いたくなるような悲惨な「医療崩壊」は回避できました。

 戦後初となる緊急事態宣言の発出を決断し、それによって、日本経済は大きなダメージを被りましたが、雇用が崩壊して社会不安を引き起こすようなことにはなりませんでした。

 「アベノマスク」のような”愚策”もあるにはありますが、それでも日本経済が破綻を来たし、街中に失業者があふれ返るような事態にはならなかったではありませんか。

 

 

 「思いやり」という美しい日本語を今一度、思い出しましょう。苦しんでいる人に対して、労わりの気持ちを持ちましょう。内閣総理大臣である前に、安倍晋三という一人の人間が、激務の末に持病が悪化してしまったのです。

「さぞやお疲れでしょう。少しはお休みになられては如何ですか」とねぎらいの言葉をお掛けしようではありませんか。

 総理、本当に長い間、お疲れ様でした。