明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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林外相の『イマジン』が世界中に届きますように!

 海外の政治家に較べとかく”武骨”なイメージのある日本人政治家ですが、林芳正外務大臣は例外のようです。何と夕食会の余興ながらもピアノでビートルズナンバーを披露したというのです。

 

 

きな臭い国際情勢の下で

 

 

 英国で開催されたG7外相会合の初日にあたる11日、イングランド中西部の都市・リバプールで主要七か国の外相が会し、中国やロシアなどの地域情勢について話し合いが持たれました。来年に開催予定の北京五輪についても米国、英国、カナダなどの西洋諸国が外交的ボイコットを決定する中、林外相は日本政府の立場を説明しつつ、国益の観点から総合的に判断する旨、発言しました。

 会談の合間に韓国側からの求めに応じて数分間の立ち話程度の話し合いも行われたとのことですが、当然ながら冷え切った両国間の関係改善に向けた前向きな話には至らず物別れに終わった模様。当然です。

 

 

 深刻度を増す国際情勢を銭形平次のように銭を飛ばして解決できるのなら良いのですが、実際には日韓関係以上にもつれにもつれた”謎”ではなくて国際関係ともなれば、たとえ今回のG7に参集した知恵者でもなかなか難しい。ましてや、バイデン大統領が民主主義と専制主義の戦いだとして中国を厳しく批判すれば、一方の中国の習近平国家主席は米中対立を新冷戦と呼ぶ始末ですから、尚更のことです。

 

 

 そんな緊迫した雰囲気の中、会合の後の夕食会でこんな洒落た一幕がありました。夕食会の会場となったリバプールビートルズ・ストーリー博物館で、ジョン・レノンの展示ブースに置かれた白いピアノで林氏が言わずと知れた名曲『イマジン』を弾いて見せたのです。

 林氏によれば、誰かに弾いていいよと勧められたので、せっかく『イマジン』の部屋であればということで即興で三分の一ほど弾いたといいます。

 

 

 どこかの知事が東京五輪の金メダルをいきなり歯を剝きだしてガブリと齧ったのとは大違いで、林氏の即興演奏には各国外相からやんやの拍手を送られた模様です。

 林氏は大のビートルズファンで知られ、ご自身もメンバーに加わる国会議員らによる音楽グループ「Gi!nz(ギインズ)」でビートルズのナンバーをレパートリーにしていたと言いますから、本場・リバプールでしかもレノンのピアノで『イマジン』を披露出来たことに大いに感動し”陶酔”したに違いありません。

 

 

 即興演奏とはいえ、林氏にとっては同曲は得意中の得意ナンバーだったはず。残念ながらその時のピアノ演奏を聴くことが出来ませんが、演奏の出来不出来よりもきな臭い国際情勢の最中に開催されたG7でジョン・レノンの『イマジン』が演奏されたことに意義があります。

 

 

色褪せない「メッセージ」

 

 

 想像してごらん

 天国も地獄もないってことを

 ただお空がひろがっているだけって

(中略)

 想像してごらん

 国なんてないってことを

 ちょっと難しいかもしれないけど

 何人も殺しあったり殺されたりしないってことを

 宗教の違いさえもないことを

 

 

 拙訳で恐縮ながら少しだけ歌詞を書き出してみました。するとどうでしょう。米国がベトナム戦争の泥沼から抜け出せないであえいでいた時代に作られた曲ですが、この曲が生まれてから50年も経つと言うのに、現在の国際情勢下でも少しもこの歌のメッセージは色褪せていないことに気付かされます。ジョンの魂は今も生き続けているのです。

 

 

 今や軍事的にも経済的にも世界の覇者になりつつある巨大国家・中国と、民主主義国家の代表・アメリカ合衆国との”新冷戦”の時代にあって、ベトナム戦争当時よりもさらに『イマジン』の歌詞が持つメッセージの崇高さに気付かされ、驚愕するばかりです。

 

 

 三人集まれば文殊の知恵といいますが、G7には文字通り七名の各国外相が参加して国際問題について話し合うのです。きな臭い国際情勢を治める賢明なる政治家の力に期待したいところです。

 むろん戦後最悪の事態といわれる「新型コロナウィルス」に各国がどう対応すればよいのかも、重要な議題です。幸いにも日本国内では感染状況は落ち着きつつありますが、調子に乗って「ウィズ・コロナ」に大きく舵を切り過ぎるとまた必ず感染拡大という揺り戻しに見舞われるはず。そうならないためには、G7の各国代表の話し合いも大事ですが、私たち一人一人の心掛けも大切です。

 

 

 G7は主要七か国の政府間の政治会合が主な目的ですが、世界をリードするそれらの国々の要人が一堂に会することで、”きな臭い”諸国の暴走を抑止するという効果もあります。主要国の政治家が国際的な課題について話し合う場を持つことに意義があるのです。そうした「場」で平和国家である日本の外相が奇しくも『イマジン』をピアノ演奏したというのは感慨深いではありませんか。

 

 

 林外相のビアノ演奏による『イマジン』のメッセージが、ジョンの魂と共に世界平和を希求する世界中の人々に届きますように。

 ピース!!