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「プーチン」という「アルマゲドン」の恐怖

 ロシアのウクライナ侵攻から8ヶ月が過ぎ、当初、軍事力の面で圧倒的に有利と見られていたロシア軍は、米国やNATOからの支援を受け勢いの増すウクライナ軍を前に、占領地域からの敗退を余儀なくされました。今や戦況はウクライナ軍の優勢に転じました。

 思わぬ”苦戦”にロシア軍幹部から不満は噴出し、国民からの支持も失われつつあります。そもそもこの戦争に勝ち目はなかったのではないでしょうか。一方的な軍事進攻に対して、大義名分が立つはずもなく、国際社会から一斉に非難されることは最初から分かっていたのではないか。それでも、あえて戦争を始めたプーチン大統領の狙いとは一体、何なのでしょうか。

 

 

プーチンの「狙い」

 

 

 負け戦と知りながら無謀にも兵を挙げたプーチンの真の「狙い」とは何か。それこそがついにバイデン米大統領が発言した「アルマゲドン」だったのではないか。

 アルマゲドン(ハルマゲドン)とは、最終戦争のこと。文字通り「世界の終わり」即ち終末を意味します。独裁者プーチンは経済力、軍事力の両面で米国の上をいく中国の”世界支配”が確実視される中、米中戦争が勃発するより先にロシアが第三次世界大戦を引き起こして、その頂点に自ら君臨したいという、まさしく狂気に陥ったのです。

 

 

 誰もが悲観論を好むわけではありません。が、米中の軋轢が決定的となった今、中国が台湾を軍事力で一方的に支配下に置くといういわゆる「台湾有事」はもはや不可避という他ありません。台湾有事の際には日本は確実に戦禍に巻き込まれます。中国軍が尖閣諸島から沖縄、そして本土へと侵攻する時に、米国は中国に向けて宣戦布告せざるを得くなる。これは単なる悲観論などではなく、目前に迫る危機なのです。

 

 

 台湾有事から日中戦争へ、そこに米国が参戦して送る第三次世界大戦の危機が日増しに高まる中、好むと好まざるとにかかわらず、私たち日本人は「泰平の眠り」から無理やりたたき起こされ、戦争の当事者とならざるを得ません。米中戦争にあっては日本の領土はロシア軍に蹂躙されたウクライナのようになるかもしれません。平和国家・ニッポンは一夜にして戦場と化してしまうのです。

 

 

 中国対米国という二大勢力を尻目に、独裁者プーチンは自らの政治生命を、否、魂を悪魔に売って、我こそがこの地球の征服者であるという高揚感に浸りたいがために、自らが先陣を切って世界戦争に打って出るという、とてつもない暴挙に及んだ。これがロシアのウクライナ侵攻の本質ではないでしょうか。

 

 

 自らを世界の覇者たるうるためには手段を選ばずという、プーチンの狂気が行きつく先は、世界終末戦争に他なりません。プーチンには、ロシア軍の敗退は織り込み済みだったのかもしれない。それを承知の上で、核戦争を仕掛けるという「アルマゲドン」狂騒曲の指揮を執りたいのではないか。

 

 

アルマゲドン」の恐怖

 

 

 スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常の愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』という長いタイトルの映画は、ブラックユーモアに満ちた内容ですが、戦争前夜の様相を呈した今、ユーモアどころか現実に起こり得る出来事を予知したかのように見えます。

 ごく大雑把に内容を紹介しますと、一人の破滅願望に取りつかれた米国軍の司令官がソ連に核攻撃を仕掛け、そのことを察知した米大統領ソ連の最高指導者とが攻撃を何とか阻止しようとしたものの、結局、核弾頭を搭載した一機の戦闘機が爆弾を投下してしまうというもの。

 

 

 たった一人の狂気に陥った人間が人類を滅亡させてしまうという内容に身の毛のよだつ思いがします。何故ならば、プーチン大統領その人をあの映画の狂った司令官にそのまま置き換えることが出来るからです。

 米ソ冷戦時代のように、経済力、軍事力共に米国に対抗できるまでに成長した中国がかつてのソ連に取って代わる中、プーチンは中国にこれ以上の後れを取るものかと焦るあまり、核戦争という禁じ手についに手を掛けてしまったのです。

 

 

 核攻撃のスイッチを押すことの出来る人物は限られますが、プーチン大統領には間違いなくそれが可能です。今や世界は狂気に憑りつかれた一人の国家指導者の手に委ねられた。映画『博士の異常な愛情』の世界観が現実のものとなる可能性が高いのです。

 さらに世界を見回せば、プーチンのような何をしでかすか予測不能の国家指導者は他にもいることに気付かされます。中国の習近平しかり、北朝鮮金正恩しかり。まだまだほかにもいます。世界は狂気で満ち溢れているではありませんか。

 

 

 アダムとイブが幸せに暮らしていたある日、ヘビにそそのかされてアダムが禁断の木の実を口にして、ユートピアから追放されてしまう。旧約聖書に記されている物語ですが、ヘビのような”そそのかし屋”は実は私たちの心の中に存在しているのです。それは強欲だったり妄想だったり、時に姿かたちを変えては絶えず悪魔の囁きを繰り返すのです。

 

 

 世界征服したいという妄想を日々、プーチンの脳内で囁き続けているのかもしれません。私たちはプーチンというアルマゲドンの脅威に晒されています。全面核戦争が勃発して世界が終わらないように、プーチンがこれ以上そそのかせないように、祈ることしか出来ないのです。