明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「羽生結弦」天使の舞いは「平和」を願うメッセージ

 史上初の銀メダルを獲得したカーリング女子「ロコ・ソラーレ」。決勝戦でイギリスチームに惜しくも敗北し、金メダルは逃したものの、何度も厳しい場面を乗り越え決勝進出を果たし、銀メダルを獲得したことは大いに賞賛されるべきです。「2位じゃダメなんでしょうか?」と的外れな発言をして叩かれた国会議員がいましたが、今回の銀メダルは実に誇らしいメダルではありませんか。

 

 

天使の舞い

 

 

 五輪開催前から金メダル候補の第一位に上がっていた男子フィギュアスケート羽生結弦選手がメダルを逃したことは残念でしたが、エキジビションでの素晴らしいパフォーマンスが世界中の人々を魅了しました。純白の衣装に身を包んだ羽生の華麗なる滑りは、まるで天使がリンクに舞い降りたかのよう。『春よ、来い』。あの”天使の舞い”が人々に思い起こさせたのは、まさしくこのフレーズでした。

 

 

 「平和の祭典」であるはずのオリンピック。それがいつしか主催国の政治的プロパガンダの道具にされ、今ではすっかり”汚れっちまった”のは残念でなりません。北京五輪の裏に、ウイグル族の人々に対して中国政府が行っている恐るべきジェノサイドが巧妙に隠匿されました。罪もない少数民族が1人の独裁者の手で殲滅されようとしているのです。

 

 

 無残に踏みにじられた「平和の祭典」であっても、メダルを目指して夢の舞台に全身全霊を傾けて最高のパフォーマンスを披露するアスリートたちの純真には心を打たれないではいられません。氷上を舞った羽生結弦の姿そのものが嘘偽りのない真実であり、メッセージなのです。北京五輪が終幕した後も、蹂躙され続ける人々にもこのメッセージはきっと届いたことでしょう。「春よ、来い」と。

 

 

 五輪の主催国が独裁国家であっても、一流選手たちだけが演じられる最上級のパフォーマンスには、人々の心を揺るがし深い感動を呼び起こさせる力があります。スポーツ以外の分野でも、たとえば音楽や文学、アートの世界でも同様です。スポーツでもアートでも、その世界に打ち込んできた人々の純真さが人々に感動を与えるのです。

 

 

「平和」を願うメッセージ

 

 

 今現在、世界は戦争という大きな波に飲み込まれようとしています。米国を中心とした民主主義国家とロシアや中国に代表される社会主義国家との間で、大きな軋轢が生じたのです。ウクライナを巡る国際情勢がまさにそれです。バイデン大統領は近日中にもロシア軍がウクライナへ侵攻するだろうと断言しました。実際、ロシア軍が第二次大戦以来、最大の軍隊を同国周辺に配置したのは、ただの脅しなどではありません。もはや「戦争」は不可避なのかもしれません。

 

 

 新疆ウイグル地区での残虐行為を隠蔽するために中国政府はオリンピックを政治利用しました。ロシアも北京五輪を隠れ蓑にして、着々と戦争準備を整えました。

 ローリングストーンズの『ギミー・シェルター』の歌詞にこんなフレーズがあることを以前、このブログで申し上げましたが、もう一度。

 

 

 「さあ戦争が始まるよ

  たったの一発で

  (中略)

 

  洪水に飲み込まれる前に

  逃げ場をくれ

  さもなくば俺は消えちまう」

 

 

 そうです。今まさに僅か一発の砲弾で戦争が始まろうとしているのです。名ばかりの”平和の祭典”の陰に隠れて、新疆ウイグル地区への侵攻とロシア軍によるウクライナ攻略が行われようとする中、誰もが”シェルター”を必要としているのです。

 

 

 一触即発。”たった一発で戦争が始まる”。そうした緊迫した国際情勢にあって、私たちに出来ることは何でしょうか。外交による緊張緩和はどうか。これまで幾度となく話し合われてきた両国間の課題に対して、今更互いに歩み寄る余地などあるものですか。プーチン大統領に戦争をしたいのかどうかを問うたら、どう答えるか。恐らく答えに窮することでしょう。誰も好き好んで戦争したいとは思うはずもないのです。

 外交によって戦争が回避できれば結構なことですが、両者の利害が一致しえない状況では極めて困難と言わざるを得ません。

 

 

 人は本来、エモーショナルな生き物です。初めから論理一辺倒の人間などいるはずもありません。一部の政治家にはその手がいるかもしれませんが。そうした政治家たちに訴えかけるには、いくら会談を重ねてもただ徒労に終わるだけです。一層のこと、思い切り感情に訴えたらどうでしょうか。

 

 

 いかに五輪が主催国の政治ショーに成り下がったとしても、そこで繰り広げられる世界の一流アスリートたちの素晴らしいパフォーマンスには、石頭の政治家でさえも感動を抑えきれないはず。

 人は感動する生き物です。羽生の”天使の舞い”に感動しないではいられないことでしょう。あの”天使の舞い”を前にして、誰がミサイルを撃ち込んだり、大量虐殺しようとするでしょうか。どんな冷血漢でもあっても。

 

 

 人を感動させられるのは人であり、最高のパフォーマンスなのです。オリンピックという晴れ舞台は、数々の感動を人々に与えました。そこには人の持つエモーショナルな部分を激しく揺さぶる要素が横溢しているからです。世界中の人々に、政治家たちに「平和」を願うメッセージを発信したことだけは確かです。