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「北京五輪」は壮大なる「政治ショー」に他なりません!

 参加することに意義があるなどと申しますが、実際、オリンピックの裏の目的とは開催国による壮大なる「政治ショー」に他なりません。

 日本を始め先進国が開催する五輪では、自国の先進性と国民の優秀さをアピールすることであり、これから先進国の仲間入りを果たそうとする国は、豪華絢爛たる開会式の演出でインフラの充実度を強調します。

 今回の開催国である中国の場合はどうでしょうか。

 言うまでもなく、習近平率いる中国共産党による強靭な国家を余すところなく、世界中に発信することにあります。

 

 

「あざとい」演出

 

 

 映画監督による開会式の演出の善し悪しは別として、各国メディアが最も注目したのは、美しい聖火台などではなく、聖火リレーの最終ランナーがウイグル人であった点です。新疆ウイグル地区に対する弾圧が国際問題となっていますが、そうした国際世論をかわすための”あざとい”演出としか思えません。

 

 

 国連人権委員会が人権侵害の実態調査に新疆ウイグル地区入りすることを中国側はようやく認めましたが、果たしてどこまでその実像に迫れるのか、甚だ怪しいものです。

 「COVID-19」の発生源である武漢に派遣されたWHOの調査団に対して、現地入りを遅延させた上に、当初からの筋書き通りの結論に無理やり持っていこうとした”前科”があることを鑑みれば、たとえウイグル地区への国際機関の立ち入りを許したとしても、都合の悪いところはすべて地中にでも埋めて覆い隠すに決まっています。

 

 

 ウイグル族への重大なる人権侵害から国際社会の批判の目を反らすための「史上最大の政治ショー」であろうとも、北京五輪での日本の代表選手の大活躍に期待し、競技の行方を楽しみにされている方々も多いことかと思われます。それはそれで当然のことです。

 五輪への出場を夢見て日々厳しい鍛錬に耐え抜いてきた選手の方々には、主催国の政治的目的などは無関係。自らの実力をいかに出し切れるかが見所ですが、そこには政治的な思惑などはまったく介在しません。純粋に競技に打ち込む姿に私たちは感動を覚えるのです。すべての参加国の選手たちが美しいのは、まさにその純粋さゆえでしょう。

 

 

 今回の五輪に見事出場を果たした選手はもちろんのこと、現役を退き今は後進の指導に励まれる元選手の方々も含めて、オリンピック大会というのは、すべてのスポーツ選手にとっての”最高峰”であることには疑いの余地はありません。現役選手はそれまでの人生のほぼすべてをオリンピックへの出場という夢のために費やしてきたはずです。

 瞬きするコンマ数秒のためにアスリートたちは一体、どれだけの汗と涙を流したことでしょうか。「夢舞台」という言葉は決して大げさな表現ではありません。テレビ番組で芸能人の詠んだ句をコテンパンにやっつけることで知られる夏井いつき氏でさえ、彼らが五輪を「夢舞台」と表現しても決して赤字を入れますまい。

 

 

「五輪」を汚した「悪玉」たち

 

 

 オリンピック自体を批判するのではなく、開催国が五輪をいかに政治的に利用するのかが問題なのです。つまり、「五輪」に開催地・北京の二文字が入ることで、全世界を大いに落胆させるに十分だということです。「Peking」でも「Beijing」でも、とにかく中華人民共和国習近平国家主席が「悪玉」なのです。

 ナチスの最高指導者、アドルフ・ヒトラーは歴史上、最も忌み嫌われた人物の一人ですが、ヒトラー以後に幾人もの「悪玉」が登場しました。彼らに共通している点は「独裁者」です。習近平氏も間違いなくその一人なのです。

 

 

 ヒトラーユダヤ人を劣等民族と見做して、殲滅させようとしました。多民族国家である中国において、五輪の晴れ舞台での熱戦が繰り広げられる最中にも、ウイグル人は迫害を受けているのです。

 中国政府は徹底して情報規制を行っているため、外部に詳細は伝わりませんが、ごく断片的な情報だけでもウイグル人に対する苛烈な迫害には目を覆いたくなるほどです。政府に楯突いた者に対しては、一切容赦しません。女、子供であろうともひっ捕らえては、拷問などの虐待や処刑が公然と行われているのです。

 具体的には、体に電流を流したり、水責め、身動きの取れない「タイガーチェア」と呼ばれる椅子に長期間拘束したり、天井から釣りしたり、鎖で殴り蹴りつける、性的な暴行を加える、等々です。

 まとまった人数を一斉逮捕するために、地域の住民全員を集合させ片っ端から検挙していく。そのようにして1年間で90万人ものウイグル族の人々が拘束されたのです。これはまったくかのナチスユダヤ人に対して行ったジェノサイド(大量虐殺)と同じではありませんか。

 

 

 習近平氏は現在も進行中の「ジェノサイド」を秘匿する”手段”として、「北京オリンピック」を政治的に利用していることは明らかです。もうこれ以上、アスリートたちの美しき「夢舞台」を独裁者のプロパガンダに利用されるのには我慢がなりません。