明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「ワクチン行列」も平和国家・日本ならではの光景かもしれません

 若者の街・渋谷に突如現れた大行列。長蛇の列の先にあるのは、言うまでもなく「ワクチン接種」会場です。新規感染者の中でもとりわけ20代の若者の占める割合が多いことはご承知の通り。若い年齢層の間にはワクチン接種への拒否反応が根強いため、そうした方々に対して積極的に接種してもらおうと東京都が始めたのが、前述の渋谷会場での「アポなし接種」でした。

 東京都はあらかじめHPなどで時間前から並ばないように呼び掛けたものの、未明から若者が並び始めて早朝には行列が出来ていました。正午の開始のはずが午前7時台にすでにその日の接種枠を超えてしまいました。

 

 

思い付きで「アポなし接種」

 

 

 若者へのワクチン接種を促進しようとして、わざわざ渋谷を接種会場に選ぶこと自体、浅はかという他ありませんが、ともかくも事前予約なしで受けられる会場が渋谷の一か所しかないというのは如何なものか。

 諸外国では、ドライブインのような会場で予約なしでワクチン接種を行っています。ただし、今回のケースのように接種会場がたった一か所ということではなく、複数の会場で接種が可能なのです。そこがだめなら他を探せばいいわけで、炎天下の中で数時間も行列に並ばなければならないなどということはありません。

 

 

 常に感染者数が全国一という”不名誉”な記録を更新中の東京都。小池都知事としては何とか”名誉挽回”を図ろうとして、急に「アポなし接種」を思いついたのでしょう。どうやら小池氏には何でも「思い付き」で事を運ぼうとする癖があるようです。

 若者にワクチンを”気軽に”接種してもらおうというアイデア自体は悪くなかったのかもしれませんが、問題はその後です。アポなし接種が可能なのは渋谷の会場ただ一つというのでは。そこに希望者が集中するであろうことくらいわかりそうなものです。行政はこうした事態が起きないように準備しなければなりません。小池知事ご自身は「3密」を避けよと連日発言していたことを忘れてしまったのでしょうか。

 

 

 初日の失態を反省して次回からは予約制とすることが決まりましたが、「アポなし接種」のアイデアは早くも立ち消えになりそうです。しかし、「デルタ株」の猛威から都民を守るためには、一人でも多くの人がワクチンの接種を受けることが肝要です。ましてや拒否反応を示す率の高い20代の年齢層にワクチン接種を推進するためには、医療従事者の皆様のさらなるご協力が不可欠です。日々の「コロナ」との戦いの最前線で頑張っている方々には頭の下がる思いですが、もうひと頑張り、ふた頑張りをお願いするほかありません。

 

 

平和国家・日本の光景

 

 

 混迷の度を深めるアフガン情勢。政権が崩壊しタリバンが新政権を樹立したことは周知のとおりです。今後、イスラム原理主義政権がこれまで米国をはじめ諸外国に加担した国内の”政敵”に対して厳しく弾圧を加えることは必至です。身の危険を感じた、国外に脱出しようとする人々で溢れかえる空港周辺で、大規模な自爆テロが発生しました。犠牲者の中に米軍が含まれていたことから、バイデン大統領はテロの主導者であるIS(イスラム国)に対して報復を宣言しました。

 

 

 ISの常套的攻撃手段である自爆テロが今後、さらに空港周辺以外の場所でも頻発する危険性が高いといわれています。テロというのは、言うまでもなく大勢の人々が集合する場所で起こります。ホテルやショッピングセンター、街角などが彼らの標的となり得ます。今回の自爆テロに関しても、国外への脱出を求めて大勢の市民で殺到していた空港が標的になりました。人の集まる場所はとくにテロの危険度が高いのです。

 

 

 東京パラリンピック大会にアフガニスタンの代表選手が参加していますが、恐らく混迷する同国への帰国を心待ちにする選手は一人もいないでしょう。東京五輪大会の開催中にベラルーシの選手が亡命する出来事がありました。「コロナ禍」での五輪開催となった東京では、各国の選手団は自由に街中を見物することは出来ませんが、平和国家・日本に来て、平和を当たり前のように享受している日本人に対してきっと羨望の眼差しを送っていたことでしょう。

 

 

 たとえ五輪開催地・東京が「コロナ禍」に見舞われていようとも、アフガニスタンのようなテロと国民への弾圧に苦しめられるよりもはるかに”まし”であるに違いありません。「コロナ」に罹りお亡くなりになった方はたくさんいらっしゃいますから、決して「コロナ禍」の国民が幸福だというつもりはありません。ただ、世界には、多数の国民がテロや内戦など「コロナ」以外の要因で犠牲になっている国や地域が多く存在するのです。

 

 

 渋谷の街に出来た「ワクチン行列」や1年ほど前にあった「マスク行列」。相変わらず「ワクチン接種」の予約は取りにくい状況が続いており、接種を受けたくとも思うようにいかないのが現実です。たまたま予約が取れていざワクチンを打つ段になって、ワクチンに金属片が混入していたなどということも。日本の「ワクチン狂騒曲」はまだまだ終わりそうにありません。

 たとえワクチン注射を受けるために人が集まったり、行列が出来たりしても、大量の爆弾を体に巻き付けたテロリストがその場に紛れ込む恐れはありません。渋谷の「ワクチン行列」も平和国家・日本ならではの光景だったのかもしれません。