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「ワクチン接種証明書」の発行は是か非か?

 新型コロナウィルスへの感染を防止する「切り札」としてその効力が期待されている「ワクチン接種」。果たして想定している結果が得られかどうか。残念ながらまだ答えは出ていません。「COVID-19」は未知のウィルス故にその「ワクチン」ともなれば、さらに効果は未知数であると今のところは言わざるを得ません。

 しかし、ワクチン接種が「コロナ禍」から脱するための、今現在考え得る唯一の手段である以上、これに頼る他ありません。日本でも、「ファイザー」社のワクチンの接種が早い段階から始まり、同社製のみでは賄いきれないため、「モデルナ」社製も同時に接種されるようになりました。

 

 

「否定派」と「肯定派」

 

 

 政府にとって”最後の砦”がこれらのワクチンだけに、大規模接種会場を設けるなどして、とにかくワクチンを接種せよとイケイケドンドンと音頭を取り続けています。

 これにさっそく噛みついたのが、どこかの野党のように「何でも反対」スタンスのマスコミです。さらに昨今ではネット情報の方がテレビや新聞などの旧媒体よりも伝達速度が速いため、ワクチンは危険だ、やれこんなひどい副反応があるというような”都市伝説”的なガセネタが千里を駆け巡り、20代、30代の若い年齢層の方々がワクチン接種に懐疑的になってしまいました。

 

 

 新型コロナワクチン接種推進大臣も兼任する河野太郎行革担当相は、接種に必要なワクチンの確保は出来ていると大見得を切ったものの、すぐにワクチンの供給が滞る事態となって、面目丸つぶれとなりました。そうした中で、早くワクチン接種を受けたくとも予約さえ取れない、接種希望者への必要量を確保できない自治体が相次ぎ、「ワクチン狂騒曲」は当分収まりそうにありません。

 

 

 「モデルナ・アーム」と呼ばれている、接種後しばらくしてから腕が腫れあがる症状がネットの画像にあふれ出し、若い層を中心に「ワクチン否定派」が増えつつあるようです。その一方で、ワクチンの接種率の高い諸外国の状況を知り、「ワクチン肯定派」の勢力も拡大しています。一体どちらが正しいのでしょうか。

 

 

 インドで最初に蔓延しその後たちまち世界中に拡散していった「デルタ株」ですが、現在、日本でも新規陽性者のほとんどがこの変異株だと言われていますから、まったく恐るべき感染力です。新型コロナウィルスの厄介なところは、変異するたびに凶悪化する点です。

 ”主流派”となった「デルタ株」もやがて新たな変異株に取って代わられる日もそう遠くはないでしょう。そうです。最悪の場合、ワクチンがまったく効かない最凶の変異株が出現するかもしれないのです。実際、英国政府の緊急時科学助言グループ(SAGE)はこの「最終的最強ウィルス」の出現の可能性を指摘しています。

 

 

「接種証明書」は免罪符か?

 

 

 日々、変異する新型コロナウィルスから人類を救うためには、予防ワクチンだけではなく、治療薬の開発に全力を挙げる他ありません。ひと頃、新型コロナも数年のうちにはインフルエンザのようなただの風邪の一種になるだろうという楽観論がありました。が、現在も日本だけではなく世界中で猛威を奮い続ける「コロナ禍」はそんなに甘くはないことは明らかです。

 

 

 「ワクチン接種証明書」を発行し接種済みの人には、屋内のイベントや大勢の集まるコンサート会場などに参加が可能になる等の”特典”を付ける国や地域もあります。これまで外出禁止令やロックダウンなど厳しい措置を講じてきた国々で暮らす人にとっては、自由に行動できるようになる「接種証明書」はまるで「夢のチケット」に違いありません。

 

 

 「接種済み」であればマスクを着用しなくても良いとする国もあります。ワクチン接種が進めば、新型コロナを封じ込めることが出来ると信じて疑わなかったのでしょう。ところがその結果はどうなったでしょうか。しばらくすると再び新型コロナの陽性者数が増加に転じて、たちまち元の木阿弥となったことはご承知の通りです。

 

 

 日本でも、特に若い年齢層の方々に「ワクチン否定派」が根強くあるため、政府はテレビCMなどで盛んに「ワクチンを接種しましょう」キャンペーンを張っています。根も葉もない副反応に関する”都市伝説”は打ち消すべきですが、怖いのは副反応ばかりではないのです。ワクチンさえ接種すればもう大丈夫と若い方々が信じ込み、接種後には大規模イベントも参加OK、国内外の旅行もOKで、感染防止対策が蔑ろになりはしないでしょうか。

 

 

 諸外国の失敗例から学ぶところ大いにありそうです。「ワクチン万能説」に依り過ぎることもその典型です。既定の回数の接種を済ませた人に「ワクチン接種証明書」を発行し、その証明書を以て”免罪符”とすることについては、最新の研究結果や専門家の意見を集約した上で、極めて慎重に判断すべきではないでしょうか。

 

 

 「COVID-19」という人類にとっての最強の敵と対峙しなければならない今、この「生物・科学兵器」級の恐るべきウィルスを決して甘く見てはなりません。「ワクチン」さえ接種すればもう大丈夫などとゆめゆめ考えることなかれ。