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「安心・安全な五輪」を誰が保証するのか?

 とにかく「ぼったくり男爵」の異名を持つ、トーマス・バッハIOC会長に言われるままに「東京五輪」開催に踏み切るのは、あまりにもリスクが大きすぎると言わざるを得ません。

 

 

 開会式まで70日を切った14日、政府は北海道・岡山・岡山・広島に緊急事態宣言を追加発動することを発表しました。同日に行われた会見の席で菅総理はあらためて五輪開催の是非について記者から問われて、次のように答えました。

 

「選手や大会関係者の感染対策はしっかり講じて、安心をして参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく。これが開催にあたっての基本的な考え方であります。(中略)安心・安全の大会を実現することは、可能と考えており、しっかり準備をしていきたい」

 この答弁はすでに10日に衆院予算委員会で行った発言とほぼ同じです。つまり、菅総理・政府にはそれ以上の具体的な策はないわけです。菅総理の弁をまったく信用しないわけではありませんが、同じ文言をオウム返しするだけでは、野党のみならず私たちも疑念を抱かざるを得ません。

 

 

問われる「政府の責任」

 

 

 政府分科会の尾身茂会長でさえ、五輪の開催によりさらに医療への負担が増した場合、それは「開催する人の責任」であると明言しています。本当に「安心・安全な五輪」は実現できるのでしょうか。あくまでもそうだと主張するからには、如何にしてそれを保証するのか、是非ともお示しいただきたいものです。

 

 

 「東京五輪」の開催を中止すると、莫大な損失が生じ日本経済は危機的状況に陥るかもしれないとの意見はあります。が、すでに外国からの観戦客を受け入れないことは決まっており、得られるはずのインバウンドが消失した今、もはや「東京五輪」の経済効果など、捕らぬ狸の皮算用、絵にかいた餅に過ぎないのです。確かに経済的な損失は生じるものの、経済界はその件についてはすでに織り込み済みなのです。

 

 

 たとえ「五輪中止」となっても、経済界はもとより金融もとうに織り込み済みのため、その影響は限定的と見られています。金融市場では五輪を中止するか否かよりも「変異株」に効果的なワクチンの接種の行方を注視しているのです。むしろ早く五輪を中止して、”損切り”する方が得策との見方さえあります。

 

 

 「コロナ禍」により、あらためて日本の危機管理能力の有無が露見したと言っても過言ではありません。最初に緊急事態宣言が発出された時、総理の肝いりで配布された例の「アベノマスク」を思い起こせば、政府の危機意識が如何ほどのものなのかは明らかです。

 

 

 「アベノマスク」に象徴されるような実にお粗末な対応ぶりは、それだけではありません。戦後初となる緊急事態宣言という「カード」ですら、すぐにその威力は減衰し、三度目ともなればすっかり「コロナ慣れ」した国民は素知らぬ顔をするばかり。本来、感染抑制の切り札であったはずの「宣言」の効果は、ほとんど期待できなくなりました。

 

 

 現在、最も「コロナ収束」の”特効薬”として期待されるのが、ワクチンです。「イギリス型」や「ブラジル型」、「インド型」と次々と「変異株」が発生・蔓延し、それらが誕生した国や地域のみならず、今や日本もすっかり「変異株」の波に飲み込まれてしまいました。

 それら変異ウィルスが発生する以前には、やがて「新型コロナ」は毎年冬場に流行するインフルエンザのような”一般的な”流行り病になるであろうとの見方がありました。が、それほど甘くはなかったのです。文字通り変幻自在にその遺伝子構造を変貌させる「変異株」に対抗できるのは、唯一、「ワクチン」しかありません。

 

 

化学兵器」という認識

 

 

 日本はこれまでは世界有数の先進的な科学立国と私たちは信じていました。ところがどうでしょう。「新型コロナウィルス」に対するワクチンの開発については、大きく遅れを取ったと言うより他ありません。「COVID-19」に効果のある「ワクチン」を早い段階で開発に成功したのはその発生源である中国やロシア、米国、イギリスでした。日本人の科学者にはノーベル賞を受賞した方々もいるのに、なぜ日本製の「ワクチン」が出てこないのでしょうか。

 

 

 その答えの一つは、新型コロナワクチンの開発に成功した国々は、常に「化学兵器」への備えを怠らず、国を挙げてワクチンの開発に取り組む体制が出来ているという点があります。トランプ前大統領は「チャイナ・ウィルス」もしくは「武漢ウィルス」と称しましたが、その発言の意図するところとは「新型コロナウィルス」は「化学兵器」であるということです。トランプ氏ほどの”直截的”な表現はしないものの、英国やロシアも同様の認識を有しているに違いありません。

 

 

 「化学兵器」による攻撃に備えている国々は即座に「COVID-19」に対して、国防の観点からワクチンの開発・製造に着手しました。日本も中国由来の新型ウィルスを「化学兵器」と捉えるべきでしょう。たとえその根拠を示すことが困難だとしても、です。WHOの調査団が中国・武漢にその発生時の状況を調査しようとした際に、如何に中国側が彼らに対して非協力的だったことか。

 新型ウィルスが武漢から世界中に拡散していったのは故意によるものなのか、それとも事故だったのかは判然としませんが、開発中もしくは完成品のこの新型ウィルスが瞬く間に世界中で最悪のパンデミックを引き起こす結果となったのです。


 いずれにせよ、欧米の先進国では「化学兵器」による攻撃に対する備えがあったからこそ、早い段階で「ワクチン」開発の成功を可能にしたと言えます。翻って日本はどうでしょうか。国を挙げて全力で「ワクチン」を開発しているとは残念ながら思えません。

 

 

 他の先進国のように日本政府は「COVID-19」という「生物化学兵器」から国民を守り抜こうという強い意志があるのでしょうか。言わずもがな、日本国民の「国防」に対する意識はあまりにも低すぎます。政府もまたしかり。そんな危機意識の希薄な政府が本当に「安心・安全な五輪」を実現できるのか、甚だ疑問です。

 菅総理が国会や会見で何度もその言葉を口にした「安心・安全な五輪」。どこまでそれを保証できるのか、私たちはしかと見極めなくてはなりません。