明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

憂うつ気分を一掃する「秋晴れ」の癒し効果とは

 今年は大型台風が続々と上陸、接近して、各地に甚大な被害を及ぼしました。台風一過の秋晴れもなく、また連続して台風が襲来するという繰り返しで、まったく気の休まる暇もありませんでした。ようやく台風シーズンは終わり、本来の秋晴れが戻ってきました。東京地方は朝から気持の良い晴天に恵まれ、素晴らしい秋晴れとなりました。

 

 

秋晴れに癒される

 

 

 季節の変わり目や台風接近により秋うつに悩まされていた方々も、今日の秋晴れをみてほっとしたに違いありません。憂うつ気分をも一掃してくれる秋晴れには大いに癒し効果があります。そんな秋晴れの癒し効果を最大限、生かしたいものです。

 

 

 小春日和という言葉のとおり、十一月初旬の秋晴れは本当に気持ちの良いものです。こんな気持の良い天気がずっと続いてくれれば、言うことないのですが、そうもいきません。秋の天気はとても気まぐれです。今日、天高く馬肥ゆる秋と思ったら、二、三日後にはまたぐずついた雨模様になったりします。それだけに秋晴れの日は本当に貴重です。有効に過ごしたいものです。

 

 

 秋晴れの天気になったその一日を十二分に活用しましょう。そのためには少し早起きして、雨の日には洗濯物を部屋に干すしかありませんでしたが、せっかくの晴天、外干ししない手はありません。

 

 

 シャツや下着類は部屋干しでも抗菌作用のある柔軟剤などを入れて洗濯すれば、それで事足りるかもしれませんが、たとえばバスタオルなどのタオル類やシーツ、枕カバー、掛け布団カバーなどの大物は部屋干しではなかなかすっきりとはいきませんね。どうしても部屋干し特有の臭いがついてしまいます。大物は柔軟剤の香だけではごまかせません。

 

 

 そこで秋晴れの朝にまずするべきことは、そうした大物を思いっきり外干しすることです。勤め人はなかなかそこまでする暇はありませんが、もし可能ならば、是非とも外に干してください。晴れの日は空気が乾燥しているので、洗濯物もよく乾きます。バスタオルや毛布などの厚手の生地も午前中に干しておけば、午後の早い時間にはすっかり乾きます。

 

 

 雨の日にはなかなか洗濯する機会のなかった、シーツや布団カバーなどもこの機会に外干ししておけば、しばらくは大丈夫です。大物でも湿度の低い晴天の日にベランダに広げて干せば、太陽を思い切り浴びて乾きも早いものです。

 

 

お日様の匂い

 

 

 午後1時か2時頃には外に干したすべての洗濯ものはすっかり乾いていることでしょう。さあ、ここからが秋晴れの癒し効果を実感するところです。まず洗濯竿に広げたシーツと布団カバーを取り込んでみてください。その時に、独特の枯れ草のような気持ちのよい香りを感じませんか。お日様の匂いというのでしょうか。とにかく気持ちがふっと軽くなるような気持ちになります。

 

 

 個人差はあるでしょうが、あの匂いを嗅ぐと子供だった頃、母親にまとわりつきながら、洗濯物を折りたたむ姿を思い出すのです。まるで子供にかえったような懐かしい、不思議な感覚になります。お日様の匂い、太陽の匂い等、いろいろな呼び方があるようですが、とにかく太陽が私たち地球人へ与えてくれた最高の贈り物。それがあのお日様の匂いだと思います。

 

 

 さてここからがクライマックスです。まだお日様が当たっているうちに、湿り気がすっかりなくなりよく乾いたタオルやシーツ、布団カバー、毛布などを取り込みます。その時に、洗濯物に顔を埋めてみてください。十分に温もりの残っているタオルからは、たっぷりとお日様の匂いが鼻腔に広がっていくのを感じられます。ああ、幸せだなぁと、誰もが感じる瞬間です。これこそが、秋晴れの癒し効果なのです。

 

 

 憂うつ気分は心の雨のようなものかもしれません。あるいは嵐かもしれない。そこにあの香しいお日様の匂いを胸いっぱいに感じると、どうでしょう。それまでの心の雨模様など一掃されてしまいます。

 

 

 お日様の匂いは人それぞれの懐かしい思い出につながっています。私の場合は、今は亡き母との幼いころの思い出です。幼子がよくするように母親におもいっきり甘えている自分。その時、母はお日様をいっぱいに浴びた洗濯物を今取り込んだところです。そしてふっくらと暖かいタオルを顔の方にもっていって、「いいに匂いでしょう。お日様の匂いなのよ」と教えてくれました。ちょっとセンチメンタルな気持ちになるかもしれません。でもいいじゃないですか。すっきりとした秋晴れのお日様を思い思いに愛でようではありませんか。

 

 

 香り付きの柔軟剤が売れているようです。それは多分、部屋干しするのが当たり前になった昨今の洗濯事情には好都合だからでしょう。あの香りは嫌いではありませんが、人工的な香りですから、どうしても飽きてしまいます。百合の花のように香りの強いお花ならば、いつまでも部屋中にその香りが残っていても、少しも嫌な気はしません。でも人工的な香りにはすぐに飽きてしまいます。太陽が私たちに与えてくれる最大のプレゼントがあのお日様の光線です。光線なんていうと味も素っ気もありませんね。やはりお日様の匂いとしておきましょう。

 

 

 太陽の光が地球上のあらゆる生物を育むように、秋晴れの日にベランダに干した洗濯物を乾かすだけではなく、ちゃんとお日様の匂いも残してくれるのです。お日様の匂い勝る香りなどありません。今日の秋晴れが、憂うつ気分を取り除いてくれたことでしょう。お日様の香しい匂いと共に。