明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

眠れない、やる気が出ない「9月病」を忘れるための「5つの処方」

 夏休みが終わり、九月に入った途端に、夜なかなか寝付けない、疲れやすいなどの体調不良が続き、鬱状態で何もやる気が起こらなくなったり、精神的な疲労感に襲われるようになったら、もしかしたらあなたは「9月病」の可能性があります。

 

 夏風邪とは違い、熱もないのにいつまでも体がだるく、不眠症気味になって日中に眠気や疲労感に襲われることもあるこの9月病。学生さんは長い夏休みが終わって新学期に入ったのに勉強する気がおきない、社会人もお盆休みなどを利用して海外のリゾート地で心も体もリフレッシュしたはずなのに、仕事が本格的に始まる9月に入っても一向にやる気スイッチに切りかわらない、などの症状が長く続くと、最悪の場合には鬱病になることもあります。鬱になるとなかなかそこから抜け出すのは困難です。そうなる前に鬱陶しい9月病なんが早く忘れ去りたいものです。

 

 9月病を悪化させないために「5つの処方」をお話します。もしこれでも症状が改善されないようでしたら、専門医の診察を受けるようにしてくださいね。

 

 

① 緩んだ心の「時計のネジ」を巻く

 

 夏休みに海外旅行に出かける方も多かったことでしょう。たとえば。JTBやH.I.Sなどの旅行代理店を通じてハワイのツアーを喜び勇んで申し込み、ホノルル5日間や6日間のツアーにの参加した方の中には、いわゆる時差ボケに悩まされた方も多かったのではないでしょうか。何しろハワイと日本ではほぼ昼夜が逆転するほどの時差があるので、時差に慣れるまでには個人差もありあすが、1日や2日は掛かるものです。帰国時にもまた同じように時差ボケになるので、帰宅した後もしばらくは昼に眠たくなったり、夜中まで眠くならないこともあります。

 

 海外でなくても、国内の旅行に出て思いっきり羽を伸ばし旅を終えて帰宅した後、なかなか仕事モードに気持ちが切り替わらないものです。いつまでも遊び気分を引きずったままでいると心が”時差ボケ”的な状態になりかねません。実は不眠症も9月病の典型的な症状のひとつ。9月病の症状を忘るために、一度、自分の体内時計のネジを巻きなおすことが必要なのです。

 

 具体的には、心のリューズを巻いて、もう一度仕事モードになるために心の時計を”正確な”時間に合わせることです。夏休みは終わり、これからはバリバリと存分に仕事をやるぞ!と自らに暗示を掛けます。そうすることで、緩んだ時計のネジを巻きなおすのです。あなたの心の中にある時計は、グランドセイコーでしょうか。それともロレックスですか。高級時計ほど手をかけていつも最良の状態を保つようにしなければいけません。

 

② 思いっきり「ぐーたら人間」になってみる

 

 夏休み中に帰郷せず、何となく休暇を過ごした方もいらっしゃるでしょう。仕事中はいつでも脳内スイッチをオンにしておかなけいけませんが、休みの間くらいはスイッチをオフにしたいもの。ところがしばらくスイッチをオフにしたままにしておくと、今度はオンにしたいときに、なかなか切り替わらなくなってしまうこともあります。明日から仕事だと気ばかりは焦っても、心の中ではまだまだオフでいたいと思ってしまう。力づくで無理やりスイッチを切り替えようとするとスイッチが壊れてしまう恐れがあります。

 

 無理やりオフからオンに切り替えようとはせずに、あえて「ぐーたら人間」になっちゃいましょう。普段はオンタイムもオフも何事も完璧にこなそうとする几帳面な人ほど、一度リズムが狂いだすと修正が効かなくなって、9月病にかかってしまう恐れがあります。いつもと同じように完璧に何でも処理しようとすることをこの際、放棄してしまうのです。完璧主義者からあえて真逆のぐーたら人間になりましょう。

 

 たとえば、家に帰って玄関できちんと靴を揃えるのをやめる。スーツを脱いだら脱いだままにしておく。この方法は一人暮らしの方がやりすいかもしれません。部屋着に着替えずに下着のままで過ごす。風呂から出たら、いつもならバスタオルですみずみまで体から水滴をぬぐい取るところを、バスロブを羽織り濡れたまま自然に乾くのを待つ。食事はコンビニ弁当ですませて、食洗器に汚れた皿を入れたままにする。朝起きたら普段ならきちんとシーツのしわを伸ばして掛け布団を整え、ベッドメイキングしてから出かけるところを、わざとそのままにしておく。せっかくのシモンズの高級ベッドもこれでは台無しです。でも9月病を忘れるために、少しの間、我慢してください。

 

 そんな風にいつもきちんと整理整頓された部屋が雑然とした雰囲気になるまでに、いくらも時間は掛からないでしょう。そんなぐーたら生活を二、三日続けるうちにあなたは散らかったままの部屋にいること自体が苦痛になります。それこそがこの処方のポイントです。我慢できなくなった時には、自然に心のスイッチがオフからオンに切り替わり、本来の几帳面で完璧主義者なあなたに戻ることでしょう。

 

 

③ 時間を無駄遣いする

 

 人生の時間には限りがあります。限りある人生だからこそ一秒たりとも無駄に過ごしたくないと考える方がいます。ビジネスの世界では、それこそ一瞬の隙が命取りになりかねません。そんな人が9月病にかかったら悲惨です。自分はもうおしまいだとまるでそこで人生が終わってしまったかのように悲観的になって、その結果、鬱になる危険性があります。

 

 でもあえて限りある時間を無為に過ごしてみたらどうでしょうか。1分1秒を無駄にしたくない人が、今度はそれとはまったく逆に無為な時間を過ごしてみるのです。普段なら、通勤電車の中でも日経新聞や英字誌を読みふけるのに、ぼおっと何も考えないでいるのです。そういう日はなるべくスケジュールを入れないようにしておくことが必要です。特に何もやることのない日を作り、そのとおりに何もしないで過ごしてみるのです。

 

 そうこうしているうちにあなたはたちまち手持ち無沙汰で、何か有益なことをやりたくなります。これ以上、時間を無駄にしたくなくなるはずです。心のスイッチが自然とオフからオンに切り替えったからこそ、そのように感じるのです。几帳面でまじめなひとほど無為な時間を過ごすことに罪悪感を抱くものです。その罪悪感が自然と9月病を忘れさせてくれるのです。

 

 

④ 入浴・食事タイムに2倍の時間を掛ける

 

 普段の生活では夜遅く帰宅して、急いで夕食をかきこみ、入浴時間も烏の行水の如くという忙しい人も多いことと思います。でもこの際、それとは逆に思いっきり夕食タイムを楽しむためにいつもより少なくとも2倍以上の時間を掛けてみるのです。

 

 もし予算が許すならば、ホテルのフレンチレストランなどでコース料理を堪能するというのもいいですね。奥様や気の置けない友人ととゆっくりと食事とおしゃべりを楽しむことです。居酒屋でも、初めての店でいただくお勧め料理などを注文して、ちょっとめずらしい日本酒や焼酎などを注文するとより非日常的な時間を味わえるはずです。少し酔いが回っていたら、いつもの通勤電車ではなく、贅沢にもタクシーで帰宅すればなお効果的です。

 次に入浴タイムです。いつもみているニュース番組などは録画しておき、後日見ればよろしい。今日はテレビなしで過ごしことにします。その代わりに、花王のバブひのきの香りやラベンダー、ベルガモットジンジャーの香りなどアロマ効果のある入浴剤をたっぷりと入れて、ゆったりと入浴タイムを過ごします。アロマ効果で心身ともにリラックスして、疲れを癒しましょう。カラスの行水ではなく、最低でも1時間くらいはかけてゆっくりと入浴しましょう。

 

 普段は慌ただしく夕食を済ませたり、シャワーだけという方こそ是非、日常とは違うやり方で夕食時間や入浴タイムをゆっくりゆったりと過ごして、リラックスしてください。きっちりと心身の疲労をとることができれば、あとは自然にオンに気持ちが切り替わっていくことでしょう。

 

⑤ 夏太りしても「ダイエット」しない

 

 暑い夏を乗り切るためといっては、やれ土曜丑の日には栄養価の高い鰻を食べたり、暑気払いと称してビアガーデンで生ビールのジョッキを何倍も流し込んだりと、とかく食べ過ぎ、飲み過ぎになりがちです。コンビニでアサヒスーパードライザ・プレミアム・モルツ、キリンのどごし生、サントリー・金麦等々、缶ビールをひと抱え買い込み、冷蔵庫には大量の缶ビールが常備されているなどということもあるでしょう。そうして食べたい放題、飲みたい放題を繰り返した結果、夏が終わるころには胴回りがワイサイズ太くなっていることに気づき、慌てるのです。

 

 太ってしまい、ただでさえ窮屈なスーツがますますパツパツになり、ベルトの穴もひとつ移動して、さすがにこのままではまずいなと思い直して、急激なダイエットに走る人も多いかと思います。実はこれがストレスのもとになり得るのです。筋トレが趣味で体を苛め抜くことに無上の喜びを感じている方ならいざ知らず、普通の人にとってはダイエットのために大好きなビールを控えたり、好物の揚げ物を避けたりすること自体、大いなるストレスなのです。

 

 この際、サイズアップした体には目をつむりましょう。それよりも急なダイエットこそがストレス源なのですから、しばらくの間、ダイエットのことは忘れましょう。その間も揚げ物やらビールをたらふく飲み続けていたら、さらに太ってしまいます。ある時に、このままじゃ大変なことになるぞ、少し食事を控えようという気持ちが自然に涌いてきます。そうなるまで待てばいいのです。やせ我慢して無理やりダイエットするのではなく、自然にダイエットしたくなる頃には、もうあなたは9月病のことなどすっかり忘れわていることでしょう。あえてダイエットしなかったことで、今度はストレスフリーにダイエットに取り組むことが出来るかもしれません。