明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「豚しゃぶ」はゴマだれに付けますか、それともポン酢ですか?

 小ぬか雨の降りしきる中、駅前の通りにはコートの襟を立てて寒そうに家路へ急ぐ会社員やOLさんでいっぱいです。陽射しのない日は気温が上がらず、気分も落ち込みそうです。きっと家まで待ちきれないのでしょう。焼き鳥屋の暖簾をくぐる男性もいます。若い人は激辛ラーメンを食べて胃の中からホットにしようという方も多いようです。駅前の商店街は夕方には、どこも会社帰りの人々でいっぱいです。商売繁盛、大いに結構。でもここは店先から流れ出る香しい匂いの誘惑に負けずに、さっさと自宅へ帰りましょう。こんな日には、豚しゃぶなどが食べたくなるもの。自宅で思う存分、豚しゃぶ鍋を味わおうではありませんか。

 

 

 寒い日の締め括りには熱い風呂と鍋料理が恋しくなります。おでんも好物ですが、がっつりとお肉を食べてスタミナを付けたい時には、やはり豚しゃぶは外せません。親子丼でもなく豚丼でもなく、豚しゃぶがいいのです。鍋料理はお肉と一緒に野菜もたくさんとれるのもいいですね。

 

 

夕食のリクエストは

 

 

 冬に鍋料理が食べたくなるのは、寒さ対策もあります。晩冬を迎えた都心では、最低温度がひと桁台の前半という日もめずらしくありません。早朝に起きだして、寝室のカーテンを開けると窓ガラスにびっしりと霜が張り付いていたなどということもあります。こんな寒い日は出来れば外出したくないなと誰しも思います。でも風邪を引いたわけでもないのに、仕事が立て込んできたところに、自分だけそうそう有休を取るわけにもいきません。仕方がない。真冬の外気に耐えながら、出社するしかなさそうです。

 

 

 寒い朝には出がけに、奥様に今夜は鍋が食べたい、とリクエストしてみたらどうでしょうか。朝からもう夕食のことを考えるの!と叱られるかもしれませんが、確かに朝から小雨がぱらつくような悪天候に会社に出ていくご主人のことを思えば、たまにはわがままをきいてあげようかな、という気持ちになって下さるかもしれない。数ある鍋料理のバリエーションの中から、豚しゃぶを指定するのは、ちょっと勇気がいることでしょう。でも、きっと奥様は献立をあれこれ考えるのも面倒だから、夫のリクエストにこたえてみようかしら、という気にもなります。豚しゃぶならば、お肉と一緒に野菜やキノコ類も食べてくれるので、日頃の野菜不足を補うことも出来ます。あなたが出かけた後で奥様は、豚しゃぶも悪くないわね、と心の中で頷くことでしょう。

 

 

 いかに駅前商店街の暖簾が誘惑しようとも、あなたは一散に家路を目指します。何しろ、玄関を開けた瞬間から、昆布だしが香ってきて、着替える間ももどかしく、食卓につきたいからです。夏の間は外で汗をかくため、帰宅したら食事前にまず風呂に入ってから、夕食にしました。でも寒い季節には、入浴を済ませた後に湯冷めする恐れもあるため、夕食を先にする方がいいでしょう。第一、すきっ腹で入浴するのは落ち着かないものです。食後にゆっくりと湯船に浸かった方がリラックス効果も高まります。

 

 

 冬に残業はしたくないですよね。夜が更けるとさらに気温が下がり、寒風吹きすさぶ中、腹ペコで帰宅するのはなかなか辛いものです。残業すればその分の所得が増えるから、家計的には残業が多い方がいいのかもしれませんが、12月に入り一年の疲れがどっと出てくるこの時期には、なるべく残業は少なくして、体を労わった方が良さそうです。もともと体が疲れて弱っているところに、インフルエンザなどに感染でもしたら、それこそ一大事です。しっかりと厚手のコートとマフラーに手袋をして、防寒対策は万全を期すべきです。

 

 

ゴマだれかポン酢か

 

 

 出来れば定時に仕事を切り上げて、まっすぐに家路に向かうのです。何故ならば、今日はあなたのリクエストした豚しゃぶが待っているからです。食卓の真ん中には卓上ガスコンロに火が入り、その上で土鍋が湯気を立てています。余談ですが、多少扱いが面倒でも土鍋の方が熱効率が良いせいでしょうか、より美味しい鍋料理が楽しめるような気がします。

 

 

 さあ、あとは豚バラ肉を箸で一掴みして、盛んに湯気を立てている土鍋の中に投入するだけです。そして箸で軽くしゃぶしゃぶと泳がせ、頃合いを見計らっておもむろにたれに付けて頬張ります。さて、ここからが問題です。付けだれを何にするのかが悩みどころです。市販のゴマだれも豚肉によく合いますね。そこに数滴ラー油を垂らすとなお美味ですよ。お試しあれ。

 

 

 でも果たしてゴマだれがベストな選択でしょうか。ポン酢だれという定番があるではありませんか。ゴマだれもゴマの風味が食欲をそそりますが、鍋の付けだれのスタンダードといえばやはりポン酢でしょう。ミツカンのポン酢もいいですが、馬路村ポン酢醤油という激ウマの付けだれがあるのをご存知でしょうか。馬路村というのは、高知県34市町村で人口が2番目に少ない村ですが、今やゆずポン酢が全国区の人気商品となりました。お値段は他社のより2、3倍もするのに、その美味しさにはまったファンの間では冬に欠かせないは調味料となりました。馬路村ぽん酢醤油という定番の魅力も捨てがたい。さて、今日の豚しゃぶはどちらの付けだれにしようかと実に悩ましい。

 

 

 豚しゃぶ鍋には肉の他にシイタケやシメジ、えのきだけ、マイタケなどのキノコ類や長ネギ、モヤシ、白菜、人参などの野菜もたくさん入っています。これらの”副菜”を食べる時には、個人的見解ですが、ポン酢醤油の方が合うようような気がします。もちろん、ゴマだれの方が美味しくいただけるという方も多いでしょう。『ハムレット』の中の有名な一節ではありませんが、「ゴマだれにするか、ポン酢にするか、それが問題だ」の心境です。一層のこと、ゴマだれとポン酢だれの両方を用意して、適宜、使い分けたらもう悩むこともないはずです。さて、あなたならどうしますか。まあ、どうでも良いことですけど。