明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「外出自粛」で起こり得る「新たな危機」とは?

 東京都では新たな感染者数が四日連続して最多を記録しました。このままでは医療崩壊という最悪の事態に至ることも十分にあり得ます。小池都知事は「経済優先」の国の施策に業を煮やして、独自に策定した営業自粛を要請したのも当然でしょう。

 

 

 2週間後の状況を見てさらに自粛要請する業種の範囲を拡大するという国の方針では、手遅れになりかねません。どなたかが指摘していましたが、そもそも何故この件で経済再生相が主導するのか理解できないというのは全くその通りです。これではまるで日本政府は、国民の生命よりも経済損失の方を重視しているのではないかとの誹りを免れません。

 

 

「ゴーストタウン」

 

 

 緊急事態宣言が発令されてから初の週末を迎えました。渋谷や新宿、浅草などの繁華街や観光地では、人通りもまばら。主だった百貨店は食料品売り場を除き、ほぼ全館が臨時休業です。

 原宿の竹下通りでは、普段の週末ならば人混みで身動きもできないほどになるのに、ほとんどの商店はシャッターを閉じていました。まるで過疎化の進む地方都市の商店街かと見紛うばかりの「シャッター商店街」と化してしまいました。

 

 

 東京だけではありません。大阪の道頓堀界隈でも、まるで通行止めになっているかのような有様でしたし、福岡の天神も同様。緊急事態宣言の対象となった都府県では、どこも商業施設などが臨時休業となり、繁華街にはただ閑古鳥だけが鳴く有様です。

 この状態がひと月間続くのですから、国内消費の落ち込みはいかほどになることでしょう。それでも、何はともあれ「コロナ感染」が終息しないことには、どうししようもありません。今は何人も雌伏するより他ないのです。

 

 

 現状の感染状況を鑑み、感染拡大防止のために、首相は次のように語りました。

「緊急事態を1カ月で終えるためには最低7割、極力8割の接触削減を何としても実現しなければならない」

 と指摘して、その上で、

「いまだ通勤者の減少が十分でない面もある。オフィスでの仕事は原則、自宅で行う。どうしても出勤が必要な場合でも出勤者を最低7割は減らす」

 中小・小規模事業者を含む全ての事業者に要請するよう関係省庁に指示したことを明らかにしました。

 

 

 通勤のために公共交通機関を利用して出社する人の数を極力抑えるために、企業は従業員に原則出社禁止として、テレワークに切り替えること。そしてやむを得ず出社する従業員についてのその割合は7割から8割削減せよとのお触れを出すというわけです。他人との接触の7割から8割減らすと言われても、正直なところあまりぴんときませんでしたが、これなら理解できます。

 

 

 もっとも医療関連の仕事に従事される方々は、日々増え続ける感染患者に対応するために、むしろ増員してもなお間に合わないような状況になりつつあります。今後、新型肺炎の感染者にいかに迅速かつ的確な医療を施せるかどうかが、”鍵”となります。

 

 

 ニューヨークやローマのような「爆発的感染拡大」となった場合、どこまで対応できるのか、未知数の部分が多いのです。他国に見られるような「医療崩壊」だけは何としても避けなければなりません。そのために、日夜、激務に耐えながら献身的に仕事をされている、すべての医療関係の皆様には、本当に頭の下がる思いです。皆さまの献身的努力なくしては、この国難に立ち向かうことは出来ません。

 

 

 実施、治療に当たる医師や看護師の中からも感染者が出ています。安倍総理が毎日のように国民に外出を自粛して三密を避けよ、出勤者の数を7、8割削減せよと語ったところで、医療従事者の皆様はその間も他のどの職業よりも多忙を極めて、過酷な職場環境に置かれているのです。文字通り感染の危険に晒されながらも懸命に働いている医療関係者の皆様のことを、私たちは決して忘れてはなりません。

 

 

新たな「コロナ禍」

 

 

 緊急事態宣言後に迎えた初めての週末。皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。むろん、不要不急の外出は厳に慎まなければいけません。食材などの必需品の買い物で外出する以外は、医療機関を訪れる場合を除き、原則自宅で過ごさざるを得ません。会社に出勤せずにテレワークで一日中、自宅で過ごして、週末もそのままどこにも出かけられないのです。これでは運動不足になっても仕方がありません。

 

 

 お子さんの場合はさらに深刻です。子供は本来、表で走り回ったりして体を動かしたり、友達と遊んだりすることで、健康な体と健全な精神的な成長が促されものです。ところが、今では、「密接」を避けるために、複数の友達と一緒に遊ぶことは自粛しなければいけません。兄弟、姉妹がいればまだしも、一人っ子が多い日本の世帯では、学校が臨時休校になっては、たった一人で自宅の部屋に閉じこもる時間が多くならざるを得ません。子供が心身ともに健全に成長していくためには、憂慮すべき事態です。

 

 

 三密の一つに「密閉」がありますが、家庭内もある意味、そうした傾向があります。共働きの世帯が多い中、今回の「コロナ禍」により両親ともに自宅に留まる機会が多くなり、その中にお子さんも閉じ込められています。

 本来、家族は仲良くするものですが、あまりにも「密閉」状態が長期間に及ぶと、閉塞感で息苦しい空間へと変貌する危険が生じます。夫婦仲についても、四六時中、顔を突き合わせているうちに、お互いに苛立ち始めて、些細なことをきっかけにして深刻な夫婦喧嘩に発展する度合いも高くなります。DV(家庭内暴力)も起こりえます。「コロナ離婚」にもなりかねません。まさに新たな「コロナ禍」です。

 

 

 「うちに限って、夫婦仲も良好だし、DVなんかあり得ない」とおっしゃることでしょう。でも”今のうち”はまだ大丈夫でも、今の状態がひと月以上も続くとしたら、どうでしょうか。離婚やDVほど深刻な問題にはならなくとも、大概の方が運動不足からくる体重増には悩まされるはずです。

 

 

 私などもまさしくそのクチです。宣言発令以降、出社停止となったため、通勤のためにこれまでのように毎日、満員の通勤電車に揺られなくても済む代わりに、明らかに運動不足となりました。

 自宅から一歩も外に出ない日が何日も続くと、確実に体重が増えてしまいます。これはいけないと思い、不要不急の外出自粛とはいえ、散歩やウォーキングなどの健康維持のための運動なら認められているので、せめて週末だけでも「散歩以上ウォーキング以下」という程度の運動を試みたのです。

 

 

 自宅が郊外にあるため、いつも最寄り駅までバスで通勤していますが、その道のりを自分の足で歩いてみることにしました。といっても大した距離ではありません。途中、緩やかな坂道がありますが、距離にして2キロ強といったところです。この程度では運動とはいわないとジョギングする方から叱られそうですが、私としてはこれくらいで十分だと思いました。

 

 

 少し風が吹いていたものの、気持ちよく晴れた日中は、散歩(ウォーキング)にはもってこいの陽気です。意気揚々と歩き始めたのもつかの間、上り坂で早くもばててしまいました。大した傾斜ではありません。それでも確実に運動不足の体には堪えました。おまけに感染予防のためにマスクを着用したままだったのも、心肺機能に微妙に負荷を掛けた模様です。

 

 

 歩き慣れた方なら(走り慣れた方ならなおのこと)、この程度の距離とコースでばてることはまずないでしょうね。でも私には結構な運動になりました。およそ小一時間ほど歩いて、自宅にたどり着いた時には、もうへとへとでした。わかり切ったことですが、やはりきちんと運動をしなければいけませんね。そう痛感した次第です。