明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「Go To見直し」より深刻な「急増する自殺者」の対策を!

 今や「新型コロナ」の感染状況は「第3波」のピークを迎えつつあります。21日まで4日間連続して東京都の新規感染者数は500人台を記録し、全国では21日現在、2596人と過去最多となりました。こうした状況に菅総理は、3連休中に突如、「Go Toキャンペーン」の運用見直しについて言及しました。

 

 

 同キャンペーンについては、以前より専門家の間から感染拡大のリスクを増大させる可能性を指摘する意見がありました。

 第一弾の「トラベル」では、「コロナ禍」で大きな打撃を受けた観光産業を立て直す目的で、「イート」は飲食店関連の支援策としてスタートさせましたが、その結果、現在の感染状況に至ったことはご承知の通りです。

 

 

 むろん「第3波」の到来を速めた要因は複数考えられ、一概に同キャンペーンのみのせいとは言えないでしょう。しかし、第1波に続いて第2波が押し寄せ、そして少し状況が落ち着くかに見えたタイミングで、経済再生を急ぐあまり、同キャンペーンを半ば強引に推し進めた政府の責任は重いと言わざるを得ません。

 

 

度重なる「失点」

 

 

 前政権の安倍内閣の時に半ば”見切り発車”的にスタートした同キャンペーンをさらに強力に推進させたのは現内閣である菅総理です。が、既に専門家が指摘していたように、第3波は第2波が収まらぬうちに政府の想定よりも早くやってきたのです。

 

 

 これまで派手に”旗”を振り続けてきた菅総理でしたが、さすがに連日のように各地で新規感染者数が最多を記録する事態に、渋々ながら旗振りの手を止めざるを得なくなったというのが本音でしょう。何かと間の悪い、菅総理はここで再び失点したわけです。

 

 

 「Go To見直し」を表明した菅総理に、小池百合子都知事がさっそく噛みつきました。キャンペーンの一時停止について総理は、「都道府県知事が判断し、政府が最終決定する」と発言しましたが、これに対して小池知事は「国が主体的に決めること。それが国の責任だ」と政府の対応を批判したのです。

 

 

 小池氏の指摘はある意味、正論かもしれません。「トラベル」や「イート」の運用停止について、各自治体の判断に委ねるというのは、即ち国の政策なのにその運用方法を丸投げするに等しく、あまりにも無責任と言わざるを得ません。

 

 

 とはいえ、かくいう小池氏には、感染拡大を食い止めなければならない重要な時期にご自分は都知事選にかかりきりで、適切な「感染防止策」を取らなかった”前科”があります。政府の失態をここぞとばかりに非難するタイミングを決して逃さないのは、”さすが”というべきでしょうか。

 

 

 「経済再建」の切り札としていた「Go To」を中断せざるを得なくなったことで、今後の日本経済をますます先の見通せない状況に追い込むことになりそうです。「経済再建」か「感染防止」かという究極の選択を迫られているのです。

 

 

「自殺予防策」を

 

 

 「コロナ禍」の陰で、自殺者数が急増しています。今年に入ってから今現在までに自殺した人の数は全国で1万7000人以上にも上ります。「新型コロナ」による死者数よりもはるかに多い数字です。8月の自殺件数は前年同月に比べて15・8%上昇し、中でも小学校から高校までの学生の件数は倍以上となりました。また女性も約40%増加しています。

 

 

 子供や女性の自殺者が急増した背景にあるのは、「コロナ禍」で世帯主が失業するなどして収入が途絶え、将来を悲観して自殺に走るということが考えられます。事実、家計状況の悪化が原因で進学を諦めざるを得なくなったケースが多く見られます。

 勤め先が倒産を免れても、リモートワークで自宅で過ごす時間が長くなり、家族がDVの被害に遭うケースも報告されています。家庭という密室空間で”逃げ場”を失った、子供や妻はDVの被害者になりやすいのです。

 

 

 むろん家族が一緒に過ごす時間が増えて、夫婦円満、家庭円満になった幸せなご家族の方が多いはずと信じていますが、その逆のケースにも十分になり得るのです。やはり「夫は元気で留守がいい」なのでしょうか。

 

 

 政府にとって喫緊の課題とはまさに「コロナ対策」であり、「コロナ禍」で疲弊した経済を立て直すことに他なりませんが、「COVID-19」のワクチン開発以上に大切なのは、急増する「コロナ自殺」をいかに食い止めるか、ではないでしょうか。人の命よりも大切なものはないのですから。

 

 

 ある意味、(極めて微小ながらも)新型コロナウィルスという細菌や経済指標は目に見えるから理解しやすいとも言えます。それに比べて、「メンタル」の問題は目視できない分、周囲からなかなか理解されにくいのです。

 

 

 各自治体や厚労省が発表する日々の新規感染者数を見て、今が「第3波」の只中にあることは誰にでも容易に理解できます。でも、「コロナ禍」で人知れず心に深い傷を負っている人々が多数存在するということにも、もっと目を向ける必要があるのではないでしょうか。

 

 

 失点ばかりが目立つ菅内閣ですが、「新型コロナ」の対策として、是非ともメンタル・ヘルスの問題に真剣に取り組んでいただきたい。