明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

自宅で過ごす週末を120%楽しむ方法

 連日連夜、新型コロナウィルス関連のニュースに接していると、さすがに耳にタコができそうです。といっても、感染しないように最善を尽くさなくてはなりませんが、最低限の予防グッズであるマスクすらどこも売り切れ、品切れ状態です。感染源の中国ではマスクを求めて薬局の前には長蛇の列が出来、最高で9時間待ちもあるそうです。たった一枚のマスクを買うのに、9時間待ちとは驚きました。列に並んでいる間に感染しそうです。どこそこの人気ラーメン店の順番待ちくらい、どうということもないのかもしれません。日本政府から中国へ大量のマスクの差し入れをしましたが、それくらいではとても間に合うはずもありません。

 

 

 都心部の週末の天気は晴天ですから、本来ならば、日溜まりを求めてちょっと散歩に出るつもりでしたが、予定変更です。外出すれば必ず人込みに出ることになりますから、いつウィルス保菌者と接触するかもわかりません。こうなったら、今週末は自宅から一歩も外に出ずに過ごすことにしましょう。これほど安全な自衛策はありません。

 

 

自宅で過ごす週末

 

 

 さて、二日間、48時間をどう過ごしましょうか。別にアメリカのサスペンスドラマのように残り時間を秒読みして過ごす必要はありません。ただ流されるままに、のんべんだらりとするもよし、まとめて部屋の片づけに精を出すも良し、読みかけの本を片っ端から読破するも良し。何でもいいのです。でもせっかくの自由時間です。なるべく楽しく過ごしたいものですね。

 

 

 アウトドア派の方なら二日間も自宅に籠るのは、きっと耐え難いことかもしれません。でもたとえば、登山が趣味の方なら次の山行の計画を立てるのもいいですね。旅行は計画を立てるときから始まるといいます。旅行先についてネットで調べたり、旅行ガイドを見たり、詳細な地図で道順を確認していくうちに、まるで旅行中のような気分になれるはずです。決して退屈な時間ではありませんよ。

 

 

 普段から、自宅で過ごすのが大好きな方は、お一人様のお籠りタイムの過ごし方に関しては、エキスパートです。インドアの趣味に没頭していれば、48時間はあっという間に過ぎていきます。むしろもっと時間が欲しいところです。読書もいい。一人静かに書物と向き合えば、この世の憂さも忘れてしまいます。大切なことは、何でもいいですから、没頭することです。そしてそのことに浸り切るのです。

 

 

 音楽鑑賞がお好きな方は、もちろん、CDやレコードを棚から引っ張り出してきて、朝から晩まで聴きまくれば良いのです。あまり参考にならないかもしれませんが、本日の私の音楽鑑賞はこんな具合です。

 

 

 新宿区のとあるジャズバーで真空管アンプの音色にほれ込んでしまい。その店に通い詰めるうちに、ついに店の真空管アンプと同じ機種を入手したのが、今から15年ほど前のこと。以来、そのアンプで音楽を楽しむようになりました。真空管アンプというのは、なかなか神経質なところがあって、アンプに合うスピーカーを選ぶのがなかなか難しい。さんざん悩んだ挙句、予算とにらめっこして購入したのは、タンノイのブックシェルフ型スピーカーでした。

 

 

 レコードプレーヤーはいまでこそアナログレコードがブームですから、オーディオメーカーはこぞってアナログターンテーブルを発売するようになりましたが、少し前まではDJ用のターンテーブルは合っても、ピュアオーディオ用のは手頃な価格帯の製品は限られていました。私の場合は、トーレンスの製品を購入しました。ちょっと値段が張るので大変でしたけど…。

 

 

 それからは自宅のレコード棚にあるデッドストックから何十年ぶりにレコードを引っ張り出して聴いて悦に入っています。真空管アンプで聴くアナログレコードは実に気持の良い音がします。

 

 

「音楽日和」

 


 またまた話が逸れてしまいました。本日の私の音楽日和についてでしたね。まず真空管が温まるまでの間は、大好きなリヒテルのバッハの平均律クラヴィーア、4枚組CDから聞き始めました。小一時間ほど聴いて、十分にアンプの慣らしが済んだところで、いよいよ本番です。カラヤン指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団による、ベートーヴェン交響曲第6番「田園」を聴きます。70年代の円熟味が増したカラヤンのエネルギッシュで繊細な演奏には、いつもながら感動させられます。晴れた日の午前中に聴くには、良い曲ですね。

 

 

 続いては、敬愛するエフゲニ・ムラヴィンスキー指揮、レニングラードフィルハーモニー管弦楽団チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」です。楽団員を兵士のようにビシビシと鍛えるが如くの厳格な演奏。指揮棒に必死に食らいつかんとする各楽器の一糸乱れぬ演奏が編み出すアンサンブルの妙。計算されつくされた演奏はまさしく完璧以外の何物でもありません。美しい旋律に載せた悲しみの感情表現が素晴らしく、思わず涙が溢れました。これも毎回のことですが…。

 

 

 そこで一休み。ブランチタイムとなりました。本日はボンゴレパスタと缶詰のトマトスープを温めたものに、バターロールパンでした。食後のコーヒーには、苦みが強めのマンデリンにしました。さて、昼の部です。

 

 

 交響曲を立て続けに聴くと、少し”耳休め”したくなります。そこで、ジャズを選びました。『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ』のCDです。1958年12月、パリのクラブ・サンジェルマンでのライブ。音質はあまり良くないのですが、当時のハードバップ全盛期の熱狂がひしひしと伝わってくる名盤だと思います。

 

 

 観客の反応がものすごく、サックスのリフに勝手に歌詞を付けて歌ったり、観客のワーワー大騒ぎする、ジャズクラブの様子が目に浮かぶようです。とくに、観客の中で大声で歓声を上げているのが、ピアニストのヘイゼル・スコットです。彼女が黄金期のジャズメッセンジャーズの演奏に大喜びして、はしゃぎまくる様が印象的だったので、後に彼女のCDを買い求めたものです。まあピアノは普通ですが、ムーディで色っぽいピアノです。あの大騒ぎの中心メンバーとは思えない気がして、そのCDを聴いて意外に思ったものです。

 

 

 2枚組CDをすべて聞き終わった頃に、来客があったために本日の音楽鑑賞はここまででした。あ、しまった!せっかく自宅にいれば安心だと思っていたのに、きっと人混みの中を通り抜けてきたであろう、その来客がもしもウィルスに感染していたら、どうしましょう。さっそく週始めから経過観察のためにしばらく自宅待機になるかもしれませんね。そんなことはないか。