明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

人出増加の繁華街を避けて「自宅で巣ごもり」を!

 豪雪の日本海側や北海道とは裏腹に、東京地方では今週末、気温が20度を超え、一気に桜の季節を飛び越して汗ばむような陽気となりました。ぽかぽか天気に誘われて、繁華街では緊急事態宣言下とは思えないほど多くの人出が見られました。

 

 

 この土曜日の人出は先週に比べて、秋葉原駅で15.2%、渋谷センター街で14.4%、新宿駅で8.9%、銀座駅で3.1%それぞれ増加し、「宣言」後の土曜日としては最高を記録しました。

 「新型コロナウィルス」は人々の気の緩みを決して見逃しません。結果、実際の新規感染者数は「宣言」が延長された10都府県のうち、愛知と岐阜以外では、直近1週間と前週を比較して再び上昇に転じたのです。

 

 

「コロナ慣れ」

 

 

 緊急事態宣言を再発出したのに、このままではいつまでたっても政府の示す「宣言解除」の条件をクリアすることは困難な状況だと言わざるを得ません。

 

 

 「新型コロナ」との戦いが長期化する中、一番怖いのは「コロナ慣れ」することです。昨年に初めて緊急時短宣言が発出された際には、国民は強い危機意識を抱き、緊張感を以て日々を過ごしたものです。東京や新宿などのターミナル駅でさえもいつもの人混みはまったく見られなくなり、繁華街でも人影はまばらでした。首都・東京がまるでゴーストタウンのようでした。

 ところがどうでしょう。さらに大きな感染の波が日本中に襲い掛かり、ついに二度目の緊急事態宣言を発出せざるを得なくなった今現在、前回のような緊張感はなく、人々の危機意識も低いように思えます。

 

 

 そうした気持ちの緩みが前述の「週末の人出」に端的に表れています。言うまでもなく、「コロナ禍」が長引けばその分、日本経済の疲弊の度合いは高まり、5か月後に控える東京五輪の開催もますます危うくなります。

 国家経済も東京五輪開催もどうにでもなれと言う人は一人もいないはず。ならば私たちが今、取り組むべき方法はただ一つです。

 「ステイホーム」こそ、「コロナ禍」から脱却するための最良の「処方」に他なりません。

 

 

 心地よい春風に誘われてついふらふらと外出したくなる気持ちもわかりますが、今は辛抱しましょう。我慢するのは大嫌いという方も少なからずいらっしゃるでしょうが、日本人は元来、辛抱強い国民性のはず。ここはひとつ、日本人の強みを世界に向けて示しましょう。

 そして、戦後最悪といわれる「コロナ禍」の中にあって、日本人でさえも半数は開催は困難と考えている東京五輪を見事に成功させようではありませんか。

 

 

「巣ごもり」を楽しもう!

 

 

 繁華街に出かけないこと。即ち「ステイホーム」の週末をどうすれば楽しく有意義に過ごせるのか。これを真剣に考えなくてはなりません。

 片時も本や雑誌の活字を追わずにはいられないという”活字中毒”(この言葉も少々古くなりましたね)の方でさえ、一日中、机に向かって読書ばかりしていてはやはり飽きてしまいます。

 

 

 アルコール飲料には目がないという”呑兵衛”も朝から晩までも酒浸りの週末を過ごしていては、健康に良くないばかりか、家族から愛想を尽かされかねません。それにお酒やつまみなどの食費も嵩みます。ステイホームで病気になってしまっては元も子もありません。

 

 

 ひたすらテレビの前で日がな一日過ごすのでは、空しい気持ちになります。やはり「何か」をすることが肝心です。その「何か」については、それぞれの方によって趣味趣向は違いますから、一概には言えません。要は、「好きなこと」をするということに尽きます。

 

 

 「好きなこと」がまったくないという方は恐らくいらっしゃらないと思います。誰でも何らかしらご自分にあった「趣味」をお持ちのはず。趣味というよりも、軽い気晴らしくらいに考えれば、一つや二つはすぐにでも思いつくのではないでしょうか。

 

 

 筆者の場合はこんな具合です。一番の趣味はジャズやクラシック、ロック、ポップス、民俗音楽などを聴くことです。でも最初からノンジャンルだったわけではなく、年齢を重ねるうちに嗜好が多様化していき、どんな音楽でも楽しめるようになりました。

 かなり以前に故障して廃棄して以来、レコードプレーヤー(ターンテーブル)を持たず、専らCDプレーヤー(SACD)で音楽を楽しんでいました。数年前にターンテーブルを新たに購入し、長年放置していた昔のアナログレコードをラックから引っ張り出して聴くようになりました。

 ジャケットからレコード盤を取り出してターンテーブルに設置し針を落とすという一連の動作の面白さは、ほかに例えようがありません。CDやSACDとは異次元の、アナログだからこそ味わえる音がそこにはあり、新鮮な喜びを感じました。

 

 

 小中学生の頃に買い漁った古いレコードを何十年ぶりに聴くのは、この上なく楽しい体験となりました。子供の頃とはまた違った印象があり、新たにそのレコードの価値を再発見した思いでした。

 

 

 初めて小遣いをはたいて購入したLPはカーペンターズの『A Song For You』。レオン・ラッセルの名曲のカバーをタイトルにしたアルバムです。

 LP特有の大きなアルバムジャケット。赤いジャケットの中央に白抜きの♡とカーペンターズというロゴのデザインが何とも言えず、キュンとしてしまいました。お恥ずかしながら…。甘酸っぱい思い出と共に気付かされたのは、A面とB面で趣の異なる内容を持つ、トータルアルバムであるという点です。これは表・裏面のないCDでは味わえないものです。

 

 

 筆者はまた読書も大好きで、どちらかといえば活字中毒気味のところがあります。新刊にすぐに手を出すのも悪くありませんが、書棚の片隅に忘れ去られていた文庫本を久しぶりに再読するのも一興です。

 

 

 ノーベル文学賞を受賞したことのある米国の作家、ソール・ベローの代表作『この日をつかめ』。中編に属する小説ですが、なかなか読みごたえのある内容です。この本を初めて読んだのは、学生時代でしたが、正直なところ、よく理解できませんでした。ただ、わかったような顔をして読み終えた感じです。

 しかしあらためて読み返すと、単純な筋立てに潜在するいくつかのテーマ、人間存在の不安定さと不確実性の中に果たして救済はあるのか等、がしだいに明らかになってきました。もっとも今でもなかなか難解な小説には違いありませんが…。

 

 

 「コロナ禍」により、在宅勤務や時短などで自宅で過ごす時間が以前に比べて格段に増えました。これを機会に、皆さんご自身の「巣ごもり」スタイルを工夫され、大いに楽しんでしまいましょう。