明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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「緊急事態宣言」より「外出禁止令」を発令せよ!

 緊急事態宣言が発出されて初めての週末。11日月曜日は成人の日ですから、多くの方は3連休を取られたことと思います。ところが、初日の8日金曜日はまったく普段と変わらない様子でした。企業は出社率を7割抑えることを要請されているにもかかわらず、この日の朝はいつも通りの満員電車でしたし、繁華街の人出も変化は見られませんでした。街中を往来する人々や出社する会社員の表情には、むしろ「コロナ慣れ」した感すらありました。

 

 

希薄な危機意識

 

 

 予定通りに10日には大相撲初場所の初日を迎えました。コロナに感染した横綱・白鳳の休場はやむを得ないとしても、稽古中に怪我を負った鶴竜までも休場。横綱不在の場所なのに大相撲興行と銘打つのは少々図々しい気がしないでもありません。それにしても休場者が16人とはひどい。よくも開幕できたものだと逆に感心しました。

 

 

 10日にOAされた『サンデーモーニング』(TBS)で、”ご意見番”の野球評論家・張本勲氏が「こんな場所はやる意味がない」と批判しましたが、まったく同感です。親方や力士などを含む全員にPCR検査を実施したところ、5名の陽性者が確認されたといいます。いやはや。

 

 

 成人式については、大相撲初場所のように強行開催する横浜市川崎市相模原市、中止を決めた新宿区、練馬区墨田区など、延期する中野区、川越市などと自治体により判断が分かれました。

 

 

 一生に一度の思い出として晴れ着姿をご両親に見せたいという新成人の気持ちは理解できます。そうあってほしいものです。しかし専門家からは、分散して式を行うなどしても、新成人同士が久しぶりに顔を合わせれば、堂々とお酒を飲めるようになったのだしちょっと会食しようという流れになりやすく、感染防止の観点からやはり今年は開催を見送る方が賢明との意見があります。お子さんの成人を祝ってやりたいという親心の一方で、「宣言」下であることを考慮せざるを得ないという考え方もあり、実に悩ましいところです。

 

 

 小池都知事が旗振り役となって、神奈川、埼玉、千葉県の知事と連携して政府に緊急事態宣言の発出を要請したことで、”渋々ながら”(と思えてしまうのですが)菅総理が「宣言」の再発出を決断したことはご承知の通りです。が、二度目の「宣言」に対象地域の方々の反応はいまひとつ緊張感を欠いているように思えてなりません。

 

 

 幸いなことに、前回のような「マスク買い占め」騒動は今のところ起きていません。当時、一部でトイレットペーパーやインスタント食品などが買い占めにあい、品薄状態が続きました。今回は二度目ということもあって、そうした”パニック”にはなりませんでした。その代わり、緊張感や危機意識を持ちえないという一種、不感症的な心理に陥っているのです。

 

 

 横綱・白鳳でさえ新型コロナに罹患する。南海キャンディーズしずちゃん感染してしまう。もっとも、相撲取りとしずちゃんを同列にみては失礼かもしれませんが…。とここまでお話して気付いたのは、筆者も多分に緊張感を欠いている点です。

 スポーツ選手や芸能人が次々とコロナ陽性が判明して、あの人もついに感染してしまったのかと驚いていた頃はまだ緊張感がありました。ところが「コロナ禍」が長引く中、あの芸能人は感染してもしばらくして仕事に復帰できたのだから、「covid-19」はそれほど恐れることはないのかもしれない。もしそのように考える方がいらしたら、それは大きな間違いです。

 

 

 恐らく有史以来、初めて人類が直面する「共通の敵」が「新型コロナウィルス」ではないでしょうか。この微小ながら極めて強力な感染力を持つウィルスは、最先端の医学をもってしても未だに解明できません。ようやくある程度の有効性が認められるワクチンが出始めたばかりで、それとても万能ではありません。突然変異を繰り返し、さらに凶悪化する新型コロナウィルス。せっかく開発に成功したばかりのワクチンも効かない変異種がいつ誕生するとも知れないのです。

 

 

「外出禁止令」を発令せよ!

 

 

 「小池都知事にしてやられた」との思いが政府内にはあるようですが、そんなことはどうでもよろしい。重要なのは、緊急事態宣言を再発出したことの効果がどの程度あるのか、です。

 菅総理が7日、「宣言」を発出した際の記者会見で、こんな発言をしました。東京オリンピックパラリンピックの開催について、記者から現時点の世論が否定的な考えに傾いているとの指摘に対して、

 

「予防接種が始めれば国民の雰囲気も変わってくるのではないか」

 

 国民の雰囲気という表現を借りるならば、今の雰囲気はどうでしょうか。今や国民の雰囲気はすっかり「コロナ慣れ」してしまい、緊張感も危機感も希薄ではありませんか。二度目の「宣言」の効果はもはや期待薄と言わざるを得ません。事実、渋谷や新宿などの繁華街の人出は前回の時に比べて、はるかに多いのです。

 

 

 特措法に基づき、今回の「宣言」を発出したわけですが、その特措法にもっと諸外国のような強い規制や違反者に対する罰則規定を盛り込むべきではないでしょうか。たとえば、午後8時以降の外出を控えよと要請するだけではなく、それ以降に許可なしの無断外出をした場合には罰金を科すこと。不要不急の外出はしないと要請する代わりに、不用な外出をした者から罰金を取る。そもそも「宣言」の目的とは国民の行動を制限することにあるはずです。それならば、もっと強い、強制力のある法令に改正すべきではないでしょうか。

 

 

 「緊急事態宣言」の再発出よりも特措法を改定して「外出禁止令」を発令する方がよほど効果が期待できそうです。大相撲初場所や成人式などを開催している場合ではないのです。「covid-19」に対抗するには、強権を発動することも辞さない覚悟が必要ではないでしょうか。