明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「特別な夏」に日本人の祈りが届きますように!

 8月6日。今から75年前、広島県に米軍機により世界初の原子爆弾が投下されました。一瞬のピカドンで市街は壊滅、約14万人の尊い命が奪われたのです。

 その2日後の9日、長崎県に2発目が投下され、日本は無条件降伏を余儀なくされ、15日に天皇玉音放送を通じて、正式に国民は敗戦を知ることとなりました。

 戦争末期には、B29が日本の上空を飛び交い、爆弾投下するという無差別攻撃が繰り返され、東京はほとんど焦土と化しました。また沖縄には米軍が本土に初めて上陸し、多くの犠牲者を出しました。

 終戦から長い年月が経ち、戦争の記憶が徐々に薄れつつある中、戦争の悲惨さを後世に伝えるためにも、原爆記念日終戦記念日には、すべての日本人は犠牲になった人々のことを思い、祈りを捧げます。

 

 

「特別な夏」

 

 

 平和ボケと言われるほど、安寧な日々を送ることが出来るのは、そうした大きな犠牲を払ったうえなのだということを忘れてはなりません。

 8月は日本人にとっては「特別な夏」なのです。

 

 

 世界のどこかでは、地域間の紛争や内戦が絶えず起こり、この地球上に完全な平和が訪れたことは有史以来、一度もありません。第二次大戦以降、日本が戦争に巻き込まれるような事態には至らずに済んだことは、幸運だったというほかありません。

 

 

 米中関係が只今、最悪の状況下にあることはご承知のとおりです。「コロナ禍」が引き金となり、貿易摩擦から経済戦争に発展し、いつ軍事衝突が起こるかわからない状態です。

 核弾頭が飛び出さなくても、電子顕微鏡でしか確認できないような極めて微小な「新型コロナウィルス」によって、戦争が勃発するかもしれません。「コロナ禍」は最悪の場合、世界を二分する大戦争を引き起こしかねないのです。

 

 

 あっという間に世界各国に拡散していった「新型コロナウィルス」。感染拡大を食い止めるために、日本を含め各国では「緊急事態宣言」を発動しました。違反者には罰則を課すという強硬手段を用いて、外出制限を設けた国もあります。

 幸いなことに、日本はそこまで強制しなくても、規律を重んじる国民性もあって、「宣言」発出後には不要不急の外出を控え、企業はリモートワークを奨励する等、感染防止策がよく守られています。

 

 

 それでも、一旦は「宣言」を解除した語、今現在、感染の第二波が到来した模様です。全国一、感染者数の多い東京都では、ついに一日の新規感染者数が400人を突破し、いまだに200人を下回らない日が連続しています。小池都知事は、「特別警戒」と警告を発して、今年の夏は「特別な夏」であると述べました。

 

 

 都知事のおっしゃる「特別な夏」とは、即ち、夏休み期間中に郷里へ帰省や旅行を控えること、多人数での飲食は避けること、高齢者宅では家でもマスクを着用することを求めたことです。地方への帰省や旅行の自粛を要請したのは、言うまでもなく政府の推進する「Go Toトラベル」キャンペーンとはまったく逆の方針です。

 そもそも「コロナ対策」に関しては、国と各自治体でしばしばこのような意見の相違が生じている模様です。これでは、国民はどちらの意見が正しいのかわからず、混乱するばかりです。

 

 

祈りを届けたい

 

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 もっとも危惧されるのは、感染者が爆発的に急増して、医療体制が追い付かなくなるという、医療崩壊です。政府は明らかに感染第二波が到来しているのにもかかわらず、再び「緊急事態宣言」を発出しようとしないのは、これ以上、社会経済活動の停滞が続けば国家財政が持たなくなるという理由からです。

 西村大臣は、繰り返し「4月時点の感染状況とは大きく事情が異なり、重症者数の増加はさほどみられない」と主張して、「宣言」発出の段階にないことに対する最大の論拠にしています。しかし、第二波の到来で急増する新規感染者に、医療機関は今や疲弊し、限界に達しつつあるのも事実です。このままでは、医療機関とその従事者が共倒れとなり、「医療崩壊」がいつ起こるかわかりません。

 

 

 実際に、東京女子医大では看護師が夏の報酬カットに反発して、退職希望者が大量に発生するという事態が生じました。「新型コロナ患者」を受け入れることは、病院側にとって大きな負担となります。医師や看護師などの医療スタッフの配置も見直さなくてはならず、病院経営を大きく圧迫する要因なのです。

 

 

 「コロナ禍」よりずっと以前から病院経営は非常に厳しい状況にあり、最近の調査によれば、全国の病院の実に6割以上は赤字に陥っているといいます。その上、「新型コロナ」でますます経営難に追い込まれるのです。「医療崩壊」が起きるのは、必ずしも病床数の有無だけが要因ではないのです。

 

 

 75年前の夏と今年の夏。どちらも「特別な夏」には違いありません。私たちは原爆記念日終戦記念日には、毎年、祈りを捧げます。今年の「特別な夏」に、日本人の祈りがどうか届きますように。