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感染急拡大でも「自粛解除」に突き進む「小池都知事」の思惑とは?

 東京都は1日、新型コロナウイルスの感染者が新たに67人確認されたと発表しました。5月25日に緊急事態宣言を解除して以来の最多であり、6日連続で感染者数が50人を超えました。高止まりが続く感染状況について、菅官房長官は定例会見で「症状の有無にかかわらず、濃厚接触者を積極的に検査しているという、そういう方が大量に含まれている。こうした感染状況を踏まえて、緊急事態宣言に当たるとは考えていないが、引き続き緊張感をもって地域における状況を注視して、感染拡大防止と社会経済活動の両方に取り組んでいきたい」と述べました。要するに、緊急事態宣言を発出はせずに、さらに経済活動の加速化を推進していくということです。

 

 

 「こうした努力を重ねてもなお感染者の増加スピードが高まれば、最悪の場合には緊急事態宣言を発する可能性はある」との見解も同時に明らかにしましたが、「新規感染者の数、スピード、感染経路不明の割合や医療供給体制の状況などを勘案して、専門家の意見を聞いて総合的に判断したい」として、やはり「自粛要請」には消極的な姿勢を示しました。

 

 

「東京アラート」はもう出さない

 

 

 一方、全国一の感染者数が多い東京都でも、小池知事がこうした政府の方針に追随する形で、再び「東京アラート」を発出するつもりはなさそうです。従来の東京アラートの基準を改定して、新型コロナウイルスの感染状況や医療態勢を伝える新しい指標の7項目を公表しました。従来の基準では、7つある項目のうち一つでも基準値を超えた場合に、再度の「東京アラート」を発出するとしていました。

 

 

 ところが、直近一週間の感染者数がすでに基準値を超えているにもかかわらず、いまだに「東京アラート」は出されていません。自粛要請の指標となる数値を無くしたことに関して、小池知事は「どの数字にたどり着いたらスイッチをオンにするか、オフにするかではなく、全体像をつかむ」と説明しています。つまり、再び「東京アラート」は発出しないということです。

 

 

 現在の感染状況について私たちが知り得る唯一の基準は、一日の感染者数です。数値で示されれば、たとえば7月1日の67人という「解除」以来の最高値となったことで、第二波が近々到来するかもしれないとの「危機感」を共有できます。政府や小池知事のおっしゃるような「全体像をつかむ」とか「総合的に判断する」というのでは、あまりにも曖昧模糊としていて、果たして今現在の状況がどの程度なのか、わかりません。「営業自粛」の必要性がどの程度あるのか、ないのかを判断するには、感染者数という”見える”基準が必要です。

 

 

ぶれる「コロナ対策」

 

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 最近の小池知事の「コロナ対策」はぶれにぶれまくっています。以前は、項目の一つでも基準値を超えたら「東京アラート」を発出するとしていたのに、いざアラートを出してもまたすぐに解除してしまいました。一向に感染の収束の気配すら見えないのに、納得のいく説明もなく、解除したのです。それだけではありません。今度は、新しい「指標」を提示して、感染者数が急増している現状に蓋をしようとしているのです。これは”まやかし”です。小池知事は、第二波が目前に迫るのを承知しておきながら、「東京アラート」を出して都民に警告を発する義務を怠っています。

 

 

 小池都知事に「スタンドプレー」を望んでいるのではありません。ただ、政府の方針よりも厳しい「自粛要請」を出していた頃に比べて、今の小池氏は明らかに「感染防止策」に関しては、後退しています。小池氏の”変節”に対して、もっと批判の声が上がってしかるべきです。

 

 

 とはいえ、「宣言解除」以来の最悪の感染者数を叩き出した1日、都知事選の終盤にあたるこのタイミングでのワースト記録に、知事は大いに焦っていることでしょう。5日の投票日までにさらに感染者が増加する事態となれば、当然ながら、基準値超えをしていたのに「東京アラート」を発出しなかったことに関して、知事としての「責任」が問われることになります。

 

 

 前述しました菅官房長官の発言に「再度、緊急事態宣言を発出することもあり得る」との文言がありました。むろん、これ以上の社会経済活動を遅延させるようなことはあえてしないでしょうけれども、一応、最悪の場合には、そうした選択肢もあることを示したのです。小池都知事が新たな基準を設定して、「自粛要請」を出すための判断の基準値を設けないという方針と政府の考える方針とは誤差が生じてきました。これまで政府の方針にただただ追随するだけだった小池知事としては、大好きな「安倍政権」からつれなくされたように感じたのではないでしょうか。

 

 

 都知事選もあとわずか。選挙戦の終盤になって、小池知事は自らの”変節”の責任を追及される羽目になりました。実際、「東京アラート」の一件は茶番劇としか言いようがありません。レインボーブリッジを赤いイルミネーションで飾り立てただけで、何も具体策はありませんでした。しかも実に不可解なことに、すぐに解除したのです。もしかしたら、偉い大臣から「政府が経済再開に向けて動いているのに、勝手にアラートを出して、水を差すようなことはするな」とお叱りを受けたのではないでしょうか。

 小池さんの「日和見主義」には、ほとほと呆れるばかりです。