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小池都知事殿へ 「東京アラート」解除はまだ早すぎます!

 新型コロナ対策を巡っては、これまで東京都の小池百合子知事は国に先んじて、感染拡大防止策を次々と打ち出してきました。感染リスクの高い業種に対しての営業自粛要請も国よりも一段と厳しい姿勢で臨み、感染者数が急増した時には、緊急会見を開いて、都民に徹底した感染予防の対策を取るように注意を促しました。そうした取り組みが一定の効果を上げたのは事実ですし、いくら「小池劇場」だのと揶揄されようとも、評価すべきだと思います。

 

 

「東京アラート」発動でも

 

 

 ところが、最近の小池知事の言動は以前のような厳しさから後退して、「ロードマップ」に見られるような「気の緩み」をも助長しかねない方針に変わりつつあります。政府が「緊急事態宣言」を全面解除したのを機に、小池知事も自粛解除へ大きく舵を切ったのです。このことが吉と出るか凶と出るか。

 

 

 「ロードマップ」によるステップ2に移行した途端に、都内で新たな感染者数が二ケタ台に跳ね上がったのはご承知のとおりです。それに対して、「東京アラート」が発動しました。ステップ2からわずか一日で「東京アラート」の発出という事態になったのです。つまり、自粛を緩和するのは時期尚早だったわけです。

 

 

 不思議なことに、「東京アラート」が発動された後でも、ステップ2から1へランクダウンさせなかったのです。一体、何のためのアラートなのか理解に苦しみます。東京駅などのターミナル駅では、構内アナウンスの内容までトーンダウンしました。これまでは「不要不急の外出は避けるように」と呼びかけていたのが、今では、「県外への移動は慎重に」との表現に弱められました。”慎重に”県外への移動するならば大丈夫ということなのでしょうか。だとしたら、あのアナウンスは意味がありませんね。

 

 

 10日の東京都の新たな感染者数は18人です。いまだに二ケタ台で推移しています。「東京アラート」を発出したのは正しかったといえます。ところが、小池知事は近々のうちに「東京アラート」を解除する方向で検討しているというのです。そもそも「ロードマップ」を設定した時点から、急に「緩和」に動き出しのがおかしい。何のために「アラート」を発動したのか、わからなくなりました。まさか都庁やレインボーブリッジを赤いイルミネーションに飾りたかっただけではないでしょうね。

 

 

 梅雨入り前にしてすでに都心部では、最高気温が30度以上という真夏日が続いています。ニュースでは、熱せられたアスファルト上を足早に通り過ぎる、会社員やOLさんにインタビューを試み、真夏日にマスクを着用することがどれほど辛いものなのかを尋ねていました。皆さん、異口同音にマスク着用は鼻と口の周りが群れて高温多湿となり、汗でびしょびしょになると不満を漏らしていました。今後、夏本番となれば、マスク着用により熱中症リスクが高くなること必定です。熱中症対策のために、ソーシャル・ディスタンスが十分に取れる野外では、マスクを着用しなくてもよいとの方針が示されました。

 

 

 でもちょっと待ってください。熱中症対策も大切ですが、今は「東京アラート」が発動されている最中です。感染対策の方をもっと重視すべき時ではないでしょうか。国も東京都も「自粛緩和」ムードを作りたい意向が透けて見えるのです。真夏日が連続することで、話題を熱中症対策へ向けようという魂胆ではないでしょうか。

 

 

 「東京アラート」とは実にキャッチーな言葉だと感心しましたが、ただアラートを発動しただけでは、来るべく「第二波」に対する対策に繋がりません。”実”を伴う「アラート」でなければいけません。少なくとも、ステップ1に戻すくらいは出来なかったのでしょうか。

 

 

 ステップ1にランクダウンさせることは出来たはずなのです。レインボーブリッジを赤いイルミネーションで飾るばかりではなく、都民ひとりひとりがさらに厳しい感染防止策を講じなければ、また以前のような「緊急事態宣言」の状態に逆戻りしますよ、と強い調子で注意を喚起すべきです。熱中症対策よりも「東京アラート」発動に即した適切な措置を講じる必要があります。

 

 

「アラート」解除へ

 

 

 国が感染の現状よりも「経済優先」の方針に転換したのと足並みをそろえるようにして、小池都知事も「東京アラート」発動もお構いなしに、自粛解除の方向に舵を切り始めたのです。都内の新たな感染者数が一けた台に戻らないうちに、「東京アラート」を解除しようとしています。

 

 

 都民にとっては、赤いイルミネーションなどどうでもよいはず。イルミネーションよりも実効性のある対策を講じてほしいと思っているに違いありません。小池氏が先の都知事選に圧勝した際には、緑の服をトレードマークにし、クリーンなイメージを印象付ける作戦が大いに功を奏しました。緑の次は、赤のイルミネーションで”コーディネート”するつもりかもしれません。

 

 

 6月18日の公示を以ていよいよ戦いの火蓋が切られる、東京都知事選挙。今度の「小池劇場」のイメージカラーはアラートに合わせて赤にするのでしょうか。赤いバラには棘がありますから、皆さん、小池知事のカラー戦略には要注意ですぞ。

 

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