明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「自粛要請」に踏み切れない「小池都知事」のイヤな感じ

 東京都では29日、58人の感染者数を出し、これで三日連続して50人台となりました。24日に50日ぶりに50人台となる55人、25日は48人、26日の54人、27日に57人という高い水準で推移し、28日には、緊急事態宣言解除後の最多となる60人の感染者を記録しました。感染者数の1週間平均は50人を上回り、休業を再要請する際の目安としていた指標の数値を超えてしまいました。

 

 

「嫌な感じ」

 

 

 西村大臣は小池都知事と高止まりで推移する都の感染状況について、専門家の意見を聞きながら話し合うとのことですが、その西村氏ご自身が会見の席で「嫌な感じがする」という感想を漏らしました。

 

 

 確かに今の感染者数をみると、実に「嫌な感じ」です。というよりも、すでに休業要請を指示する水準に達しているのにもかかわらず、再び「自粛要請」を行わなわないことに対して、私たちは実に「嫌な感じ」を受けるのです。これまでの段階的な自粛解除の「ロードマップ」とは正反対に、自粛要請またはより強い指示を出すべき時ではないでしょうか。

 

 

 都知事選に入り、小池氏の頭の中は選挙のことでいっぱいなのかもしれませんが、東京都の今の感染状況は極めて危険なレベルにあると言っても過言ではありません。これまで私たちが「三密」を避けるために頑張ってきた私たちの折角の努力が、水泡に帰するかもしれないのです。このまま指をくわえてみているわけにはいきません。何としても再び新型ウィルスが蔓延するような事態は避けなくてはなりません。

 

 

 「新しい生活様式」についてはすでにご承知のことと思います。三密を避けるために、ソーシャルディスタンスを保ち、換気を心掛け、徒党を組まないこと。小樽市で発生した「昼カラ」によるクラスターのケースに見られるように、密閉空間でなるべく放歌しないことが大切です。マイクを奪い合ったり、やたらとデュエットするなんてもってのほかです。そんなこんなで、ここ数か月間で私たちは感染予防について多くのことを学びました。

 

 

 「新しい生活様式」に則り、私たちは涙ぐましい努力をしてきました。それでも、一向に感染者数は減少しません。政府はもはやこれ以上の「自粛要請」をすると、日本経済は持たないと考え、今や「自粛緩和」の方向に突き進む方針です。これまで我慢してきたのだから、これからはもっと自由に過ごしましょうね、という甘言で私たちを誘って、社会経済活動を一刻も早く回復基調に戻そうと躍起になっています。政府の方針そのままに「自粛解除」一本やりで行こうとしているのが、小池都知事なのです。赤いイルミネーションで染めただけで終わった「東京アラート」がいい例です。

 

 

 西村大臣と小池都知事の会談がどのようなものであるにせよ、結論は同じです。要するに、社会経済活動を推進するためには、感染者数が高止まりであろうと、再び自粛生活には戻らないということです。

 

 

元の木阿弥に

 

 

 緊急事態宣言の発令中には、人と人との接触を8割削減することを目標に、テレワークやオフピーク通勤が奨励され、その結果、東京駅や新宿駅などではまるでゴーストタウンのようにガラ空き状態でした。普段なら押し合いへし合いが繰り広げられる満員の通勤電車も、乗客数が激減し、人もまばらで楽に座れるほどでした。

 ところが、最近では、オフピーク通勤の呼びかけも空しく、通勤時間帯には車両によっては満員になり、ソーシャルディスタンスどころではありません。通勤電車の乗車率は日ごとに上昇していることを実感しています。

 

 

 政府も小池都知事も通勤時間帯の三密状況については何も語ろうとはしません。28日に解除後の最高の60人の感染者数を叩き出した時には、テレワークではない私などは、日ごとに混雑していく通勤電車を見て、とても”嫌な”気持ちになりました。今の状態を皆さんはどうご覧になっていますか?まったく嫌な感じですよね。

 

 

 実際、7月からはテレワークや時差通勤ではなく、従来通りの勤務体系に戻す予定の会社も多いようです。テレワークが十分に機能しているから、今後はオフィスそのものを縮小するか、まったくなくそうという企業もあると報じられていますが、そんなのはごく一部の限られた業種に過ぎません。大部分の企業は早く元通りの勤務に戻したいと言うのが本音なのです。

 政府も飛びきり高い感染者数を出し続けている東京都も、自粛よりも経済活動の再開の方に完全に重きを置いています。そうした流れの中、企業もいつまでも時差通勤やテレワークを続ける気はないでしょう。政府や都知事が今の状況を見ても、何ら手を打とうとしないのですから、尚更です。

 

 

 東京都が全業種で休業要請を全面解除した6月19日まで、休業を再要請する際の目安としていた指標の数値を超過しているというのに、何故、そうしないのでしょう。それどころか、経済活動を再開させていくためのあらたな指標を作りなおそうというのです。「夜の街」で感染者が増えていることが判明しているのですから、歌舞伎町のホストクラブやらキャバクラやらの「接待を伴うバーやナイトクラブ」について、より強い営業自粛の指導を行うべきです。

 

 

 「コロナ蔓延」の初期の頃には、マスクの非着用者は高齢者に多かったものですが、今では、若い世代に多くなったようです。真夏日続きの昨今では、暑苦しくてマスクを着用しづらいこともあるでしょう。野外で人との距離感が十分に取れるような場所ではマスクを外しても良いとされてから、ますますマスク非着用者が増えました。そして自粛解除により「夜の街」が活況を呈しつつある中、そうした「接待アリの店」でクラスターが発生したのです。このままでは大変なことになりますよ。