明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「コロナ禍」で最も経験値を上げたのは私たちなのです!

 一体、緊急事態宣言は何の意味があったのだろうか。そんな根本的な疑念が生じてきました。安倍総理が会見で高らかに「全面解除」を宣言してから、1週間も経たないうちに、北九州市で新型コロナは再び感染拡大の狼煙を上げたのです。全国で最も感染者数の多かった東京都でも、新たな感染者数が二ケタ台で推移しています。専門家の中には、もはや「第二波」が到来したとの見方もあります。

 

 

「第二波」の到来

 

 

 ところが安倍総理や担当大臣は繰り返し、再度の緊急事態宣言を発出しない旨を明言しています。感染者数が急増しつつあり、感染経路が不明の患者が増えているにもかかわらず、「総合的に見て、現状では第二波とは言えない」との認識を示すばかりです。これまで度々緊急会見を開いて、危機感を訴えてきた小池都知事にしても、新たな感染者数が増加傾向にあるにもかかわらず、6月1日からはステージ1から2に移行することを表明しています。

 

 

 背に腹は代えられないと言うことなのでしょう。これ以上自粛が続けば、日本経済が立ち行かなくなるとの危機感が、こうした第二波の到来との指摘さえも黙殺せざるを得ないのかもしれません。これは日本に限ったことではなく、日本よりもさらに多くの感染死者が出ている諸外国も、経済活動の再開を優先させる傾向があるようです。

 

 

 日本政府の考え方は恐らくこうでしょう。第二次補正予算まで組んで「コロナ対策」に膨大なカネを投じるのだから、もうそろそろ社会経済を再開しても良かろう、と。安倍総理の会見の席で、最後の方で質問に立ったジャーナリストが、政府の対応はすべて後手後手に回っていると痛烈に批判していましたが、まったくその通りです。事実、いまだに「アベノマスク」届かない世帯が多いのです。給付金についても同様です。

 

 

 会見で総理が自信満々に言及した「アベノアプリ」も、スマホ初心者には手に余ることでしょうし、そもそもスマホをお持ちでない高齢者にはまったく役に立ちません。第一、いくら個人が特定されない形で位置情報を活用するといっても、そのまま鵜呑みには出来かねます。果たして「アベノアプリ」がどこまで普及するのかわかりません。アプリの普及率が6割以上にならない限り、利用価値がないそうですから、またぞろ「アベノマスク」の二の舞にならないとも限りません。

 

 

 そもそも緊急事態宣言が出されるよりも前の段階で、感染の拡大状況はピークに達していたといいます。つまり、宣言が発令された時には、すでに出遅れていたわけです。そして第二波が到来しつつあるのに、今度は「宣言」を発出しない方針のようです。これは一体、どうしたことでしょうか。あまりにも”ちぐはぐ”な政府の対応に、首を傾げるほかありません。

 

 

「日本モデル」

 

 

 「宣言」の期間中には、国民に対しては「三密」を避けて、外出の自粛を求め、業種によっては営業自粛を求めました。むろん、諸外国のように罰則規定はないので、中には自粛要請に従わない”無法”パチンコ店もありました。が、大多数の国民と企業は律儀にも政府の要請に粛々と従ったのです。

 

 

 安倍総理は誇らしげに「世界に誇る日本モデル」と称賛しました。その通り。私たちは遊びに行きたくても我慢をし、夜の街に繰り出すことも控えて、政府が要請に従い「人との接触を8割削減する」ことに協力した結果、「日本モデル」を可能にしたのです。高い自制心と辛抱強さという日本人の美徳があっての「日本モデル」なのです。

 

 

 友人と居酒屋でワイワイ酒を飲み、二次会はカラオケで盛り上がるという、実にささやかなる庶民の娯楽さえも我慢して、コロナ感染防止に努めたのです。しかし、一度、封じ込めたに見えても、しぶとく生き残るのがこの新型ウィルスの厄介な点です。さっそく感染の第二波がやってきました。感染拡大を何としても防がなくては、私たちのこれまでの「努力」も水泡に帰してしまいます。政府には、今度こそそのための対策が後手に回らないように、迅速かつ適切な対応を取っていただきたい。

 

 

 いつ全戸に届くやもしれぬ「アベノマスク」や普及するかどうかも定かではない「アベノアプリ」で、第二波を食い止められるとは、到底思えません。今度こそ営業自粛や外出自粛を要請するべきタイミングを誤ってはなりません。「ステイ・ホーム」「自宅勤務」の励行が出来たのですから、「新しい生活様式」を定着させようではありませんか。

 

 

 「宣言解除」になったからといって、元のように満員の通勤電車に揺られて出勤し、隣席との間隔が十分にとれないまま、ひしめき合うオフィスに戻るなどというのは、ナンセンスです。せっかく身に付いた良い習慣を放棄することはないではありませんか。

 

 

 「コロナ禍」が図らずとも、これまで遅々として進まなかった「働き方改革」を一気に推し進めたことは間違いありません。実際に、やってみたら案外、すんなりとうまくいったのです。

 

 

 感染防止を常に意識しながら、居酒屋やカラオケを楽しむのであれば、問題ないはずです。マスクだけでは防げないウィルスだということはわかっていますが、絶対に感染しない保証までは出来ずとも、アルコール消毒をして、ソーシャル・ディスタンスを守るなどすれば、一定の予防策にはなると思います。

 

 

 絶対に感染したくないという方は自宅から一歩も外に出ずにいるしかありません。感染防止の基本的な注意冴え怠らなければ、ある程度、コロナを遠ざけることは可能なのです。それには、「新しい生活様式」の具体例を参考にすることです。

 

 

 感染の第二波が必ずやってきます。政府はそれに十分に備えなければなりません。私たちもそのつよりで、十分に注意しながら、生活していきましょう。私たちには、「コロナ禍」を経て、経験値が相当上がりました。政府や企業もそうあってほしいものです。