明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「東京マラソン」「一般参賀」は縮小でも「内需拡大」のチャンスかもしれません!

 化学に詳しい方なら即答できるのかもしれませんが、今回の新型肺炎のウィルスとは一体、どれくらいの大きさなのでしょう。ニュースでたびたび映し出される顕微鏡による拡大写真からすると、肉眼はもちろんのこと、普通の虫メガネレベルではとても見ることのできないほど微小なもののようです。しかしこんな微小なる菌がSARSよりも強い感染力を持ち、またたく間に発信源の中国・武漢から日本その他の国々まで蔓延していったのはご承知のとおりです。目に見えないほどのミニサイズの菌がこれほどの恐るべきパワーを有するとは驚異的です。

 

 

 この厄介なウィルスのせいで、武漢を始め中国各地では感染拡大防止のために企業に対して春節連休の延長を要請しました。外国企業の工場が多数ある中国では、工場の生産ラインがストップしたままで、産業界や経済界に悪影響が出始めました。日本も今やWHOが指摘するように、「感染国」の仲間入りしてしまいました。感染予防のために人込みではマスクの着用が奨励されていますが、そのマスクが不足して品薄状態では話になりません。聞けば、日本で販売される大部分のマスクは中国で生産されているそうです。日本国内のマスク工場では、フル回転の大車輪操業して何とか今の品薄状態を解消しようと躍起になっています。今こそ「ものづくりニッポン」の底力を内外に示そうではありませんか。

 

 

「中国工場」ストップで「内需拡大

 

 

 新型肺炎の影響はまだまだ留まるところを知りません。今月23日の天皇誕生日に行われる予定だった一般参賀の中止が発表されたのです。ご即位されてから初めての天皇誕生日です。もちろん元号が令和になってから初の記念すべき日に、皇居前の広場に大勢の人々が集まり、お祝いすることも出来なくなりました。天皇皇后陛下のお顔を直に拝見できる数少ない機会が失われたのです。この日を楽しみにされていた方も大勢いらっしゃることでしょうに、実に残念です。

 

 

 当分の間は、人が大勢集まるイベントなどは中止または延期になる可能性があります。さっそくというのは変ですが、3月1日に開催される「東京マラソン」では、市民ランナーの参加が中止の運びとなりました。何十倍という高倍率を運よく引き当てた方々には、まったくお気の毒としか言いようがありません。しかも、東京マラソン財団の規定によれば、参加費は返済されないといいます。その代わりに、来年の出場権が認められますが、別途、参加費が掛かります。東京マラソンの参加料は国内が1万6200円、海外が1万8200円となかなかの高額です。これで4万人もの市民ランナーが参加する予定でしたから、まさに「やらずボッタクリ」ですよね。

 

 

 たまたま私の職場にも一人、市民ランナーがいて、今年の東京マラソンに出場する予定でした。運よく抽選に当たって数年越しの夢が叶ったと大喜びでしたのに、市民ランナーの参加が認められなくなった旨の報道を見て、がっくりと肩を落としていました。でも一旦は落胆はしたものの、ちょうど一週間ほど前に練習中に右の足首を捻挫してしまい、果たして42・195キロを走れるかどうかと悩んでいたので、却って来年に再挑戦できる方が良かったと、話していました。マラソンランナーは前を向いて走るもの。さすがの「前向き」思考に、感心しました。

 

 

 前向き思考の市民ランナーのように、中国工場の生産ラインがストップしている今だからこそ、これまでは安価な中国製品に押され気味だった日本の製品に今、熱い視線が注がれています。新型肺炎が発生する以前には、労働力の安い中国で生産される安価なマスクが主力商品でした。ところが、中国で生産できなくなったために一気にマスクが品薄状態となったのです。政府が量産を推奨していることもあり、今、国内のマスク工場はどこもフル操業中です。そのお陰で、何とか今週末あたりから国産のマスクが出回るようになりそうです。

 

 

 これまで中国製のマスクしか知らなかった人々が、日本製の高品質のマスクをひとたび体験すれば、きっとあらためてメイド・イン・ジャパンの良さを実感することでしょう。昔からビジネスのセオリーとして「ピンチはチャンス」というのがあります。今がまさしくその言葉を実践する時ではないでしょうか。

 

 

 目に見えない微小なウィルスのせいで、令和初の天皇誕生日一般参賀は中止となり、東京マラソンから市民ランナーが締め出されてしまいました。世界的に景気も縮小の兆候が見られます。小さな小さな菌が様々な分野に大きな影響を与えています。でも考えようによっては、そんな小さな菌に振り回されるばかりではなく、「ピンチをチャンス」に変えることが出来れば、国産の製品が見直されて、町工場が潤い、それが内需拡大に繋がるかもしれないのです。安ければいいというものでもありません。この際、多少の値段が高くても高性能、高品位のメイド・イン・ジャパンの良さに目覚めてもいいのではありませんか。

 

 

 日本製を買いましょう。そして今後も使い続けましょう。勤勉な日本人の技に掛ける情熱は、私たち日本人よりもむしろ諸外国の方々が認めるところです。零細企業といわれながらも、そこで働く方の技術力はどこの国にも引けを取りません。そうした「職人技」が今の技術大国・ニッポンを作ったのです。日本人がもっと日本製品を買うようになれば、中国を始め東南アジア諸国に置かれた生産拠点から、日本国内に工場が戻ってくることでしょう。内需拡大のチャンスなのです。