明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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「マスク大量窃盗」で問われる日本人の「モラル」

 マスクの生産現場では、連日連夜、フル稼働して出荷に追われているはずですが、一向にマスクの品薄状態は解消されません。それどころか、数少ないマスクを購入しようと薬局の前には長蛇の列が絶えることはありません。新型コロナウィルスが猛威を奮う中、唯一の”自衛手段”はマスクで鼻と口を覆うことだけです。そのマスクの絶対数が圧倒的に不足しているのです。

 

 

石油ショック」の再来か

 

 

 マスク同様に品薄になっているのは、アルコール消毒液です。ネットで品物を注文しようにも、受け付けてくれません。そして、トイレットペーパー。トイレットペーパーも買い占めにあって、今現在、品薄です。大型スーパーの棚も一巻のトイレットペーパーすらなくすっからかん。トイレの個室にさえもトイレットペーパーの予備はありません。

 

 

 トイレットペーパーが無くなるという状況は、1970年初頭の「石油ショック」を思い起こさせます。当時、石油が輸入できなくなるかもしれないとの噂が流れたために、石油製品であるトイレットペーパーや洗剤、シャンプー類までもが買い占められました。連日、そうした製品の売り場には客同士が我先に商品を奪い合い、殺気立った雰囲気がありました。50年近くも前の騒動ですが、あんな馬鹿げた騒動には懲りたはずだと思っていました。ところが、再びあの当時のような「買い占め」騒動が勃発したのです。

 

 

 デパートやスーパーなどのトイレにわざわざトイレットペーパーを持ち出さないで下さいという注意書きを張らなければならないこと自体、情けない話です。分別ある大人のすることではありません。たとえ、売り場が空っぽになっていても、決して店の備品を無断で持ち出すような真似だけはしないでほしいものです。恥ずかしいことです。

 

 

 デマ情報に踊らされるなと言われれば、はい、その通りですと大概の方は納得されますが、隣の客が目を血走らせてトイレットペーパーを奪い合う様子を目の当たりにすると、つい自分も買い占めに加担してしまいます。

 

 

 ニュースで巨大な倉庫に天井いっぱいの高さに積み重ねられたトイレットペーパーの画像をご覧になった方も多いかと思います。トイレットペーパーの在庫はたっぷりありますよ、不足することはありませんよ、とわざわざ画像付きで報じていたではありませんか。特定の商品を買い占めに走れば、在庫が潤沢にあるものでも、小売店への入荷が間に合わなくなります。買い占めが起きると、途端に品薄になり、本当にトイレットペーパーは不足しているのだと勘違いしてしまうのです。

 

 

 埼玉県では、ついにビル内に保管してあったマスク6400枚が盗まれるという事件が起きました。これだけ大量のマスクを窃盗するのは、転売目的以外には考えられません。実際、ネット上では品不足をいいことに、高額でマスクが取り引きされている模様です。

 マスクはマスクでも「タイガーマスク」こと伊達直人を名乗る匿名の人物から、孤児院などにランドセルが届けられるという出来事が以前、話題になりました。伊達直人は弱い立場の人々の味方ですが、マスク泥棒は違います。マスク不足で困っている人々の弱みに付け込んで、ひと儲けしようという実に悪い奴です。

 

 

 今後、この種の窃盗事件が頻発する可能性もあります。何しろネットにマスクを売り出せば、即売り切れになりますからね。需要と供給のバランスが極端に崩れると、こうした悪い奴に付け入る隙を与えてしまうのです。早くマスクが行き渡るようになってほしいものです。

 

 

「マスク泥棒」を捕まえろ!

 

 

 それにしても、ピンクパンサーのように「世紀の大泥棒」らしく黄金のお宝を盗み出すのではなく、狙うは「マスク」の束というのですから、呆れます。捜査当局がきっとホシをあげてくれるものと信じていますが、それにしても「マスク窃盗犯」を追うというのも何だか冗談のような話ですね。もちろん、少しも笑えないどころか、マスクが欲しい私たちにとっては許しがたい”大泥棒”です。まさに社会の”病原菌”というべきでしょう。

 

 

 少なくとも今月いっぱいは新型ウィルスの蔓延防止のために、私たちは辛抱すべきは辛抱しなければなりません。子供への感染率は低いと考えられていましたが、一度に4名の子供の感染者が出ましたから、まったく油断はできません。いち早く、小中高校を臨時休校にした政府の決断は間違っていませんでした。もしも子供の感染者が増加すれば、瞬く間に学校全体ひいては地域全体へ感染が拡大していきます。パンデミックが起きるか否かの瀬戸際なのです。

 

 

 子供への感染拡大にも注意しなければなりませんが、大人も公共機関のトイレの備品を勝手に持ち出したり、スーパーで商品の奪い合いをしたりと、みっともないことこの上ありません。ネットで異常な高額でマスクを売りに出したり。その上、ついにマスク泥棒まで現れるなんて、情けないにもほどがあります。

 

 

 非常事態の時にこそ、日本人の「モラル」が問われるのです。今、世界中の人々が日本に注目しています。冷静かつ明晰な判断の下で行動し、秩序を乱すことのない日本人の立派な国民性を世界に示そうではありませんか。新型ウィルスの感染拡大を冷静沈着に抑え込むことが出来たら、7月末から開催される東京オリンピックに、安心して外国から選手や観客が来日できるはずです。大相撲やプロ野球のような「無観客試合」にならないように、今は試練の時なのです。新型コロナウィルスに負けないよう、がんばりましょう!