明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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「新型肺炎」に追い打ちを掛ける「黄砂・PM2.5」の恐怖

 政府の要請により、全国の小中高校が臨時休校となりましたが、これまで新型肺炎の感染率は低いとみられていた児童にも続々と感染者が出始めました。いよいよ来週辺りがパンデミックを抑え込めるか否かのデッドラインです。そこにまたまた中国から汚染物質を含む黄砂やPM2.5が飛来する見込みです。まさに新型肺炎の蔓延に追い打ちを掛ける形です。

 

 

泣きっ面に蜂

 

 

 毎年、春の訪れとともに大陸から大量に飛来してくる汚染物質。中国の大気汚染は世界でも最悪レベルにあります。北京や上海などの都市では連日のようにスモッグが発生し、昼なお暗いほど街を覆いつくします。それらの有毒な化学物質を含んだ大気が、この時期に吹く偏西風に乗って、日本列島の上空に飛来するのです。

 大陸からの厄介者が日本列島に舞い降りるこの時期には、ニュース映像でご覧になった方も多いと思いますが、靄がかかったように遠景がぼやけてしまいます。予報によると、黄砂・PM2.5が多くなるのは、来週の始め頃とのことです。私たち日本人にとっては泣きっ面に蜂ですね。

 

 

 それだけではありません。杉やヒノキの花粉も多いこの時期、花粉症の方々は非常につらい思いをされていることでしょう。雨が上がった後に強い風が吹くと、たちまち大量の花粉が飛び散ります。品薄のマスクを何とか購入できた方でも、そんな日に表に出ようものなら、花粉が鼻腔や喉に入り込み、咳き込んだりくしゃみが止まらなくなります。目に入れば、白目が真っ赤に充血し、痒みと涙が止まりません。

 

 

 新型肺炎が蔓延する中、感染を防止するために咳エチケットが大切だと電車や駅の構内アナウンスで繰り返しています。そんな中で、もしも花粉症のせいで電車の中でくしゃみの一つでもしようものなら、もう大変です。この人はきっと新型ウィルスの感染者に違いない、陽性反応が出るはずだと、周囲から見られてしまいます。

 

 

 時差通勤やテレワークが奨励される中、それでも出社せざるを得ない会社員の方は大勢いらっしゃいます。私もその一人ですが、ただでさえマスク不足やトイレットペーパーの買い占めやらでいら立っているのに、「くしゃみ人間」などもってのほかと、怒り心頭です。下手をすれば、不用意にくしゃみや咳のひとつでもしようものなら、袋叩きにあうかもしれません。

 

 

 お怒りはごもっともですが、ちょっとお待ちください。たしかに巷にはどこに感染者がいるかもしれない不安感がありますが、咳やくしゃみをする人がすべて保菌者というわけではありません。重度の花粉症により、症状を抑える薬を服用していても、やむなく咳やくしゃみが出てしまうこともあるのです。

 

 

 会社の同じ部署にひどい花粉症の方がいて、くしゃみが出そうになると、大急ぎで席を立って廊下で「クシャン」「ゲホゲホ」とやっています。傍で見ていても、気の毒になります。発作が起きそうな気配を感じるたびに、席を飛び出すのですから大変です。周りに迷惑を掛けないようにと涙ぐましい努力をしている様子に同情を禁じえません。

 

 

咳・くしゃみへの「過剰反応」

 

 

 新型ウィルスのせいで今やすっかり世相は荒んでしまいました。咳やくしゃみをする人に対して、事情を承知している同僚に対するような「同情心」など期待できそうにありません。電子顕微鏡レベルの極小ウィルスはマスクくらいでは到底防げるものではありません。それでもマスクをしていれば、少なくとも唾液の飛沫が直接、鼻や喉に付着するのを防ぐことは出来ます。しかしそのマスクですら今だに入手困難な状況です。人々はいつ自分も感染するかもしれない恐怖心から、咳やくしゃみに対して非常に過敏になっています。

 

 

 妊娠中の女性のために「マタニティマーク」のバッジがあります。それと同様に、花粉症であることを示す「花粉症バッジ」があるそうです。目の不自由な方が白い杖を持たれるように、人々が感染の危険に晒されて疑心暗鬼となっているこのご時世には、花粉症の方は不用意にも人前でくしゃみや咳をしてしまった際に、このバッジが役に立つかもしれません。

 

 

 とはいえ、「マタニティマーク」に対しては、かえって「マタハラ」の対象にされる恐れもあるそうですから、今の荒んだ世相では、むしろ「花粉症バッジ」で感染をごまかそうとしているのではないかと思わぬ疑いを掛けられるかもしれません”。どれほどの”効果”があるのか、何ともいえませんね。

 

 

 新型コロナウィルスは新種の肺炎ですから、喘息や気管支の弱い方は重症化する危険性が高く、とくに注意が必要です。それに追い打ちを掛けるのが、黄砂・PM2.5です。黄砂には、有毒な化学物質など汚染物質が大量に含まれていますから、当然ながら、呼吸器や肺などに悪影響を及ぼします。普段から呼吸器系の疾患に罹りやすい方は、黄砂が多く飛来する日には、なるべく外出を控えることが望ましく、どうしても外出しなくてはならない時には必ずマスクを着用すべきです。喘息を発症して、重症化すると肺炎になりますから、尚更です。

 

 

 学校が臨時休校になったのですから、不要な外出は避けて、自宅に待機していることを強くお勧めします。空気中に浮遊する花粉や黄砂に含まれる汚染物質、PM2.5を除去してくれる優れた機能を持つ空気清浄機もあります。空気清浄機を常に作動させて、室内だけでも安心、安全な空間を作り出しましょう。来週1週間がどうやら新型ウィルスの流行を抑えられるかどうかの瀬戸際とのことですから、お子さんには、この期間だけは、ゲームをやり放題にしてあげても、外出を控えさせましょう。何しろ、表は新型ウィルスや杉、ヒノキ花粉、それに加えて中国から「黄砂・PM2.5」が襲い掛かってくるのですから、用心しすぎることはないのです。

 それにしても、新型コロナウィルスも黄砂・PM2.5も、中国由来です。日本は地理上、実に厄介な「隣国」と向き合わなければならないのです。