明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「パンデミック宣言」で備えるべきこととは?

 ついにWHO(世界保健機関)は「パンデミック」を宣言しました。もうすでに世界中に新型コロナウィルスの感染者が散らばり、クラスター(集団感染)が各地で起きており、もっと早い時期に宣言してもおかしくはありませんでした。

 中国の武漢から始まった新型肺炎の感染ですが、まず中国の主だった地域に飛び火して、隣国の韓国や日本などのアジア諸国へと拡大していき、とうとう全世界的な流行期に突入したのです。

 

 

 未知のウィルスが蔓延して人類が滅亡するという筋立てのパニック映画は数多くあります。事実は小説より奇なりという諺になぞれば、パンデミックは映画より奇なりといったところでしょうか。『バイオハザード』的な世界観が現実化しつつあるようです。とても冗談など言っている場合ではありません。

 

 

パンデミック宣言」

 

 

 『バイオハザード』では未知のウィルスへの感染をかろうじて免れたごく少数の人類が、モンスターと化した感染者たちと熾烈な戦いを繰り広げます。今回の新型肺炎に感染すると抵抗力の弱い高齢者や持病のある方々は重症化する恐れがあります。十分に”モンスター”級のウィルスなのです。今後、さらに死者数が増加することは避けらない状況です。

 

 

 感染から身を守るには、私たちひとりひとりが自衛するよりほかありません。政府は先ごろ、企業や学校などにはさらなる自粛期間の延長を要請しました。それを受けて、東京ディズニーランドは4月上旬まで休園することになりました。

 

 

 4月からは新年度の授業が始まりますが、このままでは学校の授業を再開する時期が遅れる可能性も出てきました。企業は通勤時間帯をずらす時差通勤やテレワークに切り替えるところも増えましたが、いつまでこの状況が好転するのか先がまったく見通せない状況では、生産性の低下は免れない模様です。

 

 

 人混みに出る際にはマスク着用が必須ですが、そのマスクがいまだに不足しています。マスクさえしていれば、感染が完全に防げるわけではありませんが、直接、咳などで飛んでくる飛沫から口や鼻を守ってくれます。新型肺炎に対する、唯一の”防具”には違いありません。それさえもなかなか手に入らないと言うのでは、一体、どうやって感染から身を守れというのでしょうか。

 

 

 世間では、SNSを通じて様々な「デマ情報」が拡散しています。トイレットペーパーが不足するというのも、まったくの偽情報なわけですが、それでもスーパーや薬局では常に品薄状態が続いています。マスクも手に入らず、手を消毒用アルコールも買えません。トイレットペーパーどころかペーパーナプキンやキッチンペイパーまで売り切れという始末です。

 

 

 デマに惑わされずに、冷静に行動するように政府は呼びかけていますが、ウィルスという目で見ることのできない極小の細菌が相手では、こちらもつい腰が引けてしまいます。藁をもすがる気持ちで、そうしたデマ情報でもつい信じてしまいがちです。たとえメーカーや大型小売店の在庫が潤沢にあっても、人々が先を争うようにして買い占めに走れば、どんな商品でもすぐに品薄になってしまいます。ですから、冷静に行動することが大事なのです。

 

 

 とはいえ、「パンデミック」宣言が出た以上、私たち一般消費者は落ち着いていられないものです。つい焦って、必要でもないものまで買い占めてしまうのです。もう50年近くも昔の出来事ですが、石油ショックの際に、トイレットペーパーや洗剤などが買い占められて、パニック状態に陥ったことがありました。どのご家庭にも、収納しきれないペーパー類が廊下やリビングルームにまでうずたかく積まれていたことを思い出します。あんな馬鹿げた真似はしたくありませんよね。

 

 

 かといって、まったく冷静でもいられません。実際に、あっという間にマスクや消毒用アルコールが姿を消したではありませんか。それだけに、商品が無くならないうちに買いだめしておこう、誰もが考えるのです。冷静な消費行動をとるように言われても、「パンデミック」宣言ですよ。何か手を打とうと思うのは当然です。

 

 

大震災から学んだこと

 

 

 では、これから私たちはどうすればよいのでしょうか。買い占めは慎めとはいうものの、本当に不足してからでは手遅れです。そこで、思い出していただきたいのは、近い将来にかなりの高い確率で起きると言われている「直下型地震」のことです。東日本大震災の時に、すでに私たちは大規模災害後に、日常生活を送る上で何が必要だったのかを学んだはずです。

 

 

 来るべき大地震に備えて電気やガス、水道などのライフラインがストップした時を想定して、各家庭には少なくとも5日分以上の水や食料を備蓄することが推奨されています。非常時に必要となる食料や水や携帯用トイレなどがパックされた防災グッズは数多くあります。防災グッズを購入したからといって、安心しきってはいけません。時々、賞味期限などをチェックして、買い足すことも重要です。

 

 

 防災グッズに加えるとしたら、やはり水です。飲料以外にも使用できるだけの分量を備蓄しておきましょう。それからそのままで食べられるレトルト食品も十分に買い置きしましょう。トイレットペーパーもある程度の分量は必要です。買い占めるのではなく、備蓄用に必要十分な分量を確保しておく必要があります。

 

 

 水や食料はもちろんのこと、それ以外にも日常生活で必要になるものは、すこし多めに買い置きしておくと安心です。持病がある人は普段服用している薬を少し余分に持っていた方がいいでしょう。お医者さんに相談してみてください。

 

 

 急激に感染が拡大していったイタリアでは、街の商店のほとんどがシャッターを下ろし休業してしまいました。食料品すら満足に手に入らない状況だといいます。「パンデミック」により中国からの輸入品だけではなく、いつ食品や日用品などが輸入できなくなるかもしれないのです。食材はその日一日分しか買わないというのではなく、レトルト食品や缶詰などの保存食を日頃から十分な分量を買い置きしておいた方が安心です。それは決して買い占めにはあたりません。普段から非常時に備えての行動です。

 

 

 大災害を経験した私たち日本人ならば、今から少しずつ食料や日用品などの生活必需品を買い置きする等、非常時への備え方を心得ているはずです。パンデミック宣言と聞いて、なかなか冷静ではいられないかもしれませんが、日頃の備えがあれば安心できるのではないでしょうか。

 備えあれば憂いなし。まさにその通りです。