明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「マスク2枚」で一体どうするのですか?

 皮肉好きなイギリス人ならば、エイプリルフールのジョークだと思ったに違いありません。政府の対策本部で、安倍総理は全国のすべての世帯を対象に1つの住所当たり2枚ずつ、布マスクを配布する方針を明らかにしました。

 一世帯当たりではなく、一つの住所に2枚ずつです。夫婦とお子さん一人の世帯でも、舅、姑さんと夫婦の世帯も、一律、2枚しか配布されません。下手をすれば、たった2枚のマスクのせいで家庭不和に発展しかねません。

 

 

たった2枚のマスク

 

 

 総理ご自身はこれから支給予定のマスクを着用して、こう話しました。

 

「布マスクは洗剤で洗うことで、再利用が可能なことから、急激に拡大しているマスク需要に対応するうえで、極めて有効だ」

 

 確かにいまだにどこの薬局やスーパーでもマスクは品切れ状態です。いち早く入荷の情報をつかんだ”買い占め族”が早朝から行列を作り、開店と同時にあっという間に棚は空っぽになります。買い占めが収まらないうちは、いつまでたっても状況は変わらないでしょう。

 

 

 シャープが三重県にある元液晶ディスプレイを生産していた工場で、新たにマスクの生産を開始し、現時点では一日15万枚を生産し、すでに先月末から政府調達向けに先行発売しました。今後最大50万枚生産する目標で、順次、専用の通販サイトを通じて一般への販売を開始することにしています。

 もともと政府の要請を受けてマスクの生産ラインを立ち上げたので、政府調達向けを優先させるのは当然かもしれませんが、私たちだって一日も早くマスクが欲しいのです。

 

 

 シャープ製のマスクは不織布のため、洗濯消毒して再利用するにはあまりむいていません。いわゆる、使い捨てマスクです。今回、各家庭のポストに届く政府からの「贈り物」マスクは布製で、再使用可能な製品です。

 それでもたった2枚では、共働きの夫婦が一枚ずつ一日使用する場合、帰宅後に急いで洗濯して、翌朝に乾いたのをまた着用して…。なんてやってられませんよね。どう考えても、一人に最低2枚は必要です。たった2枚のマスクで一体、どうしろというのですか。まさかこれで感染拡大を防止できると本気で考えているとしたら、どうかしていますよ。

 

 

 総理は再三にわたり、新型肺炎の感染拡大が「重大局面」を迎えていることを強調していますが、ならば、小池都知事が何かの呪文のように「ロックダウン」を口にする前に、もっと早い段階でマスクを支給すべきでした。

 

 

 「密封」「密集」「密接」の三条件が揃う場所へは近づくな。接待を伴うバーやナイトクラブで夜遊びするなといいますが、それよりもまず感染から身を守る唯一の”防御”であるマスクこそ、全国民に行き渡るようにする方が先決事項のはず。一部のお暇な「買い占め族」に独占されて、いつまでたってもマスクが入手できない、今の状況こそまず改善すべきです。

 

 

「常在戦場」

 

 

 いつ「ロックダウン」宣言が出されるかもしれない現在、不安に感じてついトイレットペーパーやレトルト食品などを買いだめしてしまうのは、仕方がありません。かくいう私も平日に一日休みが取れたので、さっそく大型スーパーに生活必需品や食料品を買いに出かけました。そこで目の当たりにしたのは、人々が目の色を変えて、我先に商品棚に殺到して、押し合いへし合いの大騒ぎを繰り広げている光景でした。

 

東急百貨店ネットショッピング

 

 開店時間より少し早めに駐車場に車を停めて、入り口に行くとすでに2、30人ほどの行列が出来ていました。そして開店と同時に店内に走り込み、まずお目当てのマスク売り場へ直行するのです。私たちがその売り場へたどり着く頃には、すでに棚は空っぽになっていました。

 仕方がなく、次に欲しかったパスタやインスタントラーメンなどの乾麺売り場へ向かうと、そこも人だかりが出来ていて近寄ることすら出来ません。少し混雑が緩和してからにしようと、精肉売り場や野菜売り場などで普段の食材を購入し、一旦、荷物を車に運び入れて、再び店内に入ろうとしたら、何と今度はカートが一台もないのです。

 

 

 結局、目当ての商品をほとんど購入できないまま、店を後にするしかありませんでした。駐車スペースから車を出そうとする頃には、長い車列が出来ていました。もしもあと1時間、いや30分遅れていたら、あの車列の一台になっていたことでしょう。そして、ようやく店内に入ったところで、もうほとんどの商品は売り切れているでしょう。

 

 

 平日でこの有様ですから、週末にはどんな状況になるのか想像に難くありません。もはやスーパーは「戦場」と化しています。日本全国のスーパーマーケットという「戦場」では日々、買い物サバイバルが繰り広げられているのです。これぞまさしく常在戦場です。

 

 

 平和ボケの私たち日本人は、今、「コロナ禍」によって”泰平の眠り”から叩き起こされました。新型コロナウィルスという「見えざる敵」との戦いの火蓋が切って落とされたのです。