明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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使い捨て「マスク」なのに高すぎやしませんか?

 ”鳴り物入り”で急遽、マスクの生産を開始した家電メーカーのシャープですが、21日についに一般向けに販売をスタートさせました。

 薬局やスーパーで購入は出来ず、同社のホームページ上で申し込む、ネット販売のみで、さっそく同日の午前10時の受付時間にマスク専門のネットにアクセスしようとしたところ、注文が殺到しているらしく、まったくつながりませんでした。

 これでは、ドラッグストア前に開店前から出来る行列と変わらないではありませんか。いまだにマスク不足は改善されずに、大多数の方々がマスクを欲しがっている証拠です。

 

 

政府からの「贈り物」

 

 

 何かと不評を買っている「アベノマスク」が東京都を皮切りに各戸への郵送が始まりました。サイズが小さくて口を大きく開けると鼻がむき出しになってしまうとか、たった2枚では役に立たないなど、不平不満の声が上がっている模様ですが、何はともあれ、これから順次、他県でも公平に配布されることになります。

 

 

 確かにたった2枚では4人家族の家庭では数が足りません。でも不織布の使い捨てマスクとは違い、何度も洗濯して再利用できる利点があります。まあ、いろいろご不満もございましょうが、政府からの贈り物だと思って有効に活用しようではありませんか。

 

 

 ただし、「贈り物」とはいえ、2枚の布製マスクに掛かった費用は何と466億円なのです。私たちの血税があの小さな布製品に使われたと思えば、有難過ぎて神棚にでも飾っておきたくもなります。いえいえ、それほど高くついたマスクです。使わなければ逆に罰が当たりますぞ。

 

 

 最近、薬局やドラッグストアの入り口には、妙な注意書きが張り出されているのに気が付きました。その文面によると、開店前に行列を作る客にはマスクは売りません、とのこと。毎回、マスクが入荷する日に朝早くから、入り口前に我先に並びたがる一部の”マニア”が開店と同時に買い占めてしまう状況に歯止めを掛けようという店側の”思いやり”なのかもしれません。

 

 

 とはいえ、いつマスクが店頭に並ぶのか不明のために、たまたま入店したタイミングでマスクが商品棚にあれば購入できるということになり、これもある意味、不公平感は否めません。ではどうすれば、皆に公平にマスクを購入できるのか。う~む、なかなかの難題ですね。抽選にするか、予約にするか。いずれもその手間暇を考えれば、店側にとっては割にあわないのでしょう。

 

 

たかが「マスク」に付いた値段

 

 

 ネット販売サイトの大手、アマゾンでは、随分以前からマスクを購入しようにも、品切れや入荷未定ばかりでした。実は私もひと月ほど前にマスクを注文したものの、いまだに商品が届きません。業を煮やしてアマゾンのカスタマーセンターに連絡したところ、只今注文された商品は配送の手続きに入ったところなので、しばしお待ちをと丁重に説明されました。

 それならば待つしかあるまいと今もあのスマイルのイラスト入りの包みが届くのを待ち続けています。一体、いつまで待たせるのでしょうか。マスクが届くころには、新型コロナが終息していたりして…。

 

 

 ところが別の通販サイトでたまたま在庫ありのマスクを発見して、注文したところわずか2日で届いたのです。本来、ネット通販はこれくらいのスピード感は当たり前なのですが、アマゾンの件と比較すると何と迅速なサービスだろうと感動してしまいました。待望のマスクが配達された時に、小躍りしたくなったほどです。

 

 

 でも喜ぶのはまだ早いのです。〇ャパネット風に言うと、こんな感じです。

 

「注文からたった二日間で50枚入りのマスクが2セットですよ。さあ、お値段です。何と今時、たったの7000円。なかなか入手困難な50枚入りが二箱入って、このお値段です。今すぐ、ご注文をお待ちしております。ただし在庫がなくなり次第、締め切りますので、お早めに!」

 

 

 ということで、50枚入りの箱二つで7000円というのは、どうですか。お世辞にも「お得」とは言い難い値段です。ひと箱が3500円ですよ。人気作家の新刊本の上下巻を買うのと同じくらいか、それ以上です。因みに、村上春樹の長編小説『騎士団長殺し』は上下巻とも1800円ですから、この世界的な大作家の長編小説と中国製の使い捨てマスクがほぼ同じ値段です。いくら入手困難とはいえ、あまりにも高すぎやしませんか。

 

 

 実際、「コロナ」以前の中国製マスクの値段は大体、50枚入りで800円ほどだったと記憶しています。つまり以前の値段の4倍強です。資本主義経済においては、価格は需要と供給のバランスにより決まるものですが、それにしても、人の弱みに付け込んだ悪徳商法というのは言い過ぎですが、ボッタクリ価格というほかありません。

 

 

 さて、満を持して21日の午前10時から販売を開始したシャープ製のマスクですが、そのお値段は2980円。おや、中国製のより安いではないかと喜ぶのはまだ早い。これに送料の660円が加算されると、3640円になります。やっぱり高過ぎます!いくら日本の一流メーカー製とはいえ、世界のハルキ・ムラカミの長編小説よりもなお値段が高いのです。たかが使い捨てマスクですよ。まあ、466億円の「アベノマスク」よりははるかに割安感があるにはありますが…。