明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「日本人」は決して「病原菌」ではありません!

 新婚旅行で海外に渡航される予定の方々には、大変に残念なニュースが入ってきました。タヒチフランス領ポリネシア)やパラオなど、南太平洋の島々への入国が認められなくなったのです。南国の楽園への旅の切符さえも無効になるなんて、誰がこれほどの事態を予測できたでしょう。とくにタヒチは世界中の新婚カップルにとっての憧れの島です。一生の思い出に残る新婚旅行が台無しにされた、カップルの方々には本当にお気の毒としか言いようがありません。

 

 

「病原菌」のように

 

 

 花の都と呼ばれるフランスのパリですが、和食レストランの戸口に「コロナウィルスは出ていけ!」などと殴り書きされたというニュースがありました。実際、欧州の人々には、中国人と日本人の見分けがつかず、周囲から冷たい視線を投げかけられるといいます。

 自由の国、アメリカ合衆国でも、同様の様子のようです。知人の息子さんが卒業旅行でニューヨークへ出かけたのですが、行く先々で、周囲の人々がまるで彼らが病原菌であるかのように、離れて行ったそうです。ひどい話です。

 

 

 インド政府がこのほど、日本人の同国への入国ビザを無効にする措置をとりました。今や日本人は「インド人もびっくり!」するほどに、まるで新型コロナウィルスの保菌者と見られているのです。冗談じゃありません。日本人は決して「病原菌」などではないのです。

 

 

 当初、例のダイヤモンド・プリセンス号が横浜港に入港して以来、同船の乗客から多数の感染者が発生したこともあって、日本人の感染者数が中国に次いで2番目に多くなりました。が、その後、韓国で大量の感染者が出て、ついに日本を抜き第二位の感染国に躍り出たのは周知の通りです。さらにイタリヤやイランなどでも急激に感染者数が増えて、日本の患者数を上回るようになりました。

 これでも、まだ日本人を「病原菌」扱いするつもりなのでしょうか。

 

 

 米国政はチャーター機でプリンセス号に乗船していた米国人を本国へ返しましたが、後にチャーター機に感染者が混在していたことを知り、トランプ大統領は激怒したと言います。確かに、入国者を厳重にチェックして、感染者を入国させないことは大事です。重ね重ね、日本政府が同客船の乗客に対してもっと慎重に扱うべきだったと悔やまれます。下船した人々を一定期間、隔離するなどの措置をとっていれば、感染拡大をかなり抑えることも出来たことでしょう。

 

 

 安倍総理が先日、国民へ向けて会見を開き、感染をこれ以上拡大させないためにこの1、2週間が重要であると語り、全国の自治体に小中高校をその間、臨時休校とするよう要請しました。やや遅きに失した感はあるものの、とにかく必要な措置は躊躇なくやるという意思を表明しました。総理の発言内容については今、国会の場で論議の的になっていますが、賛否両論あるものの、ただ手をこまねいているよりもよほどましだと思いませんか。

 

 

 小学校の低学年のお子さんがいる家庭に対しては、休校の期間中に親が仕事を休まざるを得ない場合には、その分の保障もすると言います。さらに不特定多数の集まる屋内の文化、スポーツイベントは中止するよう要請しました。政府の要請を受けて、東京ディズニーランドは休園を決めました。大小の規模を問わず、イベントは原則中止となります。お子さんは出来るだけ人込みに触れないよう外出を避けることが望ましいとのことです。

 

 

武漢」にはならない

 

 

 2週間という長期間にわたるこうした自粛の影響は、たちまち日本経済に悪影響を及ぼすことでしょう。世界同時の株安となり、日本の株式も大幅に下落しました。新型ウィルスの感染予防のためとはいえ、相当に厳しい状況に陥ることは避けられない模様です。あの大相撲が史上初の無観客興行を決めたのです。これは只事ではありません。

 それでも、「必要な措置は躊躇なく行う」として実際にその通りにやっています。これで何とか感染が終息に向かうことを祈るのみです。

 

 

 日本政府は今、必死に感染拡大防止に躍起になっている最中です。むろん、安倍総理が次々と独断専行的に方策を打ち出したことについては、野党を始めとして国民の中にも批判する意見もあります。ようやくあの「失われた20年」から脱却できた矢先に、再びリーマンショックをはるかに凌ぐほどの大打撃が待ち受けていたのです。

 

 

 今年は東京オリンピックの開催年です。今年のオリンピックイヤーに向けて、高速道路など交通網を再整備するなど、多額の投資を行ってきました。もしも、五輪開催日までに新型コロナの感染が止まなければ、今場所の大相撲のように無観客五輪となるかもしれないのです。今が、パンデミックを抑えられるか否かの瀬戸際です。国民が一致団結して、この憎たらしい病原菌に打ち勝とうではありませんか。どうか2週間だけはなるべく人混みを避けるなどして、自粛しましょう。

 

 

 外出する人の数が減れば、当然、外食産業や百貨店などの小売業は減収になります。でも日本が武漢のようになることは何としても避けなくてはなりません。産業界も私たちも、日本人全体で耐えていきましょう。

 決して「日本人」は「病原菌」だなどと言わせません。