明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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男性も「雛祭り」を楽しみましょう!

 3月3日の「雛祭り」に雛人形をお飾りしていますか?雛祭りの由来は不詳のようですが、女の子の成長を祈る特別な日です。結婚して女の子が生まれると、おじいちゃん、おばあちゃんたちは喜び勇んで、雛人形を買ってくれたものです。とくに初孫に女の子が生まれると、もう大変な騒ぎでした。

 

 

 二世代、あるいは三世代同居が当たり前だった時代には、代々伝わる”由緒”あるかどうか知りませんが、ともかく押し入れの奥の方に桐箱に入れてしまい込んでいた雛人形を出してきて、おもむろに飾るのでした。

 

 

「団地っ子」の雛祭り

 

 

 団地世代の私などは雛人形がめずらしくて、とくに親しいわけでもないのにクラスメイトの女の子のお宅にお邪魔しました。というか、その子と親しくなりたくて、2、3人の悪友を引き連れて、三段飾りや五段飾りの立派な雛人形を眺めながら、ちらし寿司やひなあられを頬張りました。その子も自分の雛人形を自慢したくてうずうずしていた様子。こちらも女の子のうちに遊びに行かれる絶好のチャンス到来とばかりに、図々しくも女の子のお宅へ上がり込みました。今思えば、招かざるお邪魔虫だったに違いありません。

 

 

 私の家庭では、妹のためにわざわざ雛人形を買いそろえることはありませんでした。でもきっと妹は口には出さなかったけれども、お友達のお宅に立派な雛人形が飾られているのを見て、自分も欲しいなと思っていたのかもしれません。多分。今度、会った時にそのことを聞いてみましょう。

 

 

 私事で恐縮ですが、妻は団地暮らしなのにちゃんと雛人形を持っていました。しかも結婚した時に、嫁入り道具のひとつに桐箱に入ったお雛様を何体も持参しました。今もどこかに隠してあるはずです。いえ、別に隠しているわけではないのでしょうけれども、一度も拝見したことがないのです。ちょっとどんなものなのか、好奇心がそそられます。

 

 

 妻はなぜかお人形を大切に桐箱の中に収めたまま、決して表に出そうとはしないのです。聞けば、ちょっとした値打ちものらしいのですが、だからといって、まさか質草にするようなことはしませんから、一度くらい、見せてくれてもいいのにね。何か、特別な思い入れでもあるのかもしれません。気になりますね。

 

 

 雛祭りは女の子のお祝い事だから、男性である私などには関係ないというのが理由でしょう。箱の中に丁寧にしまい込まれたお雛様を取り出すのが面倒なだけかもしれません。でも、とにかく見せたがらないのです。

 

 

お人形さん好きの男の子

 

 

 日本は年々晩婚化が進み、それに伴い出生率も低下しています。すでに人口は減少傾向にあるのです。これは国家の存亡に関わる一大事です。結婚しても子供は一人だけという世帯が多くなりました。男女比では女性の方が多いと言います。つまり、端午の節句よりも雛祭りを祝うご家庭が多いはずなのですが、どうでしょうか。昨今の住宅事情を考えると、何段飾りの雛人形にはなかなか手が出ません。

 

 

 このままでは雛人形は博物館か民俗歴史館でしか見られなくなるのかというと、どうやらそうではなさそうです。最近、大人の女性が自分のために雛人形を購入されるケースが増えています。中には娘さんのためにひと揃い購入したついでに、ご自分用にも御内裏様とお雛様を買われていく方もいらっしゃいます。西洋人形やテディベアをコレクションされる方も大勢いらっしゃいますが、同様に雛人形もコレクションに加えるのです。

 

 

 雛人形は宮中の衣装を身に付けていて、なかなか雅な趣があります。リカちゃん人形のように雛人形を手にもって遊ぶ方はあまりいないと思います。何となく恐れ多い気がして、手で触れてはいけないような雰囲気を持っています。お内裏様とお雛様のお顔をよく見ると、とても端正な顔立ちをしていて、いかにも高貴な身分の方々という感じです。やはり手に取って遊ぶのはリカちゃんくらいに留めておいた方が良さそうですね。

 

 

 ところで、雛人形は女の子のものですが、実は男の子もお人形さんやぬいぐるみが大好きなのです。ジェンダーにより、何となくそうしたものは女の子用という固定観念があるため、大っぴらにぬいぐるみやお人形遊びをする男の子はあまりいません。

 

 

 とはいえ、昨今のユニセックス化で、男の子らしさ、女の子らしさの区別はなくなりつつあります。フィギュアスケートのゆず君こと羽生結弦くまのプーさんが大好きです。演技の後には、観客席からたくさんのぬいぐるみがリンクに投げ入れられます。いくらブーさん好きでも毎度、ああではさすがに飽きてきたのではないでしょうか。これ以上、ぬいぐるみを投げ入れないでとのメッセージを発したほどです。

 

 

 幼い頃、男の子は女の子と一緒にお人形遊びをしたことが一度や二度はあるはずです。でもいつしかジェンダーに目覚めて、そうした遊びよりも野球やサッカーをしたり、プロレスごっこをして遊ぶようになるのです。

 

 

 本当は男の子も雛人形のようなお人形が欲しかったのです。でも端午の節句には、武将の兜を飾るだけです。私の少年時代に流行したG.I.ジョーは、戦闘服を着た勇敢な兵士でした。よく友達のお宅で、G.I.ジョーで遊んだものです。

 

 

 大人のマニアまでいるフィギュアも一種のお人形さんには違いありません。子供から大人まで夢中にさせる様々なフィギュアが今も高い人気を誇っていることを考えると、男の子がいかにお人形遊びが好きなのか、わかりますね。

 

 

 本当はお人形さんが大好きなはずの男の子、とくに大人の男性に、雛祭りの日には桐箱からお内裏さまとお雛様を取り出し、ひな壇に飾り付けて、よ~く見せてあげてください。お雛様をじっと見つめる男性の瞳はきっと輝いているはずです。こんなご時世だからこそ、3月3日の雛祭りには男性も一緒に大いに楽しみましょう!

 雛祭りには、甘い和風スイーツが合います。黒蜜が絶品の「くず餅」は如何ですか?もちろん上等な日本酒と共に。