明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「経済的損失」よりも「生命」がずっと大切です!

 安倍総理参院予算委員会で、新型肺炎について「歴史的緊急事態」に指定する考えを述べましたが、新型インフルエンザ対策特別措置法改正で可能となる「緊急事態宣言」に関しては、「国民の私権を制約する可能性もあるわけで、どのような影響を及ぼすか十分に考慮しながら判断したい」と述べ、慎重な姿勢を示しました。

 

 

問われる「危機管理」

 

 

 新型肺炎が全世界的な感染拡大へ向かう中、国内の拡大防止のためには、もはやいかなる選択肢をも採らざるを得ない事態にあることは言うまでもありません。この期に及んでも”悠長”な答弁を繰り返すようでは、あまりにも危機意識が低いと言わざるを得ません。

 

 

 中国の武漢で最初に新型コロナウィルスの存在が確認されて以来、瞬く間に感染者が世界中に飛び火していきました。遅きに失した感はあるにせよ、総理は小中高校の臨時休校を各自治体に要請し、企業に対しても時差通勤やテレワークを推奨するよう求めたことはご承知のとおりです。

 

 

 さらにこれもまったく遅すぎる対応ですが、感染者数の多い中韓からの入国者に対して14日間の待機を要請し、事実上の入国制限に踏み切りました。中韓の患者数が突出する中、この措置はしごく当然のことですが、またもや韓国だけがなぜか「日本の措置に対抗手段を講じる」と反発。今や国別の感染者数では世界2位の韓国に対しては、およそ100ヵ国が同様の措置をとっているのに、日本だけに「対抗手段」を採ろうと言うのです。中国政府は冷静な反応を示しているのに比べて、この隣国はどうにも理解に苦しみますね。

 

 

 感染を避けるには、なるべく人混みに出ないことが有効です。専門家によると、換気の悪い空間に不特定多数の人々が集まることが、最も感染の危険が高いとのこと。先日、食材を買い出しにスーパーへ出かけた際に、レジ付近が妙に温度が低いのを不思議に思って、ふとガラス張りの入り口を見上げると、換気のために天窓が全開になっていました。スーパーなどはまさしく不特定多数の人が集まる場所ですから、店内の窓を開け話して、新鮮な空気と入れ替えるようにしていたわけです。

 

 

 電車でも窓を開けたり、空調から外気を取り入れるようにしています。タクシーも運転手のマスク着用は当然として、窓を三分の一ほど開けた状態でした。暖房で快適な室温を保つことよりも、今は換気の方を重視します。寒がりな人は厚手のコートやマフラーを着用すれば済みます。今は多少寒くても我慢しましょう。

 

 

経済的損失より大事なこと

 

 

 寒いのは、日本経済そのものです。世界最大の市場である中国の経済が今回の新型肺炎の影響により停滞すると、同時に世界経済もマイナスになります。当然、日本経済も影響を受けます。専門家による試算によれば、中国経済が1%低下すると、日本経済はマイナス0.87%低下するそうです。この資産を昨年の日本のGDP、554.5兆円に掛け合わせると、6.1兆円の減少になります。

 

 

 しかしそれだけでは済みそうにありません。外国人観光客の減少が追い打ちを掛けます。とくに中国人の訪日者数がここ10年間のうちで最も減少した2003年と同等として試算すると、中国人インバウンド消費額は1.2兆円の減少となるとのことです。これは只事ではありません。

 

 

 ご飯のお供、ふりかけが大人気です。大手食品会社では、ふりかけの売り上げがふた桁台の伸びを示していると言います。新型肺炎が蔓延するとなぜふりかけがバカ売れするのでしょうか。

 風が吹くと桶屋が儲かる式の話になりますが、学校が臨時休校になったために自宅で子供たちも朝昼晩の三食をとることになりました。共働きの世帯では、お子さんが小さいご家庭では子供の世話をするために有休をとることを推奨されています。

 小学校の中高学年以上のお子さんは自分で簡単に食べられるレトルト食品を買い置きしていれば、それらを電子レンジなどで調理して食べられます。ご飯のおかずとしてお子さんに人気が高いのはふりかけです。ふりかけさえあれば、少なくともレトルトのご飯をレンジで温めて一膳分くらいは済ませることが出来ます。それで、手軽なおかずとして子供が好きなふりかけが売れるというわけです。

 

 

 ふりかけが売れて喜んでいるのは、食品メーカーくらいでしょう。外食産業や小売り業は大幅に売り上げ減となり、深刻さを増すばかりです。消費活動そのものが低迷し、モノが売れなくなる。すると生産者側も商品を減産しなくてはならなくなります。こうした「負のスパイラル」が再燃しそうな勢いなのです。バブル崩壊リーマンショックを経て、ようやく好景気感が出始めた矢先に、今回の新型肺炎はまさに悪夢です。

 

 

 しかし経済的損失が甚大となることは確実な状況とはいえ、東日本大震災の時の経済損失と単純に数字を比較するのは、如何なものでしょうか。今後、新型肺炎の流行が長引けば長引くほど、日本経済のマイナス幅は大きくなるでしょう。それはわかります。でも比較の対象として、東日本大震災を引き合いに出すことには、違和感があります。

 

 

 3月11日のことを私たちは決して忘れてはなりません。2016年2月のデータによれば、一連の余震も含め、15,894人もの尊い生命が失われたのです。むろん、大震災による経済的な損失は甚大でしたが、単純に経済的なマイナスだけで「東日本大震災」について語るべきではないと思うのです。経済よりも人の命の方が比べ物にならないくらいに大切なことは、言うまでもありません。

 

 

 新型肺炎のニュースばかりの昨今ですが、「3.11」で日本人が直面した不幸な出来事を今一度、思い出してください。そして、震災で打ちひしがれた日本人が、「絆」を大切に今日まで生きてきたことを。