明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「自粛解除」の週末は自宅で大人しく過ごすのが賢明です!

 自粛解除の段階が加速しています。19日には、県外への移動が解除となり、さっそく新幹線で各地へ向かう人々が目立ちました。久しぶりに県外からの観光客を迎え入れる側も、無料で特産品入りの土産袋を渡したりと、熱烈な歓迎ぶりです。

 これまで不要不急の外出自粛を要請されていたために、観光業やそれに付随する業種は売り上げが激減したことはご承知の通りです。政府はそうした業種に向けた経済対策を講じましたが、それだけでは不十分です。

 全国の観光産業を再生させるためには、まずは国内の観光客や宿泊者数を増やすことから始めるよりほかありません。本来ならば、「クールジャパン」に憧れて訪日する外国人観光客が元通りに増えることが最も効果的なのですが、コロナの世界的蔓延が深刻な状況にあるため、まだだいぶ先のことになりそうです。

 

 

「移動解禁」のリスク

 

 

 「日本モデル」が本当に成功を納めたのかどうかはまだ何とも言えませんが、社会経済活動を再開することを第一義とするため、自粛解除だけは前のめり気味に進んでいます。しかし、20日の東京都の新たな感染者数は39人と依然として高止まり状態が続いています。20代、30代の若年層の感染が8割強を占めるというのも、由々しき事態です。東京都が「東京アラート」という名ばかりの警告を出した後、すぐに解除したのは実に不可解としかいいようがありません。

 

 

 県外への移動も許容れるようになった今、ますます感染状況は悪化へと向かうであろうことは、火を見るよりも明らかです。安倍総理が語ったように、濃厚接触の有無を知らせる専用のアプリが近々、利用可能になりますが、スマホの操作に慣れた方ならいざ知れず、お子さんやお年寄りまでの幅広い層に果たして浸透するものか、甚だ疑問です。そのアプリを通じて、個人情報を収集することはないとはいうものの、政府お墨付きのアプリなど、何とも管理社会が連想されて、抵抗感があるのではないでしょうか。

 

 

 自粛解除の「ステップ3」となり、遊園地や図書館、映画館などの遊興施設が営業を再開しました。むろん、三密を避けることが大前提ですが、少しずつそうした施設への客足は戻りつつあるようです。さらに、県外への移動も解禁されて、これまで旅行や帰省などを控えてきた人々が新幹線や飛行機を利用して、各地へと移動を始めました。ようやく気兼ねなく遠出が出来るようになったことは、大いに歓迎すべきでしょうが、それによって感染拡大リスクが高まることを考え合せると、手放しで喜ぶわけにもいきません。

 

 

 正直に申し上げて、政府や自治体(とくに東京都)の方針を鵜呑みにすることにはやや抵抗があります。都知事選に突入する東京都、方や政権末期の様相を呈する安倍内閣。ロードマップやら「ステップ3」など華々しさこそあれ、その実は、感染者数が一向に収束を見ないままに「自粛解除」に猛進する点は、両者に共通する部分です。第二次補正予算まで成立させたのだから、後はさっさと「経済再生」を急ごうという思惑が透けて見えます。

 

 

「石橋を叩いて渡る」こと

 

大正製薬のDHA・EPA

 

 石橋を叩いて渡るの諺ではありませんが、未知のウィルスの脅威に晒されている今、もっとも重要なのは、国民の健康と命を守ることのはずです。果たして、今のような加速度的な自粛解除策は、石橋を叩いたといえるでしょうか。

 

 

 我が身の安全は自分たちで守ると言うのが、世界標準の考え方です。よくたとえに引かれるのは、イタリア人の考え方です。イタリア人ははなから政府など信用しないので、常に自衛を怠りません。税金を支払うくらいなら、タンス預金でもした方がましだと考える人が多いそうです。そのため、失礼ながらイタリア経済は二流ですが、表に出ない裏経済がかなり潤沢にあると言われています。

 

 

 イタリア人的な考え方が正しいのかどうかはさておいて、日本人にはイタリア人のような考え方は少数派でしょう。多くの日本人は、江戸時代以前より「お上」のいいなりになって、少しも疑問を感じません。そうした国民性が、律儀で規律をきちんと守るという私たちの美徳となりました。ただし、「お上」の言うことが信頼するに足るのか否かは、常に考えなければなりません。ただ妄信していいなりになることで、過去に大きなお過ちを犯した歴史を忘れてはいけません。

 

 

 新型コロナウィルスは未知の細菌ゆえに、今後、何が起こり得るのかさえ定かではありません。政府にしても、都知事にしても、手探りで方針を決めざるを得ないのです。だとしたら、私たちももっとおっかなびっくりしながら、このウィルスと戦うべきです。専門家会議の提案や政府の政策だけが、必ずしも正解だとは言い切れないのです。あとは、私たち一人ひとりが「自衛」するほかありません。極端な言い方になりますが、誰も100%の信用は出来ません。やはり、自分の身の安全は自分で守るしかないのです。

 

 

 政府が次々と自粛を解除していく中にあって、私たちはもっと新型コロナウィルスを怖がってもいいのです。もっと慎重にすべきなのです。県外への移動が解禁となった今週、さあもう自由に動けると浮かれてしまう前に、今一度、我が身とご家族の安全を考えて下さい。今週末は、大人しく過ごすのが「吉」と見ましたが、皆さんはどうでしょうか。