明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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それでも自粛要請を全面解除するのですか?

 東京都では、18日、新型コロナウイルスの新たな感染者が41人確認されました。1日の感染者数が40人を超えたのは15日の48人以来、3日ぶりです。

 専門家によると、現在の感染者数は2週間ほど前の感染状況を反映したものとのこと。つまり、今月初旬に感染したことになります。この時期は「東京アラート」が解除されるちょうど1週間前にあたります。

 19日にはついに全面的な自粛解除となります。ところが、東京都の新たな感染者数は高い水準で推移しており、このまま自粛解除に突き進めば、間違いなくさらに感染者数が急増することでしょう。社会経済活動を早期に再開するためには、国民の健康と命を犠牲にすることも辞さないつもりなのでしょうか。

 

 

「全面解除」の危険性

 

 

 そもそも東京都が「東京アラート」を発出しても、何ら具体的な感染防止策が講ぜられることはありませんでした。レインボーブリッジのイルミネーションが赤色の変わっただけです。感染者数に増加傾向が表れているのに、「東京アラート」を解除したのもまったく理解に苦しみます。

 

 

 その上、19日からは県外への移動も容認するというのです。18日の東京都の新たな感染者数は前述したように41名ですから、県外への移動、即ち人と人との接触する機会が飛躍的に増えれば、さらなる感染者が生まれるに違いありません。

 

 

 新型コロナウィルスの厄介な点は、一度、収まったかに見えて、感染拡大の第二波、第三波が必ず到来することです。それがわかっているのに、何故、さらに自粛緩和を推し進めるのでしょうか。専門家会議が提案した「新しい生活様式」を実践すれば、大丈夫だと本気で考えているとしたら、甘すぎます。日常生活を根本から変えろと言われても、そう簡単に出来るはずがないからです。

 

 

 毎日、通勤電車に乗って出社して、部署ごとに机を付けて何でも話し合い、終業時間後には仕事仲間と居酒屋でちょっと一杯やりながら、ワイワイと過ごす。休日には、友人、知人と会い、一緒に旅行したり、ショッピングを楽しんだり。休日が待ち遠しいカップルは、週末のオフタイムには寸暇を惜しんでデートを楽しむ。このような当たり前の日常をすべて見直せと言われても、それは無理な話です。

 

 

 三密を回避せよと言いますが、旅行でもちょっとした外出でも、公共交通手段をまったく使わないわけにはいきません。これから待つ本番を迎えれば、海に山にレジャーを楽しむ人々がどうしても集中してしまい、密集、密接は避けようもありません。そもそも海外でも国内でも遠距離の移動には、飛行機を利用するのが普通ですが、飛行機の客室内こそ「三密」そのものの空間です。

 

 

「三密」を回避する究極の手段

 

 

 県をまたいでの移動も可能ということは、「三密」を招く事態になりかねません。社会経済活動を再開するためには、移動の制限を解除して、観光地に客が戻るようにすることが必要だということは理解できます。しかし、「新しい生活様式」を守ることとの両立は極めて難しいと言わざるを得ません。新生活に則るには、結局、たった一人で散歩したり、食事したり、ネット動画を見たりするしかありません。これでは、当然ながら、社会経済活動にはなり得ません。感染を防ぎながら、経済活動を元に戻すのは、まさに至難の業なのです。

 

 

 厚生労働省が先日公表した、日本人の抗体保有率(陽性率)は最も感染者数が多い東京都でわずかに0.1%でした。ほとんどの人は「抗体」がないのですから、自粛が緩和されるにしたがって、新たに感染する人の数は増加するはずです。つまり、第二波、第三波はもうすぐやってくるのです。緩和の段階が進めば進むほど、次の感染の波は早く到達することになります。

 

 

 日本のように国土の狭い国に住んでいる以上は、外出すれば必ず人と接触せざるを得ません。たった一人で、誰とも接することなく、旅行も食事もショッピングも絶対に出来ません。唯一の考えられる方法は、自宅に籠ったまま過ごすことです。ショッピングのために外出はせずにネットで済ませます。友人との飲み会も、すでに「オンライン飲み会」があります。美味しいものが食べたくなったら、宅配サービスを利用します。カラオケも自宅で歌いまくる姿をオンラインで友人たちとつなぎます。旅行も飛行機や新幹線は使わずに、ネット画像でバーチャル体験する。これならば、「新しい生活様式」を準州することは出来るでしょう。でも、これで果たして本当に満足出来るか否かが問題ですね。

 

 

 ライブハウスも制限付きながら徐々に再開しつつあるようです。コンサートもやがて再開することでしょう。でもそういうライブ会場では、必ず「三密」になってしまいます。大声で盛り上がるのではなく、マスクを着用して、なるべく声を出さないようにしてライブを楽しむことは出来るでしょうか。ソーシャル・ディスタンスを取るために、まばらな客席で、ステージ上のアーティストも唾や飛沫が客席に飛ばないように、客席との間をアクリル板で仕切ってパフォーマンスを披露する。そうしたライブをアクリル板越しにマスクを着用した観客が感染もなく、静かに見守る。う~む、これではあまりにも寂しすぎますね。

 

 

 1960年代後半から70年台前半にかけて活動したアメリカのロックバンド、「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」(CCR)のリーダーだった、ジョン・フォガティが最近、気心の知れた仲間でかつてのヒットナンバーを演奏する動画を公開しました。ネットがなかった時代には、こうした映像を鑑賞する機会は持てなかったでしょう。代表曲を何曲も披露していて、とてもエキサイティング出来ます。「コロナ時代」には、こうしたネット動画でライブを楽しむのが主流になるかもしれません。

 

 

 あのウッドストックやマジソン・スクェア・ガーデンなどの野外や反野外の大規模な会場はもはや必要がなくなることでしょう。ライブを楽しみたい人は、有料、無料の動画配信で”個人的”に盛り上がりましょう。ストーンズの昔のライブ映像をDVDや有料配信で楽しむのもそれほど悪くはありませんよ。DVDもCDもレコードも皆、ある意味でヴァーチャル体験には違いありません。でもやっぱり、大きな会場で爆音とともにライブを楽しめた時代が懐かしい…。