明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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「東京オリンピック」までに「ワクチン」開発は間に合うのでしょうか?

 たとえ今度の総裁選が「出来レース」であれ、菅義偉氏が首相に任命された暁には、「新型コロナ」対策を最優先に考えた政策が打ち出されなければなりません。そして新総理大臣には、是が非でも「東京オリンピック」開催を実現させる使命があるのです。

 

 

フランスの二の舞にならない

 

 

 未知のウィルスであるが故に新型コロナは実に厄介な性質を備えています。典型的なケースはフランスの例です。同国では4日、一日の新規感染者数が8975人に上ったことが報じられました。これまで最多だった3月31日の新規感染者7578人を遥かに上回る数字です。まさに「感染第二波」の真っ只中です。

 

 

 フランスでは、この1週間で約102万件ものPCR検査が行われましたが、検査数の増加以上に新規感染者数が急増しており、とくに若い年齢層にその傾向が顕著とのことです。日本でもフランスの感染状況と似た傾向が見られます。

 

 

 フランスに限らず欧州諸国では、夏に長期休養を取ってバカンスを楽しむ人々が多く、今回の「感染第二波」はバカンス中の気の緩みが原因の一つかもしれません。「新型ウィルス」に対しては、わずかな油断も許されません。

 

 

 リゾート地の街中やビーチなどでは、つい感染予防対策も疎かになりがちです。実際に、ニュース映像に移された欧州のビーチでは、マスクを着用している人は少数派で、結構な「密」状態の中で存分にバカンスを楽しんでいる様子でした。ちょっとくらい大丈夫だろうという油断が、感染の第二波を呼び込んだに違いありません。

 

 

 翻って日本では、この夏はどうだったのでしょうか。いまだ感染拡大が収まらない東京都では、特にこの夏を「特別な夏」というキャッチフレーズのもとで、安易に郷里の帰省して地方にコロナを拡散させないように強く呼びかけました。ステイホームの夏休みを提唱して、国の「Go Toトラベル」キャンペーンとは真逆の方針を示しました。

 

 

 むろんそれくらいでは、「コロナ禍」は収束には至らないのはご承知のとおりですが、それでも9月に入ってからはひところのように、一日の新規感染者数が400人を超える事態にはならず、ここ数日間は200人を下回るようになりました。政府の分科会も、感染第二波のピークは過ぎたとの見解を示しました。規律を守る日本人の律儀さが効を奏したと思われます。

 

 

 このまま感染第二波が過ぎ、収束に向かうのならば、大いに結構なことですが、それほど”甘くない”というのは、専門家の一致した意見のようです。第二波が過ぎても、次に第三波が到来しないとも限らないからです。むしろ、第三波があると考えた方がいいのかもしれません。何しろ未知のウィルスです。今後、どのような経過をたどるのか、正確なところは専門家でさえも予測できないのです。

 

 

 教訓とすべきは、今回のフランスの感染状況に見られるように、決して感染防止の手綱を緩めてはならないということです。もう耳にタコが出来てしまった感のある「三密」を避けることや「新しい生活様式」の実践こそが肝要なのです。

 

 

ワクチンの開発は?

 

 

 「コロナ時代」の前に当たり前のように過ごしていた日常に戻りたいと思わない人は一人もいません。米国やロシア、中国、そしてもちろん日本も、憎き「新型コロナウィルス」をやっつける特効薬やワクチンの開発に躍起になっています。ロシアでは、十分な臨床試験の結果を待たず”勇み足"気味にワクチンの投与を始めました。その是非の判断はともかく、一刻も早くワクチンの開発を成功させたいとの思いからでしょう。

 

 

 誰もが新型コロナウィルスに効果のあるワクチンを待ち望んでいます。WHOが明らかにしたところによれば、現在、30を超えるワクチンが臨床試験の段階にあって、そのうち9つが開発の最終段階である「第三段階」に進んでいるそうです。

 人類の叡智を以てすれば、この厄介な新型ウィルスに効果のある「新型ワクチン」を完成させることが出来るのです。実に心強い話ではありませんか。ただし、今すぐにというのではなく、早くても来年の半ば以降になりそうな見込みだといいます。「それ、早く言ってよぉ!」。

 

 

 開発が順調に進み、ワクチンが完成しても、それから製薬会社が必要な人数分を供給できるようになるまでには、最短でも1年以上は掛かる見通しです。でもそれでは、遅すぎるのではないか。私たちが待ち望んでいる、来年の夏まで延期された東京オリンピックはどうなるのでしょうか。日本政府が総力を挙げて、ワクチンの生産体制を整えたとしても、世界各国から選手団や応援のために訪日する人々の分まで、ワクチンが果たして行き渡るでしょうか。

 

 

 訪日する外国人全員にPCR検査を求めても、それぞれのお国柄や経済力、医療技術には格差があります。ワクチンの接種にしても、訪日するすべての外国人にワクチンが行き渡るとは限らないのです。ワクチンの開発時期や供給体制がすべて整う前に、東京オリンピックを開催せざるを得ないのです。さらにもう1年間の開催延期が認められたらと思わずにはいられません。

 

 

 菅義偉氏が総裁選挙の結果、圧勝して日本の新たなリーダーとなったとしても、晴れて2021年の東京オリンピックの開催日を迎えられるかどうかは極めて微妙な情勢と言わざるを得ません。菅氏はなかなかの「剛腕」との評判があるそうですから、何が何でも、IOCを口説き落として、さらに開催の再延長をも認めさせていただきたいものです。