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スーツにマスク姿で「立皇嗣の礼」の秋篠宮様を見送られた「悠仁様」

 「新型コロナ」の感染拡大により7か月延期された「立皇嗣の礼」が8日、皇居・宮殿で執り行われました。「立皇嗣の礼」とは、秋篠宮殿下が皇位継承の第一位となられたことを国内外に示す行事で、その中心を成す儀式、「立皇嗣宣明の儀」に臨まれたのです。

 お住まいの赤坂の御所から出発なさる秋篠宮ご夫妻は、正装にマスクを着用されていました。そしてお見送りされる悠仁様も濃紺のスーツにマスク姿でした。

 

 

 皇室にとって大切な行事を延期せざるを得なかったのは、他でもない「コロナ禍」の影響でした。それだけに、両殿下が正装には向かないはずのマスクを着用されていたのは、さすがでした。お見送りされる悠仁様までもがマスク姿だったことは、賞賛されるべきです。

 

 

正装に「マスク」の意味

 

 

 日本の象徴である天皇皇后両陛下は「日本人家庭の鑑」でもあります。皇嗣となられた秋篠宮ご夫妻も同様。将来、天皇となられる悠仁様のマスク姿は実にご立派でした。戦後最悪の国難である「コロナ禍」の第二、三波に対抗しなければならない、すべての日本国民に向けて、コロナに負けるな!というメッセージだったのではないでしょうか。

 

 

 菅内閣が発足して早ひと月半になりますが、総理が最重要課題として挙げたのは、まさに「新型コロナ対策」でした。総理は自らの政治理念として「自助・共助・公助」を掲げました。これを「新型コロナ」対策に当てはめると、たとえば自助とは、三密を避け正しくマスクを着用し、手洗い・うがいを欠かさないということでしょう。

 感染防止対策としてマスク着用だけでは万全ではないとしても、これから冬本番を迎える季節の中、例年に比べインフルエンザの罹患率が大幅に減少したのは事実です。やはりマスク着用は新型コロナを含む感染症の予防に有効であることには相違ありません。

 

 

 共助とは、共に「コロナ禍」に立ち向かおうということ。日本人が一丸となって感染防止に取り組み、この難敵を遠ざけることです。幸いにも、今現在の日本の感染者数は欧州諸国と比べて格段に少ない。ただし、これまで東南アジア諸国では比較的、感染状況が低く抑えられていましたが、すでに「第二・第三波」がひたひたと打ち寄せつつあります。

 

 

 厚労省の発表する全国の感染者数の推移を見れば、「新型コロナ」の流行は未だに収束しないばかりか、東京都を始め北海道や神奈川県など、局地的に感染者数が増加する傾向にあります。もともと医療体制が漸弱な地方においては、新規感染者数が急増することで、医療崩壊が起きる危険性は高まる一方です。

 実際、北海道屈指の繁華街の一つの札幌市のすすきのでは、以前に東京都・歌舞伎町の繁華街で起きたクラスターと同様に、いわゆる「接待を伴う飲食店やバー」でクラスターが多発しています。

 

 

 都内の直近7日間でみると、一日の新規感染者数が100台の後半で推移しており、微増の傾向が見られます。7日には全国の患者数が1302人確認され、3日連続して1000人超えを記録しました。因みに、1300人を超えたのは8月以来です。気温の低下と乾燥した空気に晒されるこれからの季節には、さらに感染状況の悪化は避けられそうにありません。

 

 

不織布一枚の戦い

 

 

 大陸間弾道ミサイルのように巨大兵器よりも、顕微鏡でしか確認することが出来ないほど微小な新型コロナウィルスが今や全世界に脅威を与えているのです。しかもこの細菌は日々、変異し続けるため、ワクチンの開発に各国が血眼になっているのをあざ笑うが如く、たとえワクチンの早期開発に成功しても、すぐにその効力は失われてしまうかもしれないのです。

 

 

 「世界終末時計」の針を進めるのは核兵器ではなく、この微小なる細菌かもしれません。それほどの「強敵」に対し、私たちは薄っぺらい不織布マスク一枚で戦わなければならないのです。圧倒的は兵力を有する連合軍を相手に素手と竹槍で立ち向かうようなもの。ある意味、健気ではありませんか。

 

 

 圧倒的に”不利”な戦であろうとも、私たちはこの難敵と対峙するよりほかありません。神の作り給うた大自然が時折見せる狂暴性、地震津波などの大災害に、人類は有史以前から何度も見舞われてきました。でもその都度、歯を食いしばり立ち上がり、耐え忍んで生き延びてきたのです。

 

 

 どんなに微力でも粗末な武器を手に巨大な敵に立ち向かってきたのです。いや、今回の敵は「COVID-19」ですから、極小ながらも未知の強敵というべきでしょう。恐るべき目に見えぬ敵を前にして、不織布一枚で戦おうというご意思を天皇皇后両陛下、そして皇嗣となられた秋篠宮殿下と悠仁様はお示しになられたのです。

 

 

 超大国アメリカ合衆国では大統領選の結果、民主党ジョー・バイデン氏が第46代大統領に選ばれました。(現時点では、当確ということですが)。現職のトランプ大統領が敗退した要因の一つには、やはり人類共通の敵である「新型コロナウィルス」を軽視した上、自らも感染したという失態が挙げられましょう。トランプ氏は「コロナなど怖くないから、自分はマスクはしない」と放言して憚りませんでした。

 

 

 アメリカは言うまでもなく、世界有数の軍事大国です。当然、核弾頭の保有数も1、2位を争うほどです。でもそんな軍事大国・アメリカのリーダーたるドナルド・トランプ大統領ご自身が「新型コロナ」という小さな小さな"敵”にあっさりとやられてしまったのです。

 

 

 「立皇嗣の礼」に向かわれる秋篠宮様を健気にもマスク姿でお見送りされた悠仁様。実にご立派に「日本人の鑑」としてあるべき姿をお見せになられたものです。トランプ氏も見習うべきだったのかもしれません。