明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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雨降りの「即位正殿の儀」と雅子皇后陛下の笑顔

  即位正殿の儀が厳かに執り行われ、令和という新しい時代の幕開けとなりました。東京は朝から雨模様の天気。お住まいの赤坂御所からお車で儀式に臨まれるために出発した雅子様は、雨降りにもかかわらず窓を全開にされて、周囲の人々に笑顔でお手を振られました。テレビカメラの前を一瞬で通り過ぎる車中の雅子様の笑顔には、どこか貫禄すら感じられました。ご表情を拝見する限り、ひと頃心配されていた適応障害の症状も快癒されたように思えました。これからのご公務には皇太子妃時代とは比べ物にならないほど、重責が伴います。雨の降りしきる中で笑顔を向けられた雅子様を拝見して、少しほっとした気持ちになった方も多かったのではないでしょうか。

 

 

適応障害からご快復は

 

 

 ご承知のように、雅子様適応障害を発症されたのはご成婚されてから間もない頃でした。ご病名が発表されてからも、マスコミがたびたびご病状について報じていたように、芳しい状況ではありませんでした。症状の重い時には、夜眠れずに明け方頃にようやくお休みになられるという風に昼夜逆転の生活を送られていたとも言われています。

 

 

 もしそうした状況が続くようならば、皇太子様が天皇にご即位されて、雅子様が皇后になられた場合、ご公務の遂行もままなりません。もっとも雅子皇后としてのご公務が始まるのはまさにこれからのことですから、まだ今後のことは何とも申し上げようがありません。国民としては、雅子皇后陛下が心身ともにご健康であらせられますことをお祈りするばかりです。

 

 

ヤマタノオロチの怒り

 

 

 三種の神器のひとつに天叢雲剣がありますが、雲の剣とあるように雨雲と縁が深いようです。そして実際に10月22日の即位礼正殿の儀の日には、神儀が行われる皇居の上空は厚い雨雲に覆われました。日本神話の世界そのままの展開に、やはり日本という国は神話がいまだに息づいているのかと感慨深いものがありました。

 

 

 ともあれ台風による被災者を慮り、当日予定されていたパレードの延期はすでに数日前に決まってはいましたが、やはりせっかくお二人のお姿を直に拝見できる貴重な機会だっただけに、非常に残念です。後日、パレードは日を改めて行われるそうですが、即位礼正殿の儀の当日に行われてこそ、意味があると思うのです。スサノオノミコトに退治されたヤマタノオロチの怒りが令和の時代になっても息づいているのかもしれません。日本神話の世界はまったく奥が深い。

 

 

 とはいえ、平成の時も昭和の時も当日は雨ではなかったそうです。そして令和の時代が正式に幕開けとなったこの記念すべき日に、雨降りとはどうしたことでしょうか。

 

 

雨降って地固まらず

 

 

 いきなり庶民の話題ですが、私たちの結婚式のことを少し思い出してみてください。たまたま雨降りの日に結婚披露宴が行われる際には、定番中の定番のスピーチがありました。即ち、雨降って地固まると言われるように、本日の雨はお二人にとってはさらに固い絆で結ばれることを祈願して…云々というあれです。また晴天の日には、まったく逆の文言になります。本日はお日柄も良く…と。両陛下にとっては式典当日の雨降りについては、どのようにお考えになったのでしょうか。気になるところですね。

 

 

 スピーチにやたらと天候や季節のことを話題にするのは、日本人の癖なのだそうです。外国ではさほど天気を気にしないようです。雨降りだからなんだというのか、ということでしょうか。でも日本国の象徴たる天皇皇后両陛下です。日本人の代表として、最重要行事である即位礼正殿の儀の当日が雨降りとなりましたが、果たして雨降って地固まるという風にお考えなのでしょうか。

 

 

 昨今の台風により各地で河川が決壊して甚大な被害を及ぼしたことを思うと、なぜ雨降って地固まるのか、さっぱりわかりません。それどころか、雨が降り過ぎて水害を引き起こしているではありませんか。ちっとも地面は固まりませんよ。これ以上の雨は困るのです。大事な皇室行事の日に雨など降ってほしくはないのです。

 

 

 暴れ者のスサノオノミコトに腹を立てて、天照大御神が天岩戸に隠れてしまい、たちまち世界は暗闇で覆いつくされたと古事記日本書紀にあります。もしも雅子様が神話の世界の天照大御神ならば、車窓からお顔を覗かせられた瞬間に、雨雲は消え去り太陽が注いでいたことでしょう。もちろん、神話の世界でのお話です。

 

 

笑顔の雅子皇后

 

 

 雨脚の強まる中、雅子皇后がお車の中から見せられたあの笑顔のご表情だけでも、私たち日本人の心は晴れ模様となりました。そう信じたい。楽しみにしていたお披露目のパレードが延期になったこと。雨降り。令和という新しい時代が明るい未来にむかって開かれんことを願うばかりです。