明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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雅子様の笑顔と涙が示された「開かれた皇室」への歩み

 まさしく令和の幕開けに相応しい、天皇皇后両陛下のパレードでした。「祝賀御列の儀」のパレードに臨まれたお二人を乗せた車列が、皇居・宮殿を出発し、約4・7キロの道のりを経て、赤坂御所まで戻られるまでの間、沿道には大勢の人々が祝福に集まりました。

 

 

神話の世界が現代に

 

 

 50台にも及ぶ車列は時速10キロというゆっくりとした速度で移動し、車中からお二人は沿道の人々へずっと手を振られていました。雅子様は時々、感極まられたのか、涙ぐまれたご様子もありましたが、終始笑顔でいらっしゃったのが、強く印象に残りました。雅子様のあの笑顔はまるで天照大御神のよう。雲一つない素晴らしい秋晴れに恵まれたのも、神話の世界そのままです。きっと神武天皇以来、連綿と受け継がれてきた日本の皇室を天もしっかと見届けてくださったに違いありません。

 

 

 明治以降、大正、昭和、平成、そして令和へと、その時代時代で天皇の存在感は大きく変わっていきました。世界情勢の変化に伴い、常に戦争に直面し、第二次大戦では敗戦国となり、国民生活は大いに困窮しました。戦後の新しい日本国憲法が制定され、日本は平和国家として歩み始めたのです。同時に天皇制の在り方も大きく変わり、象徴天皇という新たなお立場となりました。

 

 

 平成の天皇皇后両陛下は象徴としてのお立場について常にお考えを巡らされ、ご退位の際に述べられたお言葉のとおり、その役割を懸命に果たされたのです。そして新たに元号が令和となり、ご即位された両陛下は、一連の儀式の一区切りとして、「祝賀御礼の儀」のパレードに臨まれました。パレードの沿道に集まった人々のみならず、すべての日本人が、車中からお手を振られ、満面の笑顔をお向けになるお二人のお姿に、「開かれた皇室」への第一歩が踏み出されたことを強く印象付けられたのです。

 

 

過去のお辛い出来事

 

 

 ご成婚してしばらくしてから、雅子様はご体調を崩され、担当医から適応障害と診断されたことはご承知のとおりです。体調不良のためにご公務をキャンセルせざるを得なくなったことも何度もありました。適応障害がなかなか完治されないまま、時間だけが過ぎてゆき、その間に雅子様ご自身がいかようなお気持ちでいらしたのでしょうか。宮内庁の内部からも雅子様のご体調に関する断片的な情報が漏れ出して、雅子様に対する”バッシング”に近い状況が続いた時期もありました。

 

 

 そうした”逆境”にありながらも、雅子様には愛子様というお子様がお出来になりました。が、愛子様に関するあまり好ましからざる情報がまた報じられ、一時期はまるで四面楚歌のような状況におありになりました。一向に病状にご回復の兆しが見えないまま、先行きの見通せない、お辛い時期を雅子様はじっと耐え忍ばれてきたのです。

 

 

 元外交官でいらっしゃった雅子様は、かつて平民からの初のお妃となられた美智子様が望まれたように、皇室をより国民に身近な存在に変えていきたいとの思いをお持ちのはずです。前職の経験を生かされて「皇室外交」を展開されたかったのではないでしょうか。

 

 

 ところが、宮内庁の伝統至上主義という高い壁に阻まれ、さらには天皇家に仕える女官など担当者の間でも、伝統を刷新したがらない人たちがいて、なかなか思うようにはなりませんでした。そうしたことに雅子様は大きなストレスを感じられたに違いありません。ご成婚当初には、あれだけ利発なご様子だったのに、ついにはご病気にもなられてしまったのです。

 

 

 「開かれた皇室」という言葉はこれまでも何度も言い尽くされてきました。が、上皇陛下が懸命に象徴としてのお役目を果たされてこられましたものの、皇室の在り方には残念ながらさしたる変化は見られませんでした。開かれた皇室どころか、むしろ逆の印象すらあったのです。旧態依然たる皇室が「開かれた」皇室に変貌するまでには、まだ長い道のりがあるように思われました。

 

 

「開かれた皇室」へ

 

 

 そして令和という新しい時代が幕を開けました。ご心配されていた雅子様のご体調も、即位に付随する一連の儀式を通じて、お姿を拝見する限りにおいては、それらの懸念は杞憂であったように思われます。誠に喜ばしいことですね。皇太子妃殿下時代とは比べ物にならないほど、皇后陛下のご負担は重いものです。ご公務の数も相当数に上るはず。雅子様の御双肩に掛かる重圧は大変なものです。にもかかわらず、最近の雅子様のご表情はとても明るく、雅子様の笑顔は、以前にもまして慈しみ深く感じられます。

 

 

 秋晴れの中、執り行われた「祝賀御列の儀」パレードでの雅子様の笑顔の、何と素晴らしいことでしょうか。前日の「国民祭典」にご出席された際にも、雅子様は時に涙ぐむ場面がありました。人々と同じように微笑み、感動の涙をそっと拭われるご仕草は、これまでの皇室では拝見することはできなかったものです。そして、雅子様の笑顔と涙のご表情こそが「開かれた皇室」への第一歩を踏み出したことを象徴しているように思われるのです。皆さんは、どのようにお感じになりましたか。

 

 

 新時代の幕開けに、皆さん、乾杯しようではありませんか。