明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

うつを悪化させない「ラグビー・ロス」をいち早く癒す方法

 南アフリカ戦に敗北したものの、ラグビー日本は本当によく健闘しました。彼らに心から拍手を送りたいと思います。サッカーW杯への日本の挑戦は終わりました。日本中をあれだけ沸かせてくれた彼らの健闘も、もう当分の間は見ることが出来ません。4年後に、彼らがさらに成長してまた熱い戦いぶりを見せてくれることを願うのみです。あれだけ日本中を熱狂させた15人のサムライたちの雄姿が見られなくなると思うと、心にぽっかりと穴が開いたような気がします。皆さんはどうですか?「ラグビー・ロス」症候群にかかっていませんか。

 

 

ラグビー・ロス」症候群

 

 

 約一か月間にわたる熱き戦いに幕を下ろすこととなったラグビー日本チーム。毎週、彼らの闘魂に胸を熱くしていたのに。熱狂していたものが急になくなった後、元気が出ない、気持ちが沈むなどの症状は表れていませんか。それが「ラグビー・ロス」症候群です。愛犬や愛猫に死なれると喪失感により精神的に不安定になったり、うつを発症したりすることがあります。今回のラグビー日本が急に目の前からいなくなったことで、ペットロスと同じような心理状態になることがあります。「ラグビー・ロス」という言葉は正式な用語ではありませんが、まさしくそんな感じです。

 

 

 とくに注意が必要なのは、うつ症状の方の場合です。うつの方は人一倍、喪失感に敏感です。そもそも心のどこかに空洞が出来ていたところに、さらにラグビー・ロスが加わることで精神的に大きなダメージを被る恐れがあります。重要なことは、早く「ラグビー・ロス」状態から抜け出すことです。それにはどうしたらいいのか、これからお話しようと思います。

 

 

 ペットロスの場合、新たに愛情を注ぐことのできる対象物を求めるのもいい方法です。むろん、亡くなってしまったワンコやニャンコの代わりなどいないのですが、ペットショップでかわいらしい子犬や子猫をみているうちに自然と心が癒されていくものです。それは喪失した部分を新たに愛情の対象となるペットで埋め合わせられが出来るからです。

 

 

 では「ラグビー・ロス」はどうすれば良いのでしょうか。やはりペットロスの対処法と同じことです。新たに熱中できる対象を探すことです。スポーツ全般がお好きな方ならより回復は早いでしょう。というのも、来年には東京オリンピックが控えている現在、日本はスポーツ熱に燃えているからです。野球の日本シリーズも今まさに真っ最中です。ラグビーから野球にシフトしましょう。あなたが好きな球団はどこですか。そんなことを考えているうちに、またラグビーから野球愛が再燃することでしょう。

 

 

癒しの対象を探す

 

 

 スポーツだけに限りません。何か熱中出来るもの、そのことに没頭することで「ラグビー・ロス」から回復できます。芸術の秋ですから、NHK交響楽団定期演奏会を鑑賞するのもいいでしょう。海外のアーティストのライブを見に行くのもいい方法ですね。ライブは一人よりも何人かの同好の士と一緒に出掛けた方がより楽しめます。

 

 

 うつの方はなかなかみんなとワイワイやるのが苦手です。また大勢が集まる会場に出向くこと自体が困難な場合もあります。そういう時には、無理してライブやコンサート会場まで出かけることはありません。自宅でお好みのアーティストのライブDVDを鑑賞したり、CDやレコードを楽しめば良いのです。

 

 

 私事で恐縮ながら、偉大なるピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテルにどっぷりとはまっていて、51枚組BOXセットを購入したり、中古レコード店でLPレコードを買い漁ったりしています。何かに没頭することは、気持ちを上げてくれるものです。うつ症状の時には、何にも興味がわかなかったのですが、うつから脱出できた今、そのきっかけを作ってくれたのは、レコード棚の中で長い間、眠っていたリヒテルのレコードでした。30年以上もしまい込んだままだったリヒテルのレコードをターンテーブルに乗せて針を落とした瞬間、私の中で何か化学変化のようなことが起きたのです。以来、症状がしだいに緩和されていきました。何かに熱中することがとても大事なのです。

 

 

 ラグビーW杯に夢中になっていた時のことを思い出してください。いつもならば、騒々しいスポーツ観戦なんか見向きもしなかったのに、しだいに日本代表の熱い戦いぶりに引き込まれていきました。あの感覚を思い出しましょう。そして、ラグビー以外にあなたの好きなことは何なのか。よく考えることです。誰でも一つや二つは思いつくものです。さて、あなたは今、何が好きで何をしたいですか。

 

 

シネコンで映画を

 

 

 それは偶然に見つかることもあるかもしれません。私がそうであったように。ヒントを出しましょう。本棚や机の中をちょっと覗いてみてください。その中にきっとあなたを夢中にさせる何かがあるはずです。外出するのもいいですね。映画を観るのもいい。最近あまり映画館に行かなくなっていたのならば、ちょっと足を運んでみませんか。

 

 

 シネコンプレックスに行けば、洋画、邦画の新作が上映されています。あらかじめ観たい映画に狙いを定めて出かけるのが普通のやり方ですが、ちょっと冒険してみましょうか。何も調べずにとにかく映画館に行ってから、どれか面白そうな映画を観るという方法です。私はよくこの手を使いました。こんな映画があったのかと目を瞠るような名画に出会えることもあるものです。そんなことを考えているうちに、あなたの心の空洞は自然に満たされていくことでしょう。