うつの方はご用心を！週末に風邪をひくと月曜日が大変です

　滅多に風邪をひかない人がめずらしく流感などにかかると、鬼の霍乱と言われますが、しょっちゅう風邪をひいてばかりいる私の場合には、家族はまたかとあきれ顔になるだけです。でもうつの方にとっては、風邪による体調不良からうつ症状が悪化することもあるので、注意が必要です。それにしても、折角の週末に体調不良で寝込むなどというのは、実につまらないものです。市販の感冒薬で何とかしのいだものの、大変なのは週明けです。週末に体調不良を起こした後にやってくる魔の月曜日。これがなかなか辛いものです。うつの方ならこの気持ちはよくご存知ですね。

「葛根湯医」

　金曜日の夕方は、何となく会社員やOLさんがそわそわしだします。うつ気分の方ならなおさら、待ちに待った週末ですね。週初めの重い気持ちがようやく落ち着き出すのは水曜あたりからでしょうか。やっと週半ばを過ぎるとあと二日間、何とかやり過ごせば、楽しい週末がやってきます。そして迎えた週末。疲れもピークに達しています。このタイミングで、気温が急降下し冷たい雨がそぼ降る土曜日に、ついに風邪にやられてしまいました。

　この週末に風邪をひかれた方も多かったのではないでしょうか。東京地方では、ジェットコースターのように前日から10度も気温が急降下したのです。こんな天気では、丈夫な方でも、風邪をひいてしまいます。日ごろ流行に疎い私でさえ、流感にかかってしまったのですから。

　なお悪いことには、土曜日は祝日で診療所も休診です。手持ちの風邪薬でなんとか持ちこたえるほかありません。因みに、葛根湯は風邪の初期段階には絶大なる効果を発揮するので、常備薬にしておいて損はしませんよ。専門家に言わせると、要するに風邪という病気はなく、症状は様々だそうです。そのため風邪の特効薬というのは存在しないといいますが、葛根湯はそれに近いのではないでしょうか。

　昔から、風邪の症状で内科医の診察を受けると、熱と喉の腫れを見た後に必ず言うセリフは、「風邪ですね。葛根湯を出しておきましょう」です。それで、失礼ながら、すぐに葛根湯を処方する医者のことを「葛根湯医」と呼ぶのです。でもあながち、間違った診断ではないと思いますよ。事実、葛根湯は万能薬ともいうべき優れた薬効を発揮してくれます。決してやぶ医者なんて思ってはいけません。念のため。

　風邪の時のお勧めの薬メニューは、葛根湯と一緒にロキソニンを服用することです。ロキソニンは解熱鎮痛成分が含まれていて、熱を下げてくれますし、発熱による体の節々の痛みも緩和されます。この2種類の市販薬を持っていれば、多少の体調不良は抑えることが出来るのです。もちろん、症状が改善されない場合には、すぐに医師の診断を受けることが大切です。でもお医者さんは「風邪ですね」の一言で、同じ薬を処方するかもしれませんね。だからといって、即座にやぶ医者と決めつけるのは良くないですよ。当然ですけど。

あなたの代わりはいない

　問題は週末の風邪を何とか”特効薬”で抑え込んでも、寝込んだ後に必ず魔の月曜日がやってくることです。ただでさえ、週初めの月曜日は気持ちが沈みがちになり、足取りも重くなる一方です。そこを何とか切り抜けなければなりません。どうすればよいでしょうか。

　気持ちも体も重たいまま、何とか出社したら、あなたがとるべき態度は一つです。辛そうな表情で息も絶え絶えに、今日は風邪が治り切らずに体調が最悪なのだということを周囲に”広報””することです。調子が悪いのに、朝から元気いっぱいの若手に無理に合わせようなどと思ってはいけません。こういう日には、無理することは禁物です。出来る限り、そっとしておいてもらえるように、態度で示しましょう。坂本九の『幸せなら手をたたこう』に、幸せなら態度で示そうよ、そら皆で手をたたこう、という歌詞がありますが、それとはまったく正反対のことをすればいいのです。風邪なら態度で示そうよ、そら皆さん、そっとしてね、という感じでしょうか。

　ああ会社に行きたくない。休んでしまおうと思わってはいけません。うつ症状がますます悪化するかもしれないからです。休まずに我慢して、何とか魔の月曜日さえやり過ごせば、やがてまた週末がやってくるのですから。それまでの辛抱です。無理はせずに、体調不良なりになるべく仕事の量を加減するようにした方がいいでしょう。

　この仕事は自分しかできないからなどと踏ん張る必要はありません。誰か他の方に替わっていただくまでのことです。仕事のことなんか、そんなに心配することはありませんよ。それよりもご自分の体調の方こそ一番大事です。仕事は他の人が交代できても、あなた自身の代わりはいないのですから。ご家族の方にとって、パートナーにとって、あなたは絶対に必要なのですから。そのことをくれぐれも忘れないでください。風邪をひいたときは、１番は無理しないこと、2番目はご自分の体を労わることを最優先すること、3番目は…。思い切って、言ってしまいましょう。あなたを愛してくれる方のためにご自分を大切になさることです。