明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

通勤電車でいびきをかく人をどう思いますか?

 以前このブログで、満員電車の中で新聞を四つ折りにして読む人が立てる音が果たして「騒音」と呼べるのか否かについて、お話したことがあります。混雑した通勤電車で器用に新聞を折りたたんで読みふける中年男性に対して、突然、若い男が掴みかからんばかりの剣幕で「ガサガサうるせぇんだよ!」と恫喝するところを目撃したのです。

 

 

 確かに四つ折りの新聞を読むためには、多少の雑音が出るものですが、恫喝男が主張するような「騒音」かと言われれば、私は違うと思います。そもそも駅構内でも電車の中でも、絶えず案内のためのアナウンスメントが流れています。やれ降りる方のためにドアの前を塞がないようにせよとか、つり革や手すりに摑まれとか、幼稚園児ではあるまいし、余計なお世話というものです。親切心からあのような案内放送をながすのでしょうが、毎度、同じアナウンスを聞かされる方が、よほど迷惑だと感じる方も多いのではないでしょうか。

 

 

騒音の定義とは

 

 

 必要な案内放送には違いないのですが、毎度、聞かされるから「騒音」に感じるのでしょうか。通勤電車やバスの中では学生さんがおしゃべりをするのはめずらしくない光景ですが、他の乗客の方々は大体、押し黙って静かにしています。ひところ、イヤフォンから漏れる音が迷惑になるとして問題視されたことがありましたが、最近では、音漏れしないイヤフォンやヘッドフォンを使用されるようになったためか、あまり”シャカシャカ”音を立てなくなったようです。乗客がなるべく無駄な音を立てないようにしているから、余計に案内放送が耳障りに聞こえるのかもしれません。

 

 

 でも乗客全員が静かにしているわけではありません。座ると同時に居眠りを始める方が何と多いことでしょうか。ただ目を閉じているだけの方もいらっしゃるのでしょうが、中には盛大にいびきをかいて爆睡中の方も一人や二人、いらっしゃるものです。混雑してつり革につかまれるだけでもラッキーだと思っている方にとっては、あの聞えよがしのいびきは実に不愉快極まりないものに違いありません。誰もが朝からすし詰め状態の通勤電車になど好きこのんで乗っているわけではありません。仕方がなく、会社の始業時間に間に合わせるために、好むと好まざるとにかかわらず、満員電車に揺られているのです。

 

 

 通勤電車で最も不快な騒音といったら、あの高いびきの他はありますまい。郊外に一戸建て住宅を購入した場合、大抵、遠距離通勤を余儀なくされます。朝早くけたたましく目覚ましの鳴る音にたたき起こされ、眠い目をこすりながら、いつもの混雑する通勤電車に乗らなければなりません。テレビ番組で、常識はずれの超遠距離通勤や通学されるケースを紹介するコーナーがありますが、見ているだけなら他人事ですから、おやこんな長距離通勤なんて気の毒にね、などと笑っていられますが、もしも自分があのような長距離通勤を余儀なくされたら、どうでしょうか。私はとても耐えられそうにありませんね。

 

 

座れた人はどうかお静かに

 

 

 近い将来、会社に出社しなくてもインターネットを通じて仕事をするのが当たり前になることでしょう。すでに実践しているケースもあります。でも今のところ、大多数の会社員は出勤時間に遅れないように、嫌でも満員電車に揺られる日々がまだまだ続きそうです。通勤電車が避けられないのならば、なるべく快適に過ごしたいものです。それ故、イヤフォンで好きな音楽を聴いたり、寸暇を惜しんで狭いスペースで折りたたんだ新聞を読み漁る方がいらっしゃるわけです。文庫本を片手に持ち夢中で読書する方もいます。文庫本ならば「ガサガサうるせぇよ!」と恫喝される心配はなさそうです。

 

 

 そうして乗客一人一人がそれぞれの自分の”世界”に浸りながら、何とか満員電車の不快感をやる過ごそうとしているのです。それなのに、席を確保できたうえに迷惑千万ないびきをかくなどということが、どれだけ周囲に不快感を与えているのか、考えていただきたいものです。といっても、いびきをかいて熟睡中の人は、夢の続きでもみているのかもしれず、とても周囲に対する配慮までは考えが及ばないのかもしれませんね。

 

 

 幸運なことに(こんなことで運を使いたくはありませんが)席を確保でき、その上居眠りもできるなんて、あなたは何と幸せな方なのでしょう。大多数の乗客は立っているもやっとという状況におかれているのですから、席に座れる方は”選ばれし民”なのかもしれません。平たく言えば、自分だけ席に座れて楽しているのだから、せめて静かにしていろ、と言いたい。そう思うのは、私が偏狭な人間だからでしょうか。皆さんは、どう思われますか。