明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「年末大掃除」における夫側の正しい立ち位置とは

 クリスマスという一大イベントがようやく終了し、まさに正真正銘の年末となりました。サービス業や医療・福祉関係を除く一般の企業では、今週末に仕事納めとなるところが多いようです。いよいよ今年もあとわずか。来年こそは良い年となりますようにと願わずにはいられません。

 

 

 今年は日本列島に上陸または接近した台風が大きな被害を各地にもたらしました。被災地の皆様には、いまだに不便な生活を強いられている方々も大勢いらっしゃいます。多くのボランティアがそうした被災地へ出向き、片付けなどに大活躍する様子を見るにつけ、日本人の助け合い精神は大きな美徳だと誇りに思います。水害などの自然災害に遭遇された方々が一日も早く元通りの生活に戻れますよう、心よりお祈りいたします。

 

 

大掃除の所作

 

 

 さて、年末といえば家中にたまった一年間の埃や汚れを掃き清めて、新年を迎えようという習慣があります。平たく言えば、年末恒例の大掃除です。仕事納めの翌日からさっそく一家で大掃除の大事業に取り掛かることになります。共働きの世帯では、日頃から夫婦で家事の分担を決めている方もいらっしゃいますが、それ以外の世のお父さん族はこの時期ばかりは、現場監督である奥様の命令一下、動かなければなりません。

 

 

 日頃、家事に関してはエキスパートでらっしゃる奥様とは違い、慣れない作業にお父さんたちは戸惑うばかりです。得てして、奥様はまるで大工の棟梁のような職人肌ぶりを発揮するものです。日頃気は気にも留めていなかった押し入れや納戸なども決して見逃しません。家中、隅々まで手を抜くことなく、掃除しないことには気が済まない様子です。職人仕事というのは、何でも懇切丁寧に手取り足取り説明しようとはしません。お父さん族も、阿吽の呼吸で動かなくてはいけません。

 

 

 とはいえ、なかなかその阿吽の呼吸というやつが掴めず、ただおろおろ、右往左往するばかりです。そんな態度を取ろうものならば、たちまちチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られてしまいます。こんな時にお父さんたちは一体どうすれば良いのでしょうか。

 

 

 まず職人肌の奥様が、わかりやすく指示を出してくださらない場合について、考えてみましょう。所在なげにじっと指示待ちしていてはだめです。自分から動くしかありません。それには、大掃除に掛かる際に、最初に自分の担当を申告すればいいのです。たとえば、風呂場の掃除やベランダ掃除、玄関の掃除などは如何でしょうか。どれもなかなかの力仕事になりますから、あなたからそれらの掃除を買ってでれば、奥様は満足されるはずです。力仕事から始めましょう。

 

 

 他にもまだまだあなたがやるべき仕事はあります。窓ガラスや家具の上など高い場所は奥様が掃除するには大変です。お父さんの出番です。照明器具の拭き掃除も喜ばれますよ。奥様では手が届きにくいところの掃除は進んでやりましょう。

 

 

 各ご家庭によってご夫婦の力関係にはそれぞれ違いがあるものですが、大抵、奥様の方がお強いケースが多いように思われます。実のところ、私のところはまさしくその口です。奥様がしっかりなさっているご夫婦は円満だと昔から言われています。だから恥ずかしがらずに、堂々として良いのです。そのようはご夫婦の場合には、奥様が何ごとにもイニシアチブを取るものです。前述の”棟梁”型の職人肌とは違い、むしろやりやすいかもしれません。何しろ、奥様に決して逆らうことなく、ご指示のとおりに動けばよいのですから。

 

 

 それでも奥様の出す指示は的確かつスピーディです。指示されたとおりにうまく動かないとたちまちお叱りを受けることになります。まず奥様よりの指令を即座に理解しなければいけません。『スパイ大作戦』の極秘指令テープレコーダーと同じで、うっかり聞き逃したりしたら、「なお、このテープは自動的に消滅する」と言ってシュウと煙が出て二度と聞き直せなくなってしまいます。それ故、奥様の指令には、言葉ひとつ聞き逃さないように細心の注意を払うべきです。

 

 

「〇〇を△△にしまってから、☆☆にある◎◎を持ってきて、××してね」

 と奥様は早口で指示を出します。その後にすぐにご自分の持ち場に戻ってしまうので、もしも聞き逃したり、やり方がわからなかったらすぐにその場で聞き直した方が無難です。

 

 

 理解できなくてうじうじ、うろうろしているのを奥様に咎められる前に、まずは奥様の言葉を反芻しながら、ご自分なりに理解してさっさと動きましょう。私の経験上、おろおろ、右往左往すると奥様のイライラ度数が急速にアップするようです。くれぐれもご注意下さい。

 

 

「大掃除」の意義

 

 

 それにしても大掃除のたびに思うのですが、きれい好きなのは日本人の美徳ではありますが、なぜ新年を迎えるのにいちいち家中をほじくり返すようにして掃除しないといけないのでしょうか。一度、じっくりとその意味と意義について考えてみたいものです。一年の計は元旦にあり、という諺がありますが、本当にそうでしょうか。大晦日に一年の計があっても構わないし、ゴールデンウィークを一年の計としてもいいではありませんか。昔から日本人は正月という行事を大切にしてきました。それにはそれなりの理由があったのでしょう。では、2020年の1月1日にどれほどの意味があるのでしょう。

 

 

 年末に大掃除して家中を掃き清め、邪気を払い、元旦を良い年の始まりとしようというのには、確かに一理あります。皆さんは大掃除をして新年を迎えた方がいいと思いますか?それとも一年の計は別に元旦にあらずとも良しとして、寝正月を決め込む方がいいですか?早い話、大掃除から何とか逃れたいと思っているだけかもしれませんが…。