明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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「箱根駅伝」V奪還の「青学の大作戦」と「ゴーン被告」の「国外脱出大作戦」

 お正月の恒例行事といえば、やはり箱根駅伝です。今年は青山学院大学が昨年の東海大から優勝旗を見事、奪還することに成功しました。やはり、青学は強かった。青学の原監督は五回目の優勝に因んで部員から五度、胴上げをされました。青学の底力を見せ付けられた形です。その青学が昨年の雪辱を果たすために掲げたスローガンは「やっぱり大作戦」です。やっぱり青学は強いということを全国に遍く知らしめたいという意味でしょうか。

 

 

V奪還の「青学大作戦」

 

 

 箱根駅伝はさすがに百年の歴史を持つスポーツイベントだけに、注目度は群を抜いています。テレビ中継が始まったのはずっと後のことですが、明治時代に作曲された『箱根八里』の歌詞にあるように、天下の嶮と呼ばれるほどの険しい山坂道を韋駄天の如く、一気に走り去る選手たちの姿には、まったく関心させられます。クルマでさえもあの急坂には低いギアでエンジン回転を上げなければならないのに、人力で急勾配をものともせずに走りぬくのは、並大抵のことではありません。テレビ観戦していても、思わず拳を握りしめて応援したくなります。

 

 

 往路はもちろんのこと、復路で下り坂を猛スピードで駆け降りるのは、強靭な筋力とそれを支える足腰が必要なはず。宮ノ下近辺は急勾配の上に急カーブがあります。それを一気に下るシーンは、まるでカーレースを観戦しているかのようにスリリングです。相当なドラテクならぬ、走りのテクニックを要することでしょう。とにかく全10区間があれだけ難コースばかりの駅伝は箱根以外にはないと思います。実際、軟弱な私などは、箱根の坂道を歩いたことすらありません。いつもクルマでギアを落としながらエンジン音が唸りをあげつつ走るだけです。

 

 

 難関の箱根駅伝をぶっちぎりの優勝で飾った青学の選手たちはまったく大したものです。原監督の優れた指導力がものをいった結果に他なりません。「やっぱり大作戦」は大成功を納めたのです。パチパチパチ!

 

 

ゴーン被告の「日本脱出大作戦」

 

 

 さて、話は変わって、日産自動車の元CEOカルロス・ゴーン被告が監視の目を潜り抜けて、国外へ逃亡するというニュースが飛び込んできました。元旦の新聞各紙が一斉に一面トップでデカデカと見出しを立て報じました。逃亡の詳しい経緯については今後の捜査を待たなければなりませんが、確実にわかっていることは、まんまと国外への逃亡劇を成功させたことです。日本政府は大慌てで、逃亡先のレバノンへ特使を飛ばして、被告の引き渡しを要請しましたが、レバノン政府は応じない模様です。まるで映画『ミッション:インポッシブル』を地で行くかのような”華麗なる”、否、卑劣極まりないゴーン被告の逃亡劇に他なりません。こちらは敢えて呼ぶなら「国外脱出大作戦」でしょうか。

 

 

 15億円もの保釈金をぽんと支払った後、彼の頭の中にあったのは、如何なる手段を講じてでも、日本を脱出して故郷に戻ろう、ということだったのです。この極秘作戦を成功させるに当たっては、用意周到に準備していたはずです。何しろ世界的な財界人で富豪のゴーン被告ですから、救いの手を差し伸べる有力筋の知人は多数いても不思議ではありません。脱出に必要な各所に大金を積み協力させ、各国の関係筋の助力を得て、ついにはレバノンへ逃亡したのです。

 

 

 あれだけ世界の大企業を操ってきた大物財界人が、日本の司法制度による判断が下される前に敵前逃亡を謀ったのです。こんな卑劣なやり口を黙って見逃すわけにはいきません。なぜもっと注意深く監視することは出来なかったのでしょうか。彼が逃亡する可能性は十分に考えられたはず。パスポートは他国でも発行する手立てがまったくないわけでもない。スパイ映画の見過ぎかもしれませんが、関係当局に賄賂をつかませて協力させることくらい、やり手の彼なら十分に可能だったことでしょう。

 

 

 ましてや故郷のレバノン政府は最初からゴーン被告の味方でした。さすがに拘置所内から彼を連れ出すのは、かのイーサン・ハントでも不可能かもしれません。でも保釈されて半ば自由の身になれば、その間にあちこちと連絡を取り、脱出の準備に取り掛かれたことでしょう。ゴーン被告の「国内脱出」は十分に起こりうる出来事だったのです。

 

 

 青学の原監督が箱根駅伝を再び制するために掲げた「やっぱり大作戦」。そして、カルロス・ゴーンの「日本脱出大作戦」。どちらもこの正月の二大ニュースになったのは、ご承知のとおりです。前者は人々に勇気と感動を与えましたが、後者はゴーン被告という「卑怯者」にまんまと騙されたことで、世界中から日本は笑いものになってしまいました。しかも信じがたいことには、レバノンやフランスをはじめ、世界ではゴーン被告に同情的なスタンスなのです。日本は厳然たる法治国家です。法律に基づいて正規の手続きを経て、ゴーン被告に対処してきたのに、違法に出国した彼の肩を持つなんて、まったく信じられません。日本政府はもっと世界へ向けて、ゴーン被告は正真正銘の「アウトロー」である事実を表明しなければいけません。もっと日本人はこの鉤鼻の外人に対して憤るべきです。

 

 

 正月早々ではありますが、大いに憤慨した次第です。皆さんは、どのようにお考えでしょうか。