明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

最後の「センター試験」どうぞ雪は降りませんように

 受験生にとっては今週末は「天王山」でしょうか。センター試験が今年を以て、30年目で終了することになりました。来年からは新たに「共通試験」に衣替えです。といっても、私のように50過ぎの年齢の皆さんは、センター試験といってもイマイチよく理解できていません。何しろセンター試験以前には、共通一次試験でしたから。あのマークシート方式になれていなかったため、わざわざ解答欄を鉛筆で塗りつぶす練習をしたものです。

 

 

 マークシート方式では、設問の答えがどうしてもわからなくても、鉛筆を転がして、まるで占いのように直感に任せて塗りつぶしました。解答欄の黒塗り箇所のばらつき具合も参考にして、1番がちょっと少ないからここは1番にしておこうとか、図柄的にこのあたりが正解ではないかなどと、随分といい加減な解答をしました。そんなやまかんが通用するはずもなく、あえなく撃沈する戦友たちの何と多かったことでしょうか。要するに、勉強不足だから正解を導き出せないだけです。

 

 

 最後のセンター試験が今週末から始まりますが、東京地方では雨から雪の予報も出ていて、試験当日の天気が気になります。どうぞ受験生の皆さんが会場に付く前に、滑ったりしませんようにとお祈りします。滑るのは、二流お笑い芸人だけで十分です。どうぞ皆さんのご健闘をお祈りします。

 

 

大学入試は「第一関門」

 

 

 50歳を超えた私からすれば、大学受験は遠い昔の出来事です。今や”お受験”といって有名私立幼稚園や小学校に進学させるべく、専門の塾に通わせるそうです。受験戦争という言葉も最近ではあまり使われなくなりましたが、我々の頃には、熾烈というほどではなくても、受験戦争に勝ち抜いて志望する大学へ進学することが、まるで人生の第一関門のような気がしました。名の通った一流大学を卒業して、有名企業に就職すれば、あとは定年まで生活は安泰でした。それも今は昔で、終身雇用制がなくなった現在では、大企業にさえ入社すればいいという時代は終わったのです。

 

 

 私の頃にはバブル経済の末期ではありましたが、就職活動は昨今のように熾烈を極めるほどではありませんでした。複数の会社から内定をもらい、その中から将来性のありそうな、あるいは自分を生かせそうな職種の企業を選ぶことが出来ました。が、長引く不況の中、就職氷河期は脱したものの、それでも就活を勝ち抜くためには、生き馬の目を抜くようなはしこさが求められます。新入社員たちに話を聞くと、彼らがいかに厳しい競争に晒されてきたのかと、気の毒になります。就活のためにバラ色のはずの学生時代を棒に振るなんて、まったく残念な話です。四年間の大学生活は決して「就活」ためにあるわけではないのです。

 

 

 マスコミ志望の学生さんもたくさんいるようですが、それは昔から変わりはありません。バブル期の頃でさえもテレビ局や新聞社、出版社などのマスコミ大手への就職は狭き門でした。それでも、今のように学生生活のほとんどを就活の準備に費やすなどということはありませんでした。本が大好きだから出版社にしようと漠然と考えていた私は、今思えば随分と暢気に構えていました。

 

 

 新聞社は入社テストで高得点をとらなければ面接にも参加出来ませんでしたが、出版社では初めから面接がほぼすべてでした。面接にも一次面接、二次面接といくつか段階があります。一次面接を通過しないことには門前払いされてしまいますから、とにかく一次面接ではひたすらはったりをかます作戦でいきました。たとえば、志望動機を訊かれて、漠然と本が好きですと答えたら、一発で落とされます。映画や漫画をたくさん見ているうちに、たまには本を読んだ方がいいと思い、それでも面白くない本は読みたくないので、自分で面白い本を作ってみようと思ったなどと大ぼらを吹くのも手です。面接官にこの野郎、生意気な奴だと思わせたらこちらの勝ちです。逆に模範解答のような常識的なことしか話さないと、面接官の記憶には残りません。とにかく変な奴だと思わせるのがコツなのです。

 

 

 随分前のことですが、集団討論面接で、ある女子学生がなぜか江戸時代の女性の避妊方法を披歴して、見事に入社できた例がありました。今では、こんなバカ女はきっと門前払いされるでしょうね。会社側も突飛な人間よりも質実剛健な手堅い人材の方を重視するようになりました。それでも、一次面接ではとにかく目立つことを第一に考えた方がいいと思います。

 

 

自分自身の「第二関門」を

 

 

 話が面接のコツに飛躍したようです。戻しましょう。少子高齢化社会となった現在の日本では、終身雇用制もなければ将来を保証してくれるものは何一つありません。受験生は大学入試テストに合格することが第一関門には違いありませんが、就職すればもう安心できる時代ではありません。就職することが第二の関門で、その先にはどんな難関が待ち構えているか、誰にもわからないのです。ということは、別の角度から見れば、従来、第二にして最大の関門とされていた就職を必ずしも最終的な関門とする必要はないのかもしれません。一流企業に就職するよりも、ビル・ゲイツスティーブ・ジョブズマーク・ザッカーバーグのように起業するという選択肢もあるのです。ホリエモンですか?う~ん…。

 

 

 就活に血道をあげるよりも、自分自身で考えた第二の関門を目指すべきかもしれません。マスコミを志望する気持ちもわかりますが、正直な話、出版社などつまらないところですよ。マスコミも規模こそ小さいものの企業体には違いなく、そこの社員は他の業種の会社員とさほどの違いはありません。サラリーマンには変わりはないのです。

 

 

 今から10年後、20年後にはどんな職種が流行るのか、はたまた廃れるのか、誰も予測できないのです。名の通った会社に就職したからといって、安心できません。それだけは確実に言えると思います。まずは、受験生の皆様には、第一関門であるセンター試験で良い成績が取れますように。受験日にはどうか雪が降りませんように。