明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「雪」にも負けずに外出したら意外な展開になりました

 土曜日の東京地方は朝から霙が降りました。やがて霙は雪へと変わり、足元が危なくなりつつある中、急に思い立って外出する気になりました。

 週末にはショッピングや小旅行などを計画されていた方も多かったことと思いますが、早朝から雪では、予定を変更せざるを得なかったことでしょう。

 

 

 寒さなどものともしないアクティブな方ならむしろ雪の日に心躍ったかもしれません。でも大概の方々は窓の外を見て、外出は中止されたはずです。実は私もこの日は、用事があったのですが、翌週に回したのです。

 

 

週末の「ハプニング」

 

 

 さて急遽、午前中の予定がぽっかりと空いてしまい、手持ちぶさたになりました。いつものようにブランチをとりながら、ゆっくり寛ごうと考えていた時に、ハプニングに見舞われたのです。といっても、そう大げさなことではありません。キッチンで朝食用にベーコンを冷凍庫から取り出そうとした時に、あろうことか突然その扉が閉まらなくなってしまったのです。

 

 

 我が家では週に二回ほど食材の買い出しに行きます。そのため、冷蔵庫には常に三、四日分の肉や野菜などのストックが冷凍または冷蔵保存されています。冷凍庫はいわゆる引き出し式になっていて、そこにベーコンやら豚肉、鶏肉などの食材が入っています。引き出しの不具合らしく、きちんと閉まらないのです。これでは、十分な保冷が出来ず、中の食材が腐敗してしまう恐れがあります。

 

 

 そういえば、数週間も前から不具合に気づいていたのですが、まだ大丈夫だろうと高をくくっていたのでした。それがよりによって雪の日に故障してしまうとは、何という不運だろうかと嘆きました。とはいえ、購入してから13年目の旧式ですから、家電の買い替え時期の10年はとうに過ぎています。いつ故障してもおかしくなかったのです。

 

 

 というわけで、やむなき事情のため、悪天候の中、冬用タイヤを履いていないクルマをゆるゆると発車させて、家電量販店へと向かわざるを得なくなりました。

 

 

 クルマのフロントガラスには絶えず雪の結晶が張り付いてはワイパーで振り落とされていく様に、普段以上に慎重に運転しました。道路はさすがに悪天候のため交通量は少なめでした。

 

 

 無事に目当ての量販店に到着しました。いつもの週末には、パーキングはほぼ満車状態になるのに、この日は空いていました。店内もさほど混雑はしておらず、店員さんも暇そうにしていました。いつもなら、商品説明を聞きたくても、店員さんが皆接客中のために待たされることもありますから、逆に客にとっては都合が良かったようです。悪天候も悪いことばかりではありません。

 

 

 冷蔵庫の売り場には様々な家電メーカーの商品が陳列されています。どの商品も扉のところに特長が簡潔に書かれていて、さてどの製品にしたらよいものか、皆目見当がつきません。本来なら、ネットで事前に製品や価格などの情報をチェックしてから店に行く方がベターなのでしょうが、今朝、突然に故障したとあってはそうした準備をする余裕もありませんでした。何の知識も情報も持ち合わせないまま、飛び込みでやってきたわけです。

 

 

掘り出し物

 

 

 ご存知のことと思いますが、この手の家電量販店には大体、二種類の定員さんがいるものです。即ち、その店舗の営業社員とメーカーの営業マンです。制服が違うので、すぐに見分けがつきます。当然ながら、メーカーの営業マンは自分の会社の製品を猛烈に勧めてきます。たとえ客が気に入った商品があって、その製品について質問しようと思っても、彼は決してそれを勧めることはありません。むしろ、その製品の弱点をあげつらい、巧みに自分の会社の商品を買わせようとするのです。

 

 

 少し前のことですが、中国の大気汚染のことが話題になった時に、親戚の者がシャープのプラズマクラスター付きの空気清浄機が欲しくて、家電量販店へ行きました。後にそのお宅で購入したての製品を見たら、シャープ製ではなくダイキンの製品でした。意外に思い、シャープのプラズマクラスターが欲しかったんじゃないの?と尋ねたら、店員がシャープよりもダイキンの空気清浄機の方が性能がいいと勧めたので、そっちにしたと言います。最初から目当ての商品を決めていたのに、この有様です。恐ろしや、メーカーの営業マン。

 

 

 そういう経緯が以前あったものですから、私も営業マンには十分に注意するように心掛けました。しかも今回は、最初から商品知識ゼロ、情報なしの”丸腰”です。ラグビーにたとえるならば、相手ボールを強引に横取りする”ジャッカル”のような(失礼!)熟達した技を持つ営業マンが客を待ち構えているのです。そこへ丸腰で彼らの陣地に入り込んだら、どうなることでしょう…。

 

 

 結果から申し上げると、良い買い物が出来ました。とくにどこぞの製品を狙っていたわけでもなく、運を天に任せておっとり刀で駆け付けたのです。どこのメーカーの営業マンであろうともちゃんと説明を聞いて、自分で判断すればよいと思い、覚悟を決めたのです。でもそれが却って、掘り出し物を見つけることにつながりました。

 

 

 シロモノ家電メーカーとしては老舗の部類に入る会社の製品でしたが、ちょうど新製品が発売されたばかりで、少し前まで最新の機種だったものが型落ち商品となり、メーカーとしてはその在庫を早くさばきたいという思惑があった模様です。それで、在庫があればという条件で、その型落ち製品を半額近くの価格で購入できたのです。これこそ、「無欲の勝利」です。

 

 

 在庫はありました。その営業マンによると残り10台のうちの一台だそうです。真偽のほどはわかりませんけれども…。とにかく、その商品の機能や性能は申し分のないもので、割安な価格も大いに魅力的でした。これこそ掘り出しものに違いない…と思う。

 

 

 ともあれ、満足のいく冷蔵庫を手に入れることが出来て、幸せな気分になりました。新しい家電を買うのは、なかなかエキサイティングな体験です。もしも今日、予定通りに朝から用事のために出かけていたら、新品の冷蔵庫を買うことはなかったかもしれません。ましてや雪の降る日です。雪の降る日は大人しく家にいようと思ったからこそ、冷蔵庫を買いに出るという行動に出たわけです。大げさかもしれませんが、こういう偶然の積み重ねが人生なのかもしれませんね。

 

 

 いや、ちゃんと事前にネットでチェックすれば、もっと良い掘り出し物が見つかったかもしれないと思われるかもしれません。でも私は今日の悪天候という不思議な巡りあわせによって、良い買い物ができたと信じています。誰が何と言おうとも。